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秋に聴くガンバ... シェンクの実直、フィンガーの充実。 [2013]

ヴィオラ・ダ・ガンバはチェロに似て、まったく異なる楽器である。ヴィオラ・ダ・ガンバが古楽器であるがゆえに、うっかりチェロの古い形だと錯覚してしまいそうになるのだけれど... チェロは、ヴァイオリン属の楽器(ちなみに、我々にとってお馴染みのヴィオラは、ヴァイオリン属... )で、ヴィオラ・ダ・ガンバは、ヴィオラ・ダ・ガンバ属の楽器(チェロに似たサイズのものだけがヴィオラ・ダ・ガンバではなく、ヴァイオリン属のように大小4種類の楽器がある... )、まったく別系統ということになる。いや、その音色に耳を澄ませると、その違いは、結構、大きなものとして感じられる。チェロの懐の深い音色には、どこか冬を待つような寂しさがあるのか... その寂しさは、意外とエモーショナル。一方で、ヴィオラ・ダ・ガンバの繊細な音色には、秋の紅葉の鮮やかさと、その散る前の刹那に似た儚さがある。そして、その儚さには、どこか夢見るようなファンタジーが漂い... よく、チェロは、人の声に近い、というようなことを言われるけれど、ヴィオラ・ダ・ガンバからすると、ある意味、それは、生々しい、ということのように思う。そして、生々しさの対極にあるのが、ヴィオラ・ダ・ガンバか... で、何だか、今、そういう音色を欲していて... 前回、聴いた、ドイツ・バロックのガンビスト、ヘフラーに続いての、ヴィオラ・ダ・ガンバ尽くし!
ヴィーラント・クイケンとフランソワ・ジュベール・カイエによるバス・ヴィオールで、2挺のヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ集、『ラインのニンフ』から6曲(RICERCAR/RIC 336)と、ペトル・ヴァクネルのヴィオラ・ダ・ガンバとアンサンブル・トゥールビヨンの演奏で、フィンガーのヴィオラ・ダ・ガンバのための作品全集(ACCENT/ACC 24267)の2タイトルを聴く。

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