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生誕150年、プフィッツナーによるマニフェスト、『パレストリーナ』。 [2012]

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ロマン主義も、かつては、前衛だった... 1850年代、ヴァイマルの楽長を務めていたリストは、ロマン主義をより深化させようと奮闘するも、保守勢力の抵抗に遭い、道半ばでヴァイマルを離れてしまう。1860年、パリ、ワーグナーは、楽劇『トリスタンとイゾルデ』を上演するためのプロモーションを行い、第1幕への前奏曲を演奏するも、かのベルリオーズでさえ、その斬新さに理解を示すことは無かった... 今でこそ、クラシックの中心で、ドンと構えているロマン主義だけれど、その音楽が生まれた当時は、切っ先鋭く、音楽シーンと対峙していた事実。ロマン主義が生々しかった頃の視点を持つと、ロマン主義の名曲も、また違った新鮮さで以って聴くことができるように感じる。が、そんなロマン主義も、20世紀が迫って来れば、当然、「前衛」というポジションを譲る時がやって来る。そして、どうなったか?切っ先の鋭さを失いながらも、円熟し、場合によっては発酵し、新たな時代と葛藤しつつも、独特な深化を遂げ、20世紀に入ってからも命脈を保った。そんな時代を生きた作曲家、最後のロマン主義者とも言われる存在に注目してみたいと思う。今年、生誕150年を迎える、プフィッツナー...
ということで、前衛と対峙することになったロマン主義の立場を赤裸々に描く、プフィッツナーの代表作。キリル・ペトレンコの指揮、フランクフルト歌劇場、ペーター・ブロンダー(テノール)のタイトルロールで、オペラ『パレストリーナ』(OEHMS/OC 930)を聴く。

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