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ベルリオーズ、らしさを反転させて輝かせる『キリストの幼時』。 [2013]

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音楽史において、「異端児」という言葉は、この人のためにあるんじゃないかとすら思う、ベルリオーズ... 没後150年のメモリアル、改めてベルリオーズと、ベルリオーズが活きた時代を見つめると、この異端児を生み出した時代性、その時代をも揺さぶるベルリオーズの異端児っぷりが、何だかマンガのようで、21世紀からすると、めちゃくちゃおもしろい(裏を返せば、我々が生きている時代は、あまりに整い過ぎている... ゆえの閉塞感?)。古典主義のカウンター・カルチャーとして登場したロマン主義... ベルリオーズが本格的に音楽を学び始めた頃、ロマン主義はカウンターからメインへとのし上がり、その下克上の波に乗って、さらなる衝撃を与えるベルリオーズ!絶対音楽=交響曲にストーリーを持ち込む掟破り、幻想交響曲(1830)に始まり、ヴァーチャル黙示録?巨大なレクイエム(1837)、2日分?長大なオペラ『トロイの人々』(1858)などなど、それまでの枠組みから逸脱する作品を次々に送り出し、当時の人々を驚かしたわけだが、それらは時代を経た現在に至っても十分に驚かせてくれる規格外!やっぱり、ベルリオーズは異端児... さて、そんなベルリオーズの、ちょっと大人しめの作品、オラトリオ『キリストの幼時』を聴いてみようと思う。この大人しいあたりが、異端児にとっての異端?
ということで、レクイエム荘厳ミサに続いて、ベルリオーズ・メモリアルの総決算に... ロビン・ティチアーティの指揮、スウェーデン放送交響楽団の演奏、スウェーデン放送合唱団、ヤン・ブロン(テノール)、ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)、シュテファン・ローゲス(バリトン)、アラステア・マイルズ(バス)の歌による、ベルリオーズのオラトリオ『キリストの幼時』(LINN/CKD 440)。

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