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ロマンティック、リセット。 [2011]

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とうとう11月が終わる... そして、2011年もあと一ヶ月...
で、例の如く、師も走らされる「師走」感に苛まれることになるわけだ。年末へ向けて、加速度ワルツじゃないけれど、訳も分からず忙しなく動くはめに... まったく、大晦日/正月という区切りを設けなかったならば、ワルツはもっとゆったりと踊ることができるだろうに... なんて、毎年、同じようなことを書いているよなぁ。という自身にも、ちょっと嫌気。今年は、忙しない気分に引き摺られず、きちっと大晦日/正月を迎えられるよう、スピード感を以ってひとつひとつの事柄を片づけてゆかねばなと、思いを新たに、12月を迎える!そこで、リセットの意味も込めて、クラシックど真ん中、19世紀、ドイツ・ロマン派の交響曲を聴いて、シャキっとしてみる。
ドイツ・ピリオド界の異才、トマス・ヘンゲルブロックと、彼が、今年、首席指揮者に就任したばかりのNDR交響楽団による、メンデルスゾーンの1番の交響曲と、シューマンの4番の交響曲、初稿(SONY CLASSICAL/88697940022)を聴く。

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バロック、バーバリック。 [2011]

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クラシック、と、ワールド・ミュージック。まったく違う場所にあるようでいて、実は近い場所にあるのかもしれない(ま、「ワールド・ミュージック」という言葉があまりに万能過ぎて、その実態が掴み難くもあるのだけれど、ここはひとつトラッドとして考えるならば... )。古典音楽、と、伝統音楽。である。こうして並べて見ると、同じものに思えてしまう?なんてことはないか... しかし、クラシックには、フォークロワにインスパイアされた国民楽派の作曲家たちもいる。中には、バルトークのように、フォークロワの専門家のような人も... そういう親和性を巧みに見出して、クラシックとワールド・ミュージックを結べたなら、刺激的なケミストリーが起こるやも... ということで、クラシック、それもバロックと、ワールド・ミュージックの世界を結んでしまったら?というアルバムを手に取る。
ワールド・ミュージックの世界で活躍し、時折、古楽へも顔を出す、スロヴァキアのヴァイオリニスト、ミロシュ・ヴァレントと、気鋭のピリオド・アンサンブル、オランダ・バロック協会によるコラヴォレーション!若い頃、フォークロワに心酔したというテレマンの姿を掘り起こす意欲的なアルバム、"BARBARIC BEAUTY"(CHANNEL CLASSICS/CCS SA 31911)を聴く。

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紀元前1世紀、ギリシア危機。 [2011]

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明日にも世界は終わるかもしれない!くらいの勢いで、大いに盛り上がったG20だったけれど。それで、どーなった?国民投票は回避され、首相は退陣、大連立が成り、新しい首相が決まって、ギリシア危機は去ったか?いや、そんな単純な事態ではなかったはず... が、近頃ではあまりニュースに上らなくなり。いや、結局、そんなものか... 喉元過ぎれば熱さ忘れて、冷めすらしてしまう。結局、メディアが稼ぐために、本質とは違うところで盛り上げられる危機(TPP騒動もまたしかり... )。なのかも。そんなことを考えると、危機そのものより鬱々とした気分にさせられる今日この頃。ならば、気分を変えて、音楽!で、ギリシア危機を聴く(って、聴けるものなのか?)。
それは、21世紀ではなく、紀元前1世紀のギリシア危機。大帝国へと変貌を遂げつつあるローマ共和国と、沈みゆくヘレニズム世界、ポントス王国の攻防を背景としたオペラ... ディエゴ・ファソリス率いるイ・バロッキスティに、ツェンチッチ(カウンターテナー)をタイトルロールに迎えての、ヴィヴァルディのオペラ『ファルナーチェ』(Virgin CLASSICS/0709142)を聴く。

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ユニヴァーサルなバッハ。 [2011]

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さて、世界経済に、未来はあるのか?
そんな場面が続くわけであります。で、そんなニュースを見ていると、「2012年」が現実味を帯びて来るようで、興味深いというか、何というか。ま、そんなことを考えても埒は明かず... もはや、来るなら来い!ぐらいのスタンスでないと、21世紀は生きていけないのやも。いや、そんな世界に誰がした!アンゴルモアの大王でも、マヤの人々でも無い。新自由主義という、やりたい放題のツケ... 資本家たちが、資本主義を殺そうとしている皮肉。オカルトでも何でもない、欲望のメタボリック・シンドロームこそが、今や恐怖の大王であり、「2012年」を引き寄せるか...
そんな現実からちょっと逃避するために、音楽... で、バッハでリセット!
今日、明日に囚われて、先が見えなくなったならば、バッハのユニヴァーサルな音楽に触れて、視野を広げる?もっと見えてくるものがある?そんな気がして。そして、アレクサンドル・タローがピアノで弾く、バッハのチェンバロ協奏曲集(Virgin CLASSICS/070913 2)を聴く。

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おもちゃ箱から、交響曲へ、 [2011]

NHKのETVにて、『schola 坂本龍一 音楽の学校』の第2シーズン、楽しみに見ております。
が、古典派が終わって、いきなり印象主義?と、ちょっと突飛な気もした前回。だったけれど、ベートーヴェンの後(いわゆる、ザッツ・クラシック!なレパートリー)をグタグダやっているより、ドビュッシーへ飛んでしまった方が、音楽史としては分かり易いのかも。ロマン派は、古典派のヴァリエーションに過ぎない... という坂本教授の考え方(音楽史は150年単位で動いている... ルネサンスが1600年まで、バロックが、バッハの死の年、1750年まで、古典派とそのヴァリエーションたるロマン派が、1900年まで... というやつ... )に、妙に納得させられる。そして、ガムランの視点から見つめるドビュッシーの新鮮なこと!いや、万博が音楽史をさらに展開させたという史実に、感慨。結局、音楽に限らず文化というものは、異なる文化との接触で進化が促されるのだなと...
ということで、ドビュッシー。ジュン・メルクル率いる、リヨン国立管弦楽団によるNAXOSからのドビュッシーのシリーズ、vol.5(NAXOS/8.572568)と、vol.6(NAXOS/8.572583)を聴く。

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フランスの現代音楽に引き寄せられて... [2011]

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さて、現代音楽が、続きます。で、フランスの現代音楽がおもしろい?
ここ数年、このblogで取り上げた現代音楽を振り返ると、何気にフランスの現代音楽に引き寄せられていて。それも、ブーレーズではなく、スペクトル楽派でもなく、その次の世代... ダルバヴィ(b.1961)、ペク(b.1965)、カンポ(b.1968)あたりが気になる... その、まさに「次世代」を意識させるフレキシブルな感性。現代音楽らしさと、こだわらなさとが、絶妙にカクテルされて、センスのいいものに仕上げてくる。そこに、フランス(印象主義からスペクトル楽派を経ての響きの多彩さ... エキゾティシズムからレヴィ・ストロースへと至る非ヨーロッパへの関心... )ならではのフレーバーも加わって、思いの外、魅力的(に、思うのだけれど... どうだろう?)。
そうした中で、目が離せない存在が、ブルーノ・マントヴァーニ(b.1974)。同世代ということもあって、妙に親近感を覚えつつ、この人ならではの独特さが興味深く... そんな彼の、ゼロ年代の作品、3つを取り上げるアルバム、"Time Stretch"(æon/AECD 1102)を聴く。

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現代音楽に、ガーリーは、あり? [2011]

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大西洋を渡り喜望峰を回り、クラシックでの旅はまだまだ続く?
ということで、今度は対馬海峡を渡って、韓国へ... 韓国出身の気鋭の作曲家、チン・ウンスク(b.1961)。ドイツ・グラモフォンの現代音楽のシリーズ、"20/21"で、20世紀後半を築いて来た"ゲンダイオンガク"の巨匠たちに混じり、数少ない若手として取り上げられ、気になる存在に... そのアルバムが、今、改めて現代音楽専門レーベル、KAIROSからリリース(ということで、いいのだよね?)。デイヴィッド・ロバートソン、大野和士、ステファン・アズバリーら、現代音楽を得意とするマエストロたちと、現代音楽の専門家集団、アンサンブル・アンテルコンタンポランという、現代音楽におけるゴージャスな面々による演奏というのも魅力的な、チン・ウンスクの作品集(KAIROS/0013062KAI)。気になりつつ、聴きそびれていた1枚を、これを機に聴いてみる。

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夢の後で... [2011]

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実は、歌曲が苦手である。
2006年来、すでに相当数のタイトルを取り上げている当blogだが、歌曲となると... ウーン... 断然、少ない!いや、今頃、振り返って、その少なさにびっくりしてみたり。ドイツ・リートしかり、「歌曲」はクラシックにおいて、重要な位置を占めている。よくわかっている。よくわかってはいるのだけれど、振り返れば、その数に、本当に苦手なんだなと、認識を深めてしまう。
で、少し考える。歌曲の何が苦手なのだろうか?
どことなく、アカデミック?もちろん、クラシックそのものがアカデミックではあるのだけれど... 音楽というより、文学の性格を強く感じ... いつも、感覚的に音楽を聴いていると、クローズアップされる詩の要素が、鬱陶しいような... それでいて、ピアノを横に、お行儀良く、淡々と詩を歌う姿が、何とも地味でもあり... って、聴き手のダメダメっぷりを露呈するばかりなのだけれど。オーケストラを付き従えて、ド派手に歌いまくるオペラが好き!なんて言っている身からすると、やっぱり歌曲は渋過ぎる。
というところから聴く、歌曲... "évocation"(naïve/V 5063)に続いての、ピリオドの世界に欠かせないソプラノ、サンドリーヌ・ピオーが歌う、"UPRÈS UN RÊVE(夢の後で... )"(naïve/V 5250)。メンデルスゾーンからリヒャルト・シュトラウス... という歌曲の本場、ドイツはもちろん、フランスにイギリスに、さらには現代まで、幅広く「歌曲」を歌った1枚を聴く。

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ストーリーズ。 [2011]

さすがに、秋。冷えてきましたね。
さて、秋の風物詩、NHK全国音楽コンクールが、何気に楽しみだったりする。いや、ハイ・エンドなクラシックの世界からすれば、こどもたちの合唱コンクールなど、高が知れている。かもしれないけれど、こどもたちこそ侮れない(もちろん、プロのパフォーマンスと比べるなんて無粋は無しで... )。みんなと声を合わせて、クソマジメなくらいに音楽と向き合って生まれるピュアなハーモニーは、音楽の原点を見るよう。その一生懸命さに触れれば、自身の音楽の向き合い方を考えさせられたり... いや、合唱はいいなと、シンプルに思う。人が集まって、声を揃えて、生まれる、ポジティヴなヴァイヴレーション。またそれは、多様な音楽の世界にあって、特別だとも思う。
ということで、合唱を... ヒリアード・アンサンブルを生み出し、エストニア・フィルハーモニック室内合唱団を率いる、合唱界の異才、ポール・ヒリアー。古楽から現代まで、さらりとこなすマエストロの、注目すべき2タイトル。アルス・ノヴァ・コペンハーゲンとの、シュッツのマタイ受難曲(DACAPO/8.226094)と、シアター・オブ・ヴォイセズとの、20世紀、前衛の奇作を集めた"STORIES"(harmonia mundi/HMU 807527)を聴く。
そして、合唱は極まって来ると、思いも付かない表情を見せ始める...

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戦後、「前衛」の時代の、ヒナステラ... [2011]

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さて、10月となりました。いや、速い!時が経つのが速過ぎる!
あと3ヶ月はあるけれど、すでに濃密過ぎるほどに濃密な年となった2011年。ここまでがあっという間で、振り返ってみると恐くなる。光陰矢のごとし... は、文字通り、それでいて、そんな悠長なことも言っていられないような、これまで味わったことのないスピード感。さらに、今、第九のコンサートの案内が届き、すでに、クリスマス関連のアルバムのリリースが始まって、葉が落ちるどころか、色付く前から年末が迫って来て... 過ぎてゆくばかりでなく、前からも押し寄せて来る「時」。こういう感覚は、いつまで続くのだろう?何だか酸欠を起こしそう。
そんな時に、「時」の流れを忘れさせてくれる、ちょっと深い音楽... マーク・コソワーのチェロ、ローター・ツァグロセクの指揮、バンベルク交響楽団の演奏で、ヒナステラの2つのチェロ協奏曲(NAXOS/8.572372)。そういうつもりで手に取ったわけではないのだけれど(アグレッシヴ+プリミティヴな近代音楽を楽しみにしていたのだけれど... )、思わぬトーンに聴き入ってしまう...

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