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シルヴェストロフ、沈黙の歌。 [before 2005]

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2つのヴィオラ・ダ・ガンバでゴルトベルク変奏曲、ボルトニャンスキーの教会コンチェルト、藤枝守の『植物文様』と、バロックに、古典主義に、現代音楽と、幅広く癒されております、10月... それにしても、クラシック=癒し系なんていうレッテル貼りを忌み嫌っていた頃からしたら、何たる軟弱!頭のどこかで、そんな風なことを思わなくもないのだけれど、いやいやいや、「癒し系」上等!クラシックが本気出したら、アダージョだの、イマージュだの、屁だからね。前回、聴いた、『植物文様』なんて、見つめれば見つめるほどに、考え抜かれての「癒し系」であって、何となしの「癒し系」とは明らかに一線を画す。で、久々にその音楽を聴けば、癒されるばかりでなく、癒されていることに、我々が、普段、聴いている音楽が失ってしまった、よりナチュラルだった感覚を意識させられ、感慨深く... 失われてしまった感覚を意識させられることに、某かのセンチメンタルを掻き立てられ、単に癒されるばかりでない感情も滲む。考えてみれば、癒しは、痛みと表裏。「癒し系」が生まれるところには、必ず時代の痛みが介在していたのだろう。ということで、まさに、痛みが生む「癒し系」を聴いてみようかなと...
20世紀後半、東西の冷戦の時代、多くの芸術家が傷を負った、ソヴィエトの全体主義の中、いとも密やかなる音楽を紡ぎ出した、希有な作曲家、シルヴェストロフ(b.1937)を見つめる。セルゲイ・ヤコヴェンコ(バリトン)の歌、イリヤ・シェップスのピアノで、シルヴェストロフのソヴィエト時代の作品、歌曲集『沈黙の歌』(ECM NEW SERIES/982 1424)で、癒される。

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