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Hommage à BACH ? [2008]

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シューマンを弾きながら、バッハにオマージュを捧げる。こういう手の凝ったことをするのは、シュタイアーくらいなものだろう。もちろん、フォルテピアノで... というのは、鬼才、鍵盤楽器奏者、アンドレアス・シュタイアーがシューマンを弾く最新盤、"Hommage à BACH"(harmonia mundi/HMC 901989)。
しばらくチェンバロ・シフトだったものだから、ソロでピアノを弾くアルバムは久々。そして、とうとうシューマンを弾く(コンチェルト、歌曲はすでに弾いている... )わけで。シューベルトのソナタで、すばらしい演奏を聴かせてくれていたシュタイアーが、さらにさらにロマン主義へと踏み込むと、どんな響きが広がるのか?今や"ピリオド"の世界は、フランス印象主義や、ラフマニノフ、マーラーまでをその範疇にしつつある中で、フォルテピアノで聴くシューマンというのは、意外にも珍しいのかも... というところで、シュタイアーによるフォルテピアノでのシューマンには、大いに興味を掻き立てられる。

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ダウスゴー... 恐るべきマエストロ。 [2008]

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気鋭の指揮者、トマス・ダウスゴーと、彼が率いるスウェーデン室内管弦楽団による、5タイトルが予定されているBISのシリーズ、"Opening Doors"の4つ目、3枚掛かりのシューマンの交響曲全集の最後... 3番の「ライン」と、改訂版の4番を収録した最新盤(BIS/BIS-SACD-1619)がリリース。いつも刺激的なモダン/ピリオドのハイブリット編成で、オリジナル主義の先に驚くべき世界を見せてくれるこのシリーズ、当然ながら、最新盤も大いに期待せずにはいられないわけでして... ということで、早速、手に取ってみた。

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初期?ヴィヴァルディ。 [2008]

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また、ヴィヴァルディなのだが... それも、ヘンデル、ファッシュと続いてくれば、多少、「バロック」に、飽きも来るかと... 思いきや、いやいや、おもしろい!というのは、フロリアン・ドイター(ヴァイオリン)率いるピリオド・アンサンブル、アルモニー・ウニヴェルセルの、ヴィヴァルディ、初期ヴァイオリン協奏曲集(ELOQUENTIA/EL 0815)。まず、夜のヴェネツィア、裏路地ならぬ、裏運河のうらぶれたというか、静かな表情を捉えたジャケットに惹かれ... ヴィヴィットなサウンドを誇るヴィヴァルディのアルバムに、こういうジャケットとは印象的。アート・ディレクションにも並々ならぬ力を入れてくるレーベル、ELOQUENTIAならではのセンスで、おもしろいものを見せてくれる。が、本題はその中身。
ヴィヴァルディ、初期ヴァイオリン協奏曲集?初期?

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四季はめぐり... 21世紀... [2008]

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はてさて、また『四季』か... と思いつつも、ついつい手を出してしまう。
フランス、サブレ・バロック音楽祭の30周年を祝う、Zig-Zag Territoiresからのアルバム、アマンディーヌ・ベイエ(ヴァイオリン)率いる、ピリオド・アンサンブル、グリ・インコーニティによるヴィヴァルディの『四季』(Zig-Zag Territoires/ZZT 080803)。

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バロック的宮廷のギャラントな集い。 [2008]

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バロック的野外フェスな楽しみ... の次は、バロック的宮廷の集い?
ということで、ヘンデルと同時にリリースされた、ゼフィロによるファッシュ(deutsche harmonia mundi/88697367922)のアルバムも聴いてみることに。それにしても、野外録音(ヘンデル)の後に、屋内で録音されたゼフィロの演奏を聴くと、その演奏、変に力が入ることなく、無理なくスムーズ。チャレンジングな野外録音は、それはそれで、おもしろい。けれど、全てがクリアに、録りこぼしなく収録されて初めて、彼らの真のすばらしさに触れられる思いも。
さて、そのアルバムだが、ヘンデル同様、"ゼフィロ・バロック・オーケストラ"名義で、ゼフィロの主要メンバーをソリストに、ファッシュ親子の管楽器が活躍するコンチェルトを取り上げる。ソリストたちの妙技はもちろん、弦楽セクションのすばらしいサポートもあって、ファッシュ親子の音楽が、予想以上に魅力的に響き出し、ちょっと、驚かされる。

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バロック的野外フェスな楽しみ。 [2008]

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オーボエ奏者、アルフレード・ベルナルディーニが率いる、管楽器専門というあたりが稀有な、イタリアのピリオド・アンサンブル、ゼフィロが、弦楽器も加えたオーケストラ仕様で、ヘンデルの名曲、『王宮の花火の音楽』を取り上げる... となると、期待せずにはいられない。野外用の、花火に負けない勇壮な音楽は、まさにブラスが大活躍の作品だけに、専門家集団、ゼフィロであったならばと... が、おもしろいのは、ヘンデルが野外で演奏した作品を、野外で録音してしまったというあたり。
『王宮の花火の音楽』に関しては、話題となったコンセール・スピリチュエルの、セレブレーションを再現した巨大な編成(来日公演はどうだったのだろう?)とまではいかないが、王宮での花火の後、編成を縮小して、再び野外で演奏されたものを再現。また、同じように野外で演奏されたという、3つの、二重合奏体のための協奏曲も収録され。コンサートホールとは違う、野外イベント(?)ならではの開放感も楽しめそう?そんな、ゼフィロの最新盤を聴いた。

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花咲ける、ルクレール!南北、新旧を結んで... [2008]

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イタリア・バロックのヴァイオリンの名手に続いての、フランス・バロックのヴァイオリンの名手... タルティーニ(1692-1770)の5つ年下になる、ルクレール(1697-1764)を聴いてみようと思うのだけれど、バロックの、同世代の、2人のヴァイオリニストによる音楽となると、似通ったものになる?いやいやいや、タルティーニの後で聴く、ルクレールの音楽は、その新鮮さが際立っていて... 前回、聴いた、タルティーニが、アルカイックさを強調した演奏であったこともあるのだろうけれど、ちょっと同時代の音楽には思えないくらい。イタリアとフランスの違い、バロックの幅に、今さらながら驚かされる。定番のバッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディから、ちょっと視線を外すだけで、こうも広がりを感じることができるバロックの本当の魅力にワクワクしてみる!
ということで、もの凄く気になっているピリオド・アンサンブル、アルモニー・ウニヴェルセルから、フロリアン・ドイターとモニカ・ワイスマンのヴァイオリンで、ルクレールの2つのヴァイオリンのためのソナタ集、Op.3(ELOQUENTIA/EL 0711)を聴く。

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鬼才、タルティーニの深淵へ... [2008]

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ジョゼッペ・タルティーニ(1692-1770)。
「悪魔のトリル」で知られる、18世紀のヴァイオリンの鬼才の人生は、なかなかおもしろい。ヴェネツィア共和国領、ピラーノ(現、スロヴェニア領、ピラン... )の旧家に生まれたタルティーニは、両親の意向で、フランチェスコ会の修道士になるよう育てられる。が、タルティーニ青年は僧院になど納まらない気性を見せ... 名門、パドヴァ大学(ヴェネツィア共和国のおぼっちゃまたちが進む... )で、法律を学びながら音楽の基礎を習得。さらには剣術の腕を磨き、随分と活発な青春を送る。が、活発が過ぎてしまったか、勢い余って18歳で学生結婚。ところが、相手が悪かった!有力なヴェネツィア貴族の愛人?だったようで、この結婚により、タルティーニは誘拐の嫌疑が掛けられ、窮地に陥る。が、アッシジの聖フランチェスコ修道院へ身を寄せ、難を逃れるものの、敢え無く両親が望んだ通りの人生を歩むことに... そして、籠った修道院でヴァイオリンと出会い、その技に磨きを掛け、29歳にしてパドヴァのサン・アントーニオ大聖堂の楽長に就任したというから凄い。以後、バロックの爛熟の中に在って、華麗なる音楽シーンとは距離を取り、鬼才として、ストイックに独自の音楽を貫き、名声を博す。
という、鬼才による音楽世界の深淵に下りて行こうという、実に興味深い試み... バロック・ヴァイオリンを代表するマエストラのひとり、キアラ・バンキーニが、古楽で活躍するソプラノ、パトリツィア・ボヴィと組み、タルティーニの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを読み解く、異色のアルバム、"Sonate a violin solo | Aria del Tasso"(Zig-Zag Territoires/ZZT 080502)を聴く。

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古楽マリアッチがゆく。 [2008]

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20世紀の、ちょっと気難しいあたりを巡って来たので、ブレイク?
18世紀の初め、スペインで生まれたファンダンゴが、新大陸へと伝わる。しかし、そのダンスは教会から不道徳の烙印を押され、禁止されることに... ところが、ウァバンゴとして、メキシコのベラクルス地方で密やかに踊り継がれていた。ということを再発見するところから始まる、ジャンルを越えた音楽の旅。古楽を担う新たな世代、ヴィオラ・ダ・ガンバのマエストラとして存在感を増すヒレ・パール、彼女のもうひとつの活動場所、リュートのリー・サンタナ、ギターのスティーヴ・プレイヤーと組んでの、スペイン古楽を専門とするプロジェクト、ロス・オトロスによる最新盤は、大胆にワールド・ミュージックの世界へと踏み込んで行く。
かつてのファンダンゴは、メキシコのトラッドの中で息衝いていた。という考え方から、ウァバンゴに、ファンダンゴの昔々の姿を探ろうという試み、"LA HACHA"(deutsche harmonia mundi/88697026202)。いや、これは、まさに、旅、なのかも...

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チープにも、リッチにも、 [2008]

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まず、ジャケットに目が引かれる。ミッド・センチュリーな雰囲気を放つ構図の中に3人の音楽家... 左から、ピエール・ブーレーズ、内田光子、クリスティアン・テツラフ... ヴィンテージ感を漂わせつつ、スタイリッシュに佇み、独特なのだけれど、この3人がこのアルバムで繰り広げる音楽がまた独特でおもしろい!
13の管楽器という編成がキーワードとなって、モーツァルトとベルクの作品を演奏する、実に興味深い1枚は、モーツァルトとベルクという組合せに、まず驚かされる。それから、ブーレーズがモーツァルトというのも、ちょっとびっくり。で、そのブーレーズの指揮で演奏する13の管楽器によるアンサンブルが、フランスの現代音楽のエキスパート集団、アンサンブル・アンテルコンタンポランで... 近現代でないアンサンブル・アンテルコンタンポランというのもまたびっくり。一方、内田光子、テツラフを加えてのベルクは、ゴージャス!
という、ピエール・ブーレーズの指揮、アンサンブル・アンテルコンタンポランによる、モーツァルトの10番のセレナード「グラン・パルティータ」と、ベルクのピアノ、ヴァイオリン、13の管楽器のための室内協奏曲(DECCA/478 0316)という、刺激的な1枚を聴く。

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