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ベートーヴェン、ミサ・ソレムニス。 [2013]

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2020年は、ベートーヴェン・イヤー!ということで、"新発見"とか、"世界初録音"とか、今からいろいろ期待してしまうのだけれど... そうした矢先、昨年末、ベートーヴェンが、10番目の交響曲として構想し残したスケッチを基に、AIによって"第10番"を作曲する、というニュースがありました(完成は、春の予定... )。いや、ひばりさんに負けられない... てか、合唱付きを越えてゆく交響曲(否が応でもハードルは上がる!)として、どんな音楽に仕上がるのか、興味津々。聴力がどんどん失われて行く晩年の楽聖は、誰も辿り着けないような、独特な音世界の中に在ったわけで、最後の3つのピアノ・ソナタなどを聴けば、その突き抜けた音楽の在り様に、どこか作曲という行為さえ越えてしまったような印象すら受ける(なればこその"楽聖"なのだと思う... )。AIは、この独特さをどう学習するのだろう?18世紀、ウィーン古典派の伝統を、しっかりと受け継いでいるベートーヴェンの音楽(初期)。ここまでならば、学習は容易。18世紀から19世紀への激動の時代(フランス革命からのナポレオン戦争からの保守反動... )をサヴァイヴし、ロマン主義的な方向性に個性を見出したベートーヴェン(中期)。これもまた、学習するのは、そう難しいものではないと思う。が、ロマン主義そのものへと向かうことはなかった晩年(後期)... 外からの音と断ち切られて至った境地は、学習して辿り着けるだろうか?いや、理論や様式を越えた地平を、AIが見つけることができたならば、楽聖、ベートーヴェンの真髄が、詳らかになるのかもしれない。
ということで、これもまた真髄、と思う作品... フィリップ・ヘレヴェッヘ率いるシャンゼリゼ管弦楽団の演奏、コレギウム・ヴォカーレの合唱、マーリス・ペーターゼン(ソプラノ)、ゲルヒルト・ロンベルガー(メッゾ・ソプラノ)、ベンジャミン・ヒューレット(テノール)、デイヴィッド・ウィルソン・ジョンソン(バリトン)のソロで、ベートーヴェンのミサ・ソレムニス(PHI/LPH 007)を聴く。

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