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20世紀の断片を拾い集めて... マルティヌー。 [2009]

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ヘンデル、ハイドン、メンデルスゾーンに隠れてはいるものの、何気に?静かに?盛り上がりを見せている、マルティヌー、没後50年のメモリアル。なかなかメジャーには成り得ない存在だけれども、2009年、ちょこちょこ新譜を見掛ける気がする。先日も、オーボエと小管弦楽のための協奏曲(OEHMS CLASSICS/OC 737)を聴いたばかり。そうした、マルティヌー・メモリアルで、存在感を示すのが、チェコを代表するレーベル、SUPRAPHON。マルティヌーは、20世紀、チェコを代表する作曲家のひとりだけに、復刻も含めて、かなりのアルバムをリリース。さすが、力、入ってます。
そうした中から、マルティヌーのオペラ『ジュリエッタ』の、幻のフラグメンツを世界初録音したというアルバム(SUPRAPHON/SU 3994-2)を聴いてみる。何気にチェコ・オペラのエキスパートでもあるマッケラスの指揮で、チェコを代表するオーケストラ、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で... さらに、チェコが生んだオペラ界のスター、マグダレーナ・コジェナー(メッゾ・ソプラノ)がジュリエッタを歌う、まさに「メモリアル」なゴージャスさ!

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回帰する... ブルックナー。 [2009]

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シモーネ・ヤングと、彼女が率いるハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団によるブルックナーの8番の交響曲(OEHMS CLASSICS/OC 638)。机の片隅に放置されて、かなり経ってしまったアルバム。いつのリリースだった?と振り返れば、夏。で、なぜそういうことになったかと言うと、前半(1楽章、2楽章で、30分と45秒... )、後半(3楽章、4楽章で、51分と56秒... )と、2枚に分けて収録されているあたりに、どうも躊躇してしまう。第九分のの長さだったCDの収録時間も徐々に伸びて、長大なブルックナーの8番の交響曲も、近頃は1枚にまとまっているものがほとんど... そういう状況に慣れてしまうと、一気に聴くことができないもどかしさから、ブルックナーを2曲分、聴くような、そんなイメージを持ってしまって... 1枚でもヘヴィーなのに、2枚か... なんて、いつの間にやら、机の片隅に追いやってしまっていた。が、いいかげんに聴かねばと、手を伸ばしてみれば...

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ブラームス。かつてのように... [2009]

さて、11月も半ばへ... 秋は深まり、クリスマスのイルミネーションの話題なんかが、ニュースで伝えられ始めると、気分的に焦り出す。毎年恒例の症状。の一方で、グラモフォン・アウォードが発表されて、レコード・アカデミー賞もまもなく発表されて、録音の世界では、すでに2009年回顧モードは始まりつつある。そんな中、新譜を追いきれない状況が続く、当ブログ。巻いてゆかねば... と、多少、焦りつつ、メンデルスゾーンに続き、2つのアルバムを取り上げる。
凝った構成で、なかなか興味深い音楽を聴かせてくれるブラームスの交響曲のアルバムを2つ。まずは、イヴァン・フィッシャー率いる、ブダペスト祝祭管弦楽団による1番(CHANNEL CLASSICS/CCS SA 28309)。そして、ガーディナー率いる、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティクによる3番(Soli Deo Gloria/SDG 704)を聴く。

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20世紀、モードを外れて... [2009]

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昨年の、生誕90年で、じわじわっと注目を集め始めた?20世紀、ドイツの作曲家、ベルント・アロイス・ツィンマーマン(1918-70)。ECMからリリースされた、ヴァイオリン協奏曲(ECM NEW SERIES/476 6885)を聴いて、ビターなモダン・サウンドにシビレてしまったのだが...
そのツィンマーマンによる、オーボエのコンチェルトが聴ける!?ということで、手に取ったアルバム。バイエルン放送交響楽団の首席オーボエ奏者、シュテファン・シーリが、そのバイエルン放送響のサポートを受けて、マルティヌー、ツィンマーマン、リヒャルト・シュトラウスのオーボエのコンチェルトを取り上げる、何気に凝った、20世紀、オーボエと小管弦楽のための協奏曲集(OEHMS CLASSICS/OC 737)を聴く。

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メンデルスゾーン、メモリアルのディスカヴァリー。 [2009]

ヘンデル、生誕250年。ハイドン、没後200年。そして、メンデルスゾーン、生誕200年。
と、何度、書いてきただろうか?なんても振りかえってしまうのだけれど、たっぷり楽しんできた2009年のメモリアル。11月に入り、2009年も押し迫ってくれば、何気に寂しさもあったり。そんな2009年、最も聴いた(ここで記事になった)のはハイドン、次がヘンデル... どういうわけか、メンデルスゾーンに触れる機会が少なかった。が、個人的には、メンデルスゾーンが、一番、好きかもしれない。
音楽史きっての優等生、作曲家としては珍しく「おぼっちゃま」というあたりが、曲者揃いの"クラシック"において、若干、インパクトに欠ける帰来はあるが、瑞々しさ未だ失わないロマンティシズムと、しっかりとした構造、洗練された感性が紡ぎ出す端正な音楽には、いつも魅了されるばかり。そんなメンデルスゾーンを再発見するアルバムを2枚。かつて、メンデルスゾーンが率いたオーケストラ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が、21世紀、シャイーに率いられ、メンデルスゾーンをディスカヴァリーするアルバム(DECCA/478 1525)と、弦楽のための交響曲も含めた、全ての交響曲を網羅するメンデルスゾーンのシリーズに取り組む、ファイ+ハイデルベルク響による第4弾(hänssler/98.547)を聴く。

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アンダンテ・スピアナートと、華麗なる... ショパン・メモリアルへのプレリュード。 [2009]

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生誕、200年... 来年のショパン(1810-49)のメモリアルに向けて、着々と準備が進められているクラシック・シーンだが、その中でも特に気合が入っているのが、ショパンの家元(?)、ポーランド、国立ショパン協会。ショパンが生きた時代のピアノを用いて、ショパンの全作品を録音するというプロジェクトを進行中。さすがはメモリアルならではのプロジェクト!なのだが、"ピリオド"というフィールドで、ショパンの家元、自らが仕掛けてくる、その大胆さに驚かされる。完成されたならば、音楽史に残る快挙だろうが、相当の英断があったことだろう。果たして、ショパン・ファン(保守的傾向が強い?)が求めるものに、適うのだろうか?
という心配はさておき、その第9弾、2つのピアノ協奏曲以外の、ピアノと管弦楽のための作品集(Narodwy Instytut Fryderyka Chopina/NIFCCD 009)。ダン・タイ・ソンが弾いた、2つのピアノ協奏曲(Narodwy Instytut Fryderyka Chopina/NIFCCD 004)同様、フランス・ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラの演奏で。このプロジェクト、2度目の登場となるアルゼンチンのピアニスト、ネルソン・ゲルネルのピアノ。エラール、1849年製で聴く。

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生まれる前と死んでから。 [2009]

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昨年の来日で、エイジ・オブ・エンライトゥンメントを率い、大胆にもバッハのヨハネ受難曲を演奏してしまったマーク・パドモア。今後、ヤーコプス(カウンターテナーから、"ピリオド"には欠かせない指揮者に... )のような存在に変容していくのか?そのあたり、ちょっと気になるイギリスのベテラン、"ピリオド"系、テノール歌手。だが、歌手としてのマーク・パドモアのイメージは、とにかく繊細なイメージで... そのクリアな声は、ボーイ・ソプラノの進化系?間違いなくテノールではあるのだけれど、ちょっと他のテノールとは違う感触がある。人生を積み重ねてきた大人の生臭さ(?)が抜けた、独特のトーン。というのか。そのルックスも、繊細で、神経質そうな?いや、どこか浮世離れしたような... が、彼の最新盤のジャケットを見て、驚かされた!
坊主、髭... これまでのイメージを覆すハードなルックス、その変貌ぶりに、びっくり。というインパクトに、ついつい手に取ってしまう、パドモアが歌うブリテンのアルバム"Before life & after(生まれる前と死んでから)"(harmonia mundi/HMU 907443)。ルックスのみならず、彼の歌にも何か変化があるのかと、聴いてみることに。

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ヴェリズモのリアル。リアルと美しさのバランス。 [2009]

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ロッシーニ・ルネサンスが引き金になったか?ベルカント・オペラへの関心は高まり... "ピリオド"全盛を受けて、バロック・オペラが人気を集め... そうしたブームに、オペラの定番は霞みがち(ま、"クラシック"の東の辺境では、そんな心配、ほっとんどないが... )。録音ともなれば、霞むどころの騒ぎではない。と、嘆くかと思いきや、喜んでしまう!おかげで、より多くの目新しい作品に触れることができ、エキサイティングなここ数年... なのだが、そんなブームも、また一巡し、次なる波は、ヴェリズモ・オペラか?
そんな期待を抱いてしまうアルバム、ルネ・フレミングの最新盤"VERISMO"(DECCA/478 1533)。イタリア・オペラの爛熟期、19世紀末から20世紀前半にかけてのアリアを、ヴェリズモの二枚看板、マスカーニ、レオンカヴァッロはもちろん、プッチーニや、その同時代の作曲家まで、丁寧に拾い集めたアリア集を聴く。

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鬼神、奇想、 [2009]

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今年、ECMは、40周年とのこと...
ジャズとクラシックを両輪に、まったくブレることなく、インディペンデント・スピリットを貫いてきたECMの歩み。そのクラシック部門、ECM NEW SERIESは、古典のレパートリーを取り上げるにしても、どこか新鮮で... 古楽においては、より実験的なことも... 現代モノに関しては、"ゲンダイオンガク"のステレオ・タイプに抗うようなラディカルな姿勢を常に取り... 何か、新しいことをする場。というイメージが強いからか、「40周年」という重みが信じられなかったり。40周年ともれば、立派な老舗なのだが。
それにしても、老舗臭くないあたりがECMの凄いところ。センスを保ち、チャレンジングで、ECMならではのジャケットの数々が物語る様に、変わることのないカラーを守り抜く。この40年、録音の世界の激動を思えば、それは、とてつもない偉業に感じてしまう。
というECM NEW SERIESなのだが、40周年というこもあってか、より充実したリリースが続き... あれもこれも聴きたくなってしまう。で、ECMのヴィオラの看板、キム・カシュカシアンのアルバム"NEHARÓT"(ECM NEW SERIES/476 3281)に続いて、ヴァイオリンの看板、トマス・ツェートマイアーによる、ヴァイオリンの鬼神、パガニーニの24の奇想曲(ECM NEW SERIES/476 3318)を聴く。

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川の流れに身をまかせれば... [2009]

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現代音楽のイメージって、ますます広がりを見せている... ような...
そんな思いが募る、今日この頃。難解で、わからなくて当たり前... な"ゲンダイオンガク"。"ゼンエイ"という錦の御旗も、まだまだはためいて(吹く風は弱くなったとしても... )いるけれど、そんな、ステレオ・タイプの向こう側に、また一味違う現代音楽が、様々なスタイルで、いつも沸き上がっていて。21世紀も、最初の10年が過ぎようとしている中、前世紀的なエリート主義の現代音楽は、古めかしくなり、より大きな視野で、現代の音楽が捉えられつつある?で、現代音楽のイメージは、ますます広がりを見せ... そのあたりが、今、とてもおもしろい気がする。のだけれど。どうだろ?どーなんだろ?
ということで、ヴィオラ界の異才、キム・カシュカシアンの最新盤を聴く。
近現代のエキスパートでもある彼女だが、その視点は、常にステレオ・タイプに囚われることなく、一味違うものを聴かせて、魅力的。で、この最新盤でも、そうした視点、際立っていて。現代音楽のフィールドから、「悲歌」をテーマに、20世紀、苦難の道を歩んだ民族の音楽にそっと寄り添うアルバム"NEHARÓT(川よ)"(ECM NEW SERIES/476 3281)。現代音楽のイメージ、ますます広がる感覚あり。

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