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6年前、始まりの頃... [overview]

さて、今年の課題として、2006年を聴き直しているのだけれど... ここで、2006年に取り上げていたアルバムを振り返ってみようかなと... それは、このblogが始まった頃、まだまだ海のものとも山のものとつかなかった頃で... その頃のものを改めて読み返してみると、ナンジャアコリャア?!と、自身で書いていながら、思わずのけぞってしまう。で、書き直したくなってしまう(で、改訂中... )。しかし、そうしたあたりに、このblogの6年間の歩みというものを、妙にズシリと感じたりして。さすがに6年も書き綴っていると、方向性も定まって、始まった頃に比べれば、幾分、成長もあったのかなと。そして、2006年が遥か昔に思えてくる。
そんな2006年、このblogをスタートして、快調に書き綴っていたはずが、夏を過ぎたあたりで息切れしてしまい、いつしか休止状態に... ということで、休止するまでの、2006年にリリースされたアルバム、35タイトルを、さっくり振り返ってみる。

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4763106.jpgHMC905263.jpgBISCD1319.jpg64514012.jpgmode165.jpg
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まず思うのは、こういうアルバムを聴いていたのか... という、6年前へのちょっとしたノスタルジー。ノスタルジーったって6年前なのだから、大したものではないはずだけれど、やっぱり6年という年月を感じ、その頃のことを音楽とともに思い出すような。で、わずかに複雑な心地に。音楽って、不思議。
というあたりはさておき、2006年、何と言ってもモーツァルトの生誕250年、モーツァルト・イヤー!で、そのことを思い知らされる35タイトル中の8タイトル... 流行りには踊らされない... というより、流行りからどんだけ距離を取れるか... ってなくらいに、天の邪鬼というかマニアックなのが売り(でもないけれど... )という当blog。のはずが、モーツァルト・イヤーにこれだけモーツァルトを聴いていたとは... それだけモーツァルトという存在が放つオーラはただならなかったわけだ。いや、やっぱりモーツァルトが好き!というミーハーが正解?

で、その8タイトル、それぞれにおもしろいものばかりだったのだけれど... まずは、サヴァールが「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(Alia Vox/AV 9846)など、夜にまつわる音楽で、魅惑的にモーツァルトを聴かせてくれたアルバム。モーツァルトの人気曲をどんと持ってきても、実に雰囲気のある素敵な仕上がりが印象的で。そのムーディーなあたりに、サヴァールのちょっと意外な一面を見つけたような気がして魅了される。それから、思い掛けなくモーツァルトがカッコいい!と思えた、ビオンディが弾くヴァイオリン協奏曲集(Virgin CLASSICS/3 44706 2)。バロック・ロックの旗手、ビオンディならば、そりゃ刺激的に弾くのだろうけれど、そうしたセンスが古典派にこそ、はまったか?忘れ難い演奏に。そして、モーツァルト・イヤーなればこその内容を聴かせてくれたのが、フライブルク・バロック管のアルバム、"CONCERTANTE"(harmonia mundi FRANCE/HMC 901897)。若きモーツァルトがパリに滞在した1778年に焦点を合わせる、パリ交響曲をメインとしたその構成は、大都会を相手に悪戦苦闘するモーツァルトの姿を垣間見るようで。容易くはない人生と向き合う天才の努力に、ちょっと切なくなってみたり。額縁に飾られたモーツァルトではない、等身大のモーツァルト像が印象に残る。
さて、モーツァルト・イヤー、最大の衝撃が、リオ版のレクイエム(K617/K617 180)?!何ですかそれ... なのだけれど、よくよく見れば、実に興味深い、モーツァルトの死後、28年の後、同じザルツブルク出身のノイコムによって、ブラジルのリオで演奏するために補筆された版とのこと。鬼才、マルゴワールなればこその1枚かなと。そして、こういうアルバムがリリースされたのも、メモリアルなればこそ... いや、モーツァルト・イヤーはとにかく盛り上がりました!で、あの時のようにクラシックが沸くことは、またあるのだろうか?

でもって、モーツァルトばかりが2006年にあらず!ということで、気になるのが、興味深い展開を見せることになるシリーズのスタート... まずは、MDGのプレイヤー・ピアノのシリーズ、その第1弾、ナンカロウのプレイヤー・ピアノのためのスタディ、No.1-12(MDG/645 1401-2)。自動演奏なのだから、大きな違いはないはず... と思いきや、ベーゼンドルファー・プレイヤー・ピアノの鮮やかな演奏に、ナンカロウの音楽が今までにない発色を見せ、驚かされ、改めて魅了され... その後、シリーズは、ナンカロウ作品のみならず広がり、楽しませてくれました(ところで、このシリーズ、完結したのだろうか?)。それから、ジャンス(ソプラノ)が、バロックに始まるフランスのオペラ史を丁寧に追ったアリア集、"TRAGEDIENNES"のシリーズ、その最初の1枚(Virgin CLASSICS/346762 2)は、リュリからグルックまでをカヴァーし、見事に悲劇のカタログを聴かせ、魅了してくれた。その後、2つのアルバムで、ベルリオーズ、マスネまでを歌い、フランス・オペラ史を綴り切ることに(さすがに、次は無いと思うのだけれど... )。そのジャンスに寄り添い、すばらしい演奏を聴かせてくれたルセ+レ・タラン・リリクも見事で。それぞれの時代にきっちりと対応し、ジャンスの歌と相俟って、まさに偉業だったなと...

他には、鬼才、シュタイアーのチェンバロ(時折、ショルンスハイムも加わり... )が、ハンブルクのバロックを活写したアルバム、"Hamburg 1734"(harmonia mundi FRANCE/HMC 901898)が忘れ難く。とにかくキテレツで、そのインパクトが凄かった。何より、18世紀におけるもうひとつの音楽都市、ハンブルクの充実した音楽シーンを垣間見るようであり、そのどこか現代都市に通じるような都会的感覚が刺激的だった。それから、時代を遡って、ルネサンス期のイタリア... フランドル主導のポリフォニーとは一線画す、イタリアのフロットラをビーズリー(テノール)が歌うアルバム、"frottole"(CYPRES/CYP 1643)。その爽やかさに、ルネサンスの音楽の多様性を再確認し。また、ルネサンスの人々も、ポリフォニーの複雑で壮麗な音楽ばかりでなく、こういうキャッチーな音楽を楽しんでいたのだなと、ちょっと親近感を覚えたり。おもしろかった。

そして、最も印象に残るのは... というより大いに刺激を受けたのが、コセンコのフラウト・トラヴェルソで聴く、C.P.E.バッハのフルート協奏曲集(Alpha/Alpha 093)。どこか楚々とした佇まいのあるフルート... それもピリオド楽器たるフラウト・トラヴェルソで、火を吹くような演奏を繰り広げるコセンコ。その演奏に、ただただ痺れました。そして、C.P.E.バッハの多感主義の音楽の、ジェットコースターのような展開!それをますます加速させてゆく、キレ味の鋭過ぎる、アルテ・デイ・スオナトーリの演奏!クラシックはここまでカッコよくなれるのか... と、強烈な体験となった1枚に。いや、凄かった。

というのが、2006年の夏までのもの。何気に、ピリオド、古楽に偏っている?そんな6年前の傾向に、興味深いものを感じたり。けど、そればかりが2006年ではなくて。その後の2006年のリリースについては、今後、じっくりと聴き直す予定でおります。




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