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シューベルト、遠くへの渇望。 [2019]

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これもまた、旅なのかもしれない。冬の旅、ではなくて、シューベルトのアイスランドへの、あるいは、フォークロアへの旅... アイスランド出身のテノール、クリスチャンソンが、シューベルトの歌曲とアイスランドの民謡を並べるという、大胆な1枚を聴いてみようと思うのだけれど、元来、並ばない音楽が並んで生まれるケミストリーは、実に刺激的で、様々な想像を掻き立てる。シューベルトは、南への憧れを、その音楽に、様々に籠めている。君よ知るや南の国... ミニョンの歌(ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』から採られた詩、故郷、南の国から離れたミニョンが、その故郷の美しい情景を想って歌う... )は、まさに象徴的。で、ミニョンにシューベルトの姿が重なる?アルプスを越える経済力も行動力も無かったシューベルトだったけれど、知らない南の国を夢想しながら書いた音楽、例えばイタリア風序曲だとかを聴いていると、何だか切なくなってしまう。音楽の中で旅したシューベルト... そのシューベルトが、南ではなく北へと旅したら、どうだったろう?と、夢想しながら...
ベネディクト・クリスチャンソンのテノール、アレクサンダー・シュマルツのピアノで、遠くへの憧れを歌う、アイスランド民謡、そして、シューベルトの歌曲を、大胆にひとつにまとめたアルバム、"Drang in die Ferne"(GENUIN/GEN 19645)を聴く。

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