SSブログ

"Mozart's Maestri"、モーツァルトの師匠たち... [2014]

ACC24256.jpg
18世紀の音楽を、前半のバロック、バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディと、後半の古典主義、モーツァルト、ハイドンで片付ければ、もの凄く分かり易い。が、分かり易い、というのは、時として、真実を歪めてしまう(メルカトル図法の地図に似ているのかも... 球体の地球を無理やり方形の地図として表現すると、極地は異常に拡大され、赤道付近は縮んでしまうという、アレ... )。その顕著な例がモーツァルトかもしれない。バロックの後で、突如、モーツァルトという古典主義の神童が誕生した!みたいな、奇跡のようなイメージ、クラシックの中にはいつも漂っている気がする。もちろん、モーツァルトの天使のような音楽に触れれば、そういうイメージを持ってしまうのも、また自然なことかもしれない。が、実際は、大バッハら、バロックの大家たちがいて、その息子世代がポスト・バロックの道を切り拓き、モーツァルトは、その道を歩んだ、というのが史実であって... そして、今、改めて、その史実に注目してみる。天上から舞い降りた天使ではなく、先人たちからバトンを引き継ぎ、次代へと渡した音楽史の使徒としてのモーツァルトに... 普段、あまり注目されない先人たちも含めて...
ということで、ルカ・グリエルミのチェンバロと、彼が率いるコンチェルト・マドリガレスコの演奏で、前回、聴いたヨハン・クリスティアン・バッハのソナタを、モーツァルトが仕立て直した3つのピアノ協奏曲、K.107を軸に、モーツァルトの音楽をその師から見つめる一枚、"Mozart's Maestri"(ACCENT/ACC 24256)を聴く。

続きを読む...


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。