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春を見出す... [selection]

この冬は、いつもより厳しかったか。関東平野に在っても、何度か雪景色を楽しめた。ま、関東平野に雪が降ると、そりゃもう大騒ぎ(電車は動かなくなるし、靴はグチョグチョだし、翌朝、凍るし、滑るし... )になるわけだけれど、それでも、普段、見慣れた、殺伐とした都市の情景が、白に包まれると、どこか違うところにいるような、ちょっと心は浮き立つようでもある。が、雪国に住まわれている方々の苦労というのは、並みのものではない... ということも思い知らされる冬でもあって、連日の大雪のニュースに、関東平野の大騒ぎなど、まったく大したものではないなと。雪国に多少なりとも憧れてしまうけれど、そう安易なものではないのだなと。いや、だからこそ、雪景色は美しいのかも?自然のただならないパワーが生み出すからこその美しさか...
しかし、そうした冬も、緩みつつあって... 春めいたかな?と思うことが増えてきた。もちろん、また寒さが戻ってきて、調子を崩したりするのだけれど、やっぱり春は日に日に近付いている。ということで、春を迎えるために、春に聴きたい10タイトル。をセレクション。に続く、春は、ジャンルを越境するようなサウンドも含めて、ふんわりと、楽しげなものを選んでみる。

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冬の音楽。 [selection]

12月に入り、やっぱり冷え込んで参りました。
寒い寒いと言いながらも、それは、冬、本来の姿であって、再びの電力不足は心配だけれど、暖冬でぼんやりした冬よりも、冬らしい冬の方が、いいような気がする。そんな冬があってこそ、四季も締まるような気がするし... 何より、冬は嫌いではない... 寒さが織り成す情景には、他の季節にはない味わいがあるように思う。クリアな空、だからこそ映える夕焼け、いつもより多い星の数。キーンと冷えた空気、その中で白くなる息、耳元でビュービューと騒ぎ立てる風。なかなか抜け出せない朝の布団の温もり、こたつでのまどろみ、鍋から上る湯気、湯船に落ちてくる滴。何気ない瞬間に、ドラマティックな状態が濃縮されているのが冬?最も抑制的な季節こそ、実はポエジーが隠されていて、どこかファンタジックな気がする... そんな冬を楽しむアルバム...
秋に聴きたい10タイトル。に続く、冬に聴きたい10タイトル。を、セレクション。秋は、まさに「クラシック」なセレクションだったけれど、冬は、そんな「クラシック」からは少し距離を置いて、多少、マニアックに、サウンドの中に「冬」を見出す音楽と、寒い冬にぽっと温かな音楽を集めてみる。

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秋は、クラシック... [selection]

秋めくどころか熱中症のニュースが続いたりして、調子の狂う9月前半だったけれど、秋分の日は目前... 気温も次第に下がり始め、やっと一息つけて、とうとう秋がやって来たか?と思ったら、ひどい台風がやって来て。台風もまた、秋なればこそだけれど、あの強風と雨には参ってしまう。が、通り過ぎてしまえば、何事も無かったように穏やかな夜に包まれて、虫がいつものように鳴き出している。そんな虫の音に耳を澄ましてみると、心なしか、台風が来る前よりも落ち着きが出たようにも感じたり... 気のせい?だとは思うのだけれど... あの強風と雨に引っ張られて、秋はしっかりとやって来ているなと、ちょっぴりしみじみしてみる。いや、それこそが秋か...
すると、クラシックが聴きたくなる!いや、秋こそクラシックな気がする(毎年、そんなことを書いているような気がするのだけれど... )。それも、濃い目の... これぞクラシック!という、コテコテ・サウンド。ということで、秋に聴きたいクラシックのセレクションの試み、10タイトル。

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第九の懐に飛び込む。 [selection]

さて、第九の季節だ。
で、なぜ第九の季節なのか?という疑問が、ぼんやりとあるのだけれど、そんな疑問の余地すらなく、年末の風物詩となっている。そして、改めてこの時期に第九を聴いてみれば、やっぱり「第九の季節」なのだなと、妙に納得させられることになる。年末にまつわる詩が歌われるでもなく、年末に歌えと指定されているでもないのに... 年末に第九。そのあたりを見つめ直すと、おもしろいのかもしれない。
12月も半ばを過ぎて、2010年も、まもなく終わる。となると、例年の如く、焦っている。無駄に焦っている。もちろん焦らねばならない状況もあるわけだが、何となく周りにも流されて焦っている。この、焦りが二乗して襲い掛かって来る感じに、毎年、変に消耗させられて... 下手に「師走」なんて言うものだから、みんなして全力疾走しなくてはいけないような、そんな年末感に中てられるわけだ。そうした頃に聴く、第九... 年末感極まった中で、やがて歓喜の歌に至る特異な交響曲を聴くと、残りわずかとなった「今年」に、どこかで諦めがつくような、そんな心地になる。で、そう焦ることもないだろう... なんて思えたりして。何より、年末を、年が終わることを、ポジティヴに受け止める、そんなパワーに充ちている気さえしてくる。

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バック氏とロンドンを歩く。 [selection]

さて、前回、取り上げた"THREE BAROQUE TENORS"(EMI/6 26864 2)の話しから続くのだけれど... ボロジーニ、ファブリ、ビアード、バロック三大テノールの活躍を追うと、ロンドンという存在が浮かび上がり、興味深い。イギリス人のビアードはともかく、イタリア出身で、ヨーロッパ各地で活躍したボロジーニ、ファブリが、それぞれロンドンを訪れ、活躍している。また、ボロジーニ、ファブリの後で、伝説のカストラート、ファリネッリも、ロンドンで一世を風靡(映画『ファリネッリ・イル・カストラート』に描かれている通り... )したわけだ。
18世紀、ヨーロッパ中から音楽家を集めた国際音楽都市、ロンドン。21世紀、「音楽の都」というと、すぐにウィーンという名前が挙げられるわけだが、18世紀の音楽ファンにとっての「音楽の都」は、どこだったろう?なんて考えると、おもしろい。そしてロンドンは、間違いなく刺激的な街であったはず... ということで、そんなロンドンを探るセレクション。ハンデル氏とロンドンを歩き、南から、北から... ロンドンを歩いて、バロックから古典派の時代、今度はロンドンのバッハと歩いてみる。

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トッピングは何にしましょうか? [selection]

クラシック。音楽ヒエラルキーの頂点という考え方は、21世紀の今となっては時代錯誤だし... 孤高の音楽ジャンルという見方も、裏を返せば、殻に閉じこもってしまった、孤立無援の音楽ジャンルとも言えるわけで... クラシックを聴くという行為に、どこかで滅入るものを感じてしまう?いや、そんなことはない!はずなのだけれど、どうも、クラシックにワクワクさせられること、めっきり少なくなったような。そうした中で、グレゴリオ聖歌に、パーカッションをトッピングしたグルビンガーの"DRUMS 'N' CAHNT"(Deutsche Grammophon/477 8797)には、久々にワクワクさせられた。グレゴリオ聖歌ほど、ステレオタイプがしっかりとしているものはないと思うのだけれど、そこに、無邪気にパーカッションを乗せてしまえば、そのステレオタイプが変容し出す驚き!こういうトッピングが、クラシックをおもしろくする?もちろん、全てのクラシックがトッピング可能ではないのだけれど... 改めて見つめる、21世紀流、トッピングの妙。クラシックに何か他のものを足すと... どうなる?

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南から、北から... ロンドンを歩く。 [selection]

10月に入り、すっかり秋めいて、あの酷暑も、どこかで遠い記憶に... でもないか?けど、間違いなく時計の針は先へと進む。2011年は、もうすぐそこだ。なんて言うと、先走り過ぎのようにも思われそうだけれど、師走は走って来る。そして、走り去ってゆく... なんて思いを強くさせられたのは、グラモフォン・アウォードの発表。今年も総括されようとしているわけだ。何とも、感慨...
は、さて置き、そのグラモフォン・アウォード、レコード・オブ・ジ・イヤーに選ばれたのは... アンドリュー・カーウッド率いる、カーディナルズ・ミュージックのバードの宗教作品集vol.13(hyperion/CDA 67779)。イギリスのルネサンスの爛熟期を飾る代表的な作曲家のひとりだが、渋い... 渋過ぎる... 数々のノミネート、各部門の受賞作を差し置いて、古楽部門、バードとは... いや、それだけすばらしいのだろうけれど... いや、聴いてみたい。
しかし、グラモフォン・アウォードは、どこかでナショナリスティック... 英国贔屓だよね。
さて、18世紀、ハンデル氏とロンドンを歩く... の、つづき... 何気に、英国贔屓な今日この頃...

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ハンデル氏とロンドンを歩く。 [selection]

今月、下旬、シュテーガーによる"Mr. Corelli in London"、『ベガーズ・オペラ』の続編、『ポリー』を聴いて、俄然、18世紀、ロンドンの音楽シーンが気になる!クラシックにおける「音楽の都」と言えば、ウィーン。なのだけれど、音楽史から「音楽の都」を探ってみると、けしてひとつではなかったりする。例えば、パリ... バレエに熱中した太陽王の登場で、ヴェルサイユ宮を舞台に一気に花開いたフランス・バロック。太陽王の死により、フランスの音楽の中心はパリへと移り、宮廷から独立した音楽シーンが形成される。そして、宮廷には無いオープンな環境が功を奏し、間もなくヨーロッパ中の音楽家たちを惹き付け、「音楽の都」に成長する。さて、その成長のベースにあったのが人口である。18世紀、パリの人口は50万を越え、音楽のみならず、あらゆる面で"都"であったことが窺える。そして、そのパリを上回り、18世紀のヨーロッパで、最も人口が多かったのがロンドン!となると、パリに負けない、しっかりとした音楽シーンが存在していた?いやまさに急成長を遂げていた!
ということで、18世紀、国際音楽都市、ロンドンを巡るアルバムを聴きつないで、18世紀、もうひとつの音楽の都の様子を探る。そんなセレクションの試み... まずは、ヘンデルが活躍した18世紀前半!そうそう、ヘンデル、英語では、"ハ"ンデルなのだよね...

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アンビエント・クラシカル・ミュージック。による、ヒーリング。 [selection]

体調を崩す... とうとう夏バテが形となったか。そんな感じ。
台風が通り過ぎて、酷暑も過ぎ、以前よりも過ごし易くなった分、気が緩んだのだろうか?体調を崩しながらも、ほっと一息。で、夏バテという状況に、妙に納得しているようなところもあったり。あれだけ暑かったんだもの... とはいえ、間違いなくパワー・ダウン。で、夏バテは耳にも来ているようで、どうも音楽を聴くのが億劫に。そんな時に聴く音楽... 耳にやさしい、アンビエントなサウンドを求めて、ア・カペラのコーラスが歌うアルバムを、いろいろ引っ張り出して、何となく流してみる。聴くでもなく、聴かないでもなく。そんなたゆたう感覚が、夏バテの耳には心地良く...
ということで、夏バテに効く... いや、夏バテに「聴く」音楽、アンビエントなア・カペラを。どうでしょう。アンビエント・クラシック?そんなセレクション。

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怪奇劇場。 [selection]

そろそろ、夏も終わりのはずですが、暑いです。暑いので怪談で涼む... って、涼めるのか?なんて、いつも思ってしまう。恐い話しには、背筋を凍らせるより、何だかワクワクしてしまう性質でして... 怪談のおもしろさは、恐い、恐い... ではなく、その不条理さにあるような気がする。道理に合わない、日常を逸脱する展開に、想像力を刺激されて、恐い、恐い... というよりも、そのあり得なさに、クリエイティヴィティを見出し、感心させられてしまう?なんてのは、あまり一般的なリアクションではないのだろうけれど、怪談の刺激的なあたりが大好き!ということで、8月13日の金曜日に続いての、怪奇セレクション。前回は避けた、オペラを探ってみる。
今や時代そのものがシュールで、生きている魑魅魍魎が跋扈する21世紀、怪奇なオペラこそ真実を映す?そんな視点も持ちつつ、ただ恐いだけじゃない、不条理劇としての怪奇なオペラいろいろ... 音のタイル張り舗道。的、怪奇オペラ十八番... どうでしょう?

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タグ:オペラ
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