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第九の季節に、第九... [2009]

12月も半ばを過ぎて... また、第九の季節が巡ってきました。
ということで、第九を聴くことに。パーヴォ・ヤルヴィ率いるドイツ・カンマーフィル、ベートーヴェン・ツィクルス、完結編、第九(RCA RED SEAL/88697576062)。で、もうひとつベートーヴェンを... パトリシア・コパチンスカヤが弾く、ヴァイオリン協奏曲(naïve/V 5174)。
やはりこの季節、「ベートーヴェン」というのは、しっくりきてしまう。ような。年末に第九と聞けば、「またか... 」という思いが滲むのだけれど、それでも、なんとなく引き寄せられてしまうのは、第九に限らず、ベートーヴェンの音楽に存在する、ユニヴァーサルな魅力?どこか集大成的で、1年を締め括るのには最高のサウンドなのかもしれない... 第九、ヴァイオリン協奏曲を聴いて、そんな風に思う。

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ロッティとゼレンカに挟まれて、バッハ... [2009]

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何気に、ロッティのスペシャリスト?ヘンゲルブロック... 彼が率いるバルタザール・ノイマン・アンサンブルと合唱団の最新盤は、ゼレンカ、バッハとともに、再びロッティのミサを取り上げる。
ということで、アントニオ・ロッティ(1667-1740)。バロック期、ヴェネツィア楽派の巨匠として、バッハからもリスペクトされていたという、その当時、バッハなどよりも、ずっとずっと国際的な名声を得ていた作曲家。だが、今となっては... しかし、バッハにリスペクトされた作曲家、今にだって通じるはず... と、何気に、ロッティ作品に力を入れているトーマス・ヘンゲルブロック。レクイエム(deutsche harmonia mundi/05472 77507 2)に、ミサ・サピエンティアエ(deutsche harmonia mundi/05472 77534 2)と、すばらしい演奏で以って、ロッティの魅力を今に蘇らせてきたわけだが、最新盤では、3部合唱のためのミサ(deutsche harmonia mundi/88697526842)を取り上げる。といことで、これは聴き逃せない!と、手に取る...

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回って、回って、東へ、西へ! [2009]

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"Confréries d'orient et d'occident"
"L'état de Transe ・ Laudes et Chants Soufis"
東洋と西洋の信心会... 恍惚状態、ラウダとスーフィーの歌... と、サブ・タイトルっぽく、フランス語で書かれているのだけれど。その文句のミステリアスなこと!何やら秘儀的で、どんなサウンドが流れ出すのかと、興味を掻き立てられる。というのは、ドゥニ・レザン・ダドル率いる、フランスの古楽アンサンブル、ドゥルス・メモワールの最新盤"Laudes"(Zig-Zag Territoires/ZZT 090901)。
いつも凝ったプログラムを届けてくれる彼らだが、今回は、大胆にも、16世紀、イタリアのラウダ(教会の典礼音楽とはまた違う、民衆に根差した中世イタリアの讃美歌... )と、スーフィー(イスラムの神秘主義... )の旋舞のための歌を、ひとつのディスクに盛り付けて、驚かせてくれる。直接的な関係性は無いはずの、地中海を挿んだ西と東の祈りの歌だが、並べてみれば、妙につながってしまって、共鳴するようなところもあって、刺激的。そんな、特異なアルバムを聴く。

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21世紀という空気感の中で燈される、マッチ売りの少女の、新たな火。 [2009]

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ずっと気になっていた作品... デイヴィッド・ラング(b.1957)の、2008年、ピュリッツァー賞(もちろん、作曲部門)、受賞作品、『マッチ売りの少女の受難曲』(2007)が、とうとうリリースされた(とはいえ、例の如く、リリースからは少し過ぎてしまったのだが... )。ラングのような作曲家が、ピュリッツァー賞を受賞した驚きとともに、それがどんな作品なのかと、とても気になり... が、幸いにして、受賞後、すぐにネットで聴くことができた『マッチ売りの少女の受難曲』。で、その感触に、現代音楽もこういうセンスを許容するようになったかと、実に感慨深いものがあって... そんな思いを再び噛み締める、ポール・ヒリアー率いる気鋭のヴォーカル・アンサンブル、シアター・オブ・ヴォイセズらによる、デイヴィッド・ラングのアルバム(harmonia mundi/HMU 807496)を聴く。

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闇が生む輝き... 音楽への"SACRIFICIUM"。 [2009]

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"OPERA PROIBITA(禁断のオペラ)"(DECCA/475 6924)というタイトルも衝撃的だったが、メッゾ・ソプラノの大御所、チェチーリア・バルトリの最新盤は、"SACRIFICIUM(犠牲=供物)"と、またさらに衝撃的で... バロック期の闇を切り取るそのアルバムは、真正面からカストラートに迫って。バロック期の輝かしい、圧倒的なカストラートの「歌」を、21世紀に垣間見せる興味深い1枚(+BONUS CD)。
多くのスター・カストラートを育てたナポリ楽派のアリアを中心に、バルトリの至芸が炸裂。さらに、ヴィヴァルディのアリア集(DECCA/466 569-2)でのコラヴォレーションが、鮮烈な記憶として残る、バロック・ロックの火付け役、ジョヴァンニ・アントニーニ率いるイル・ジャルディーノ・アルモニコが、再びバルトリの下に結集。そんな刺激的なサウンドを伴って、バルトリならではの大胆さ、こだわりが生み出したアルバム、"SACRIFICIUM"(DECCA/478 1521)を聴く。

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"LAVA"、ナポリ楽派から流れ出す溶岩は、ただならない... [2009]

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カウンターテナーやコントラルトの活躍が、かつてのカストラートのレパートリーを掘り起こしてくれたことで、近頃、「ナポリ楽派」という存在がクローズアップされつつあるような... と言っても、メジャーには成り得ないのだろうけれど... 以前に比べれば、間違いなく、より多く、「ナポリ楽派」を見掛ける気がする。18世紀、ヨーロッパの音楽シーンを主導したナポリ楽派... 当然、18世紀の国際的なスター=カストラートとたちとは密接で。そのアクロバティックなアリアの数々は、21世紀の今を以ってしてもエキサイティング!
で、エキサイトするあまり、溶岩が噴出してしまった?というのが、"ピリオド"界切っての個性派ソプラノ、ジモーネ・ケルメスが歌う、ナポリ楽派のアリア集、"LAVA(溶岩)"(deutsche harmonia mundi/88697 54121 2)。ジャケットの、ケルメス姐さんがすでに溶岩?みたいな... この人ならではのヤリ過ぎ感、危うさ?も楽しみだったり。
そんな一枚を聴く。

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あと一ヵ月となった、ヘンデル・メモリアルを噛み締めながら... [2009]

12月になりました。では、今年を振り返りますか... なんて余裕はない、当blog。まずは、目の前にある、2009年を片付けねば... と、追われる日々。なのだが、ちらりと振り返る2009年。昨年より、盛りだくさんだった気がするのは、気のせい?
録音の世界、全体が、ますます萎んでいくような中で、"クラシック"は、さらにさらに厳しい状況があるわけだが、昨年と比べると持ち直した観が、なんとなくある。やはり、ヘンデル、ハイドン、メンデルスゾーンというメモリアルは大きかったか?また、それを支えるように、じわりじわりと、ショパン、マーラーのプレ・メモリアルが盛り上がりつつあって... 2008年よりも充実した1年であったような。"クラシック"における「メモリアル景気」というのは、何だかんだで大きいなと、改めて思う。
ということで、あと一ヵ月となった、没後250年、ヘンデルのメモリアルを噛み締めながらの2タイトル。エマニュエル・アイム率いるコンセール・ダストレ、オラトリオ『復活』(Virgin CLASSICS/694567 0)と、サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)が歌うアリア集、『天と地の間に』(naïve/OP 30484)を聴く。

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12年目のグローリア。 [2009]

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ブラームスも、ブルックナーも、マーラーも好き(いや、ブラームスは、またちょっと違うか?)。
好きだが、そういうものが続くと、なんとなしに疲れてしまう。そんなところで聴く、久々のヴィヴァルディというのは、もう... なんと軽やかな!いろいろ余計なことを考えることなく、ただただ楽しめる。そのリズムに、ノらずにいられない。で、テンションは、ついつい上がり気味。
そんな、ヴィヴァルディ... リナルド・アレッサンドリーニ率いる、コンチェルト・イタリアーノによる新譜(って、すでにリリースされて時間が経ってしまったか... )、グローリア(naïve/OP 30485)。彼らにとって、2度目のグローリア。2度目だけに、凝ったものに仕上がっていて、興味深く... "VIVALDI EDITION"ならでは...
というアルバムを聴いてみる。

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マーラー、プレ・メモリアルの、8、9、10、 [2009]

ぐっと寒くなって、より「冬」が身近に感じられる今日この頃。すでに「年の瀬」感が漂い、必要以上にあたふたしているのだが、その向こうで、刻一刻と、2010年が迫って来てもいる。その2010年、マーラーの生誕150年のメモリアルだ。それも、2011年、没後100年のメモリアルへとつながる、マーラー・メモリアルの前編... そんな、スペシャルなメモリアルを前に、実は、すでに、かなりの盛り上がりを見せていたように感じる今年。ヘンデル、ハイドン、メンデルスゾーンの年でありつつ、すでにマーラーの年でもあったような...
そんな2009年のマーラー、デヴィッド・ジンマンケント・ナガノパーヴォ・ヤルヴィなど、それぞれに個性的で、多彩なアルバムが印象に残る。一方で、もっと早くに聴くつもりでいたが、あれやこれや聴いている内に、なんとなしに延び延びになっていたものを聴くことに... マイケル・ティルソン・トーマスと、彼が率いるサンフランシスコ交響楽団によるマーラー・ツィクルス、完結編、10番のアダージョと、8番、「千人の交響曲」(SAN FRANCISCO SYMPHONY/821936-0021-2)。ジョナサン・ノットと、彼が率いるバンベルク交響楽団によるマーラー・ツィクルス、第4弾、9番(TUDOR/TUDOR 7162)。

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ラテンを旅し、アマゾンの奥深くへ... [2009]

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ジャケットを飾るヤノマミの少女... そのインパクトに、ついつい引き寄せられてしまい... きっと、ただならずプリミティヴなサウンドが展開されるはず... そんな期待が裏目に出て、ガッカリしてしまったアルバム。で、しばらく、机の片隅にあったわけただが、期待も薄まって、改めて聴いてみれば...
イベリア半島とラテン・アメリカの作品を主なレパートリーとするという、イギリスの異色の合唱団、コロ・セルバンテスと、ブラジルのギタリスト、ファビオ・ザノンによる、合唱とギターのための作品集"YANOMAMI(ヤノマミ)"(signum CLASSICS/SIGCD 166)。ギタリストには欠かせないカステルヌウォーヴォ・テデスコから、スペイン、ブラジル、アルゼンチンの20世紀の作品が並び、渋めのギター・サウンドと、いい具合にカクテルされたラテン・テイストが、味わい深い世界を聴かせてくれる。ということは、おもしろかった?のかも。

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