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2010年、冬... 聴きそびれに追われる。 [overview]

世界のオザワの復活コンサートのCDが、もの凄く売れているんだって?
と、ついこの前まで、知らなかった。というのも、CDは、すっかりネットでの買い物が日常となり... 今、どういうアルバムが話題を集めているかを知るには、やっぱりCDをリアルに手に取れる場へと足を運ばねばならぬのだなと、反省。とは言うものの、世の中、ますますネットでの買い物へと流れている現状もあって、クラシックを扱う店舗がどんどん減っているあたり、如実に物語っている。近頃のクラシックの動向を共有する場としてのクラシック・フロアが消えゆくことは、クラシックにとってどうなのだろうか?いろいろ考えさせられる。
考えさせられつつも、近頃のクラシックの動向とはかなり遠いところにある当blog。2010年も、大いにメイン・ストリームからは外れて、と来て、冬に聴いたアルバムを振り返る。のだが、冬が最もヴァラエティに富んでいたかも?いや、冬の新譜を追うというよりは、2010年の様々な聴きそびれに追われて... 春から冬まで、行ったり来たり... 何だかんだで、2010年、全体を俯瞰するようなラインナップに。
そんな、2010年、冬の24タイトルを振り返る。

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名曲、ブラームスの1番の交響曲に始まり、マーラーのメモリアルに、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのメモリアルまで... バロックに、古典派に、ポップスに、コンテンポラリーに、マニアック過ぎる中世フランスの歴史絵巻まで、改めて振り返るとクラクラしてくる。これまでに比べると、タイトル数も含めて濃密だった冬... どうも、楽しむよりも追われ気味だったあたりに、苦笑い。ではあったが、どれも興味深いものばかり。そうした中、まず印象に残るのは、新たなツィクルス、シリーズのスタート。
ブルックナーで鮮烈な演奏を繰り広げて来たヤング+ハンブルク・フィルが、ブルックナーに続いてのブラームスのツィクルスをスタート。ブルックナーのライバルであるブラームスを取り上げてくるというあたり、興味深く。そして、その第1弾、1番の交響曲(OEHMS/OC 675)。ヤング+ハンブルク・フィルの独特のグラマラスさが、ブラームスのアカデミックなあたりに絡み付いて、圧巻のコテコテ・クラシックを生み出し。ヤングの音楽性を前に、ブルックナーとブラームスの響き方のギャップがただならずおもしろく、ブルックナーのツィクルスだけでなく、ブラームスのツィクルスも新たにスタートさせての展開から目が離せない。
それから、気になるのはエルヴェ・ニケ+フラマン放送合唱団によるローマ賞のための音楽... 若きドビュッシーの奮闘を知る、ドビュッシーのローマ賞のための課題を集めた2枚組(GLOSSA/GCD 922206)が極めて興味深かったのだけれど。ドビュッシーに続いて、サン・サーンスのローマ賞のための課題を集めた2枚組(GLOSSA/GCD 922210)もリリース(されたのか?間もなくか?)。となると、シリーズ化されるのだろうか?フランス音楽史を彩る作曲家たちの起点となるローマ賞だけに、ドビュッシー、サン・サーンスに留まらず、いろいろ聴いてみたくなり、期待してしまう(できれば、合唱団交替で... )。

さて、クラシックとは、そのものずばり「古典」である。時代を経て、今、過去の偉大な作品に触れるわけだ。となれば、古くて当たり前... クラシックには、他の音楽ジャンルにはない古雅なトーンは付きものである。が、21世紀のクラシック像は、時としてそういうトーンを突き抜けるのか?
メルクル+国立リヨン管によるドビュッシーのシリーズ、第4弾(NAXOS/8.572297)のアンビエントさ... ジンマン+チューリヒ・トーンハレ管によるマーラーの「千人の交響曲」(RCA RED SEAL/88697579262)の映画音楽のようなヴィヴィットさ... セルジオ・アッゾリーニのファゴットによるヴィヴァルディのファゴット協奏曲(naïve/OP 30496)のバンドノリ?そんな感覚が印象に残る。クラシックの古雅なトーンから解き放たれて響くサウンドは、ジャンルの枠に関係なく、音楽そのものの魅力と向き合うかのようで、新鮮な体験だった。
一方、クラシックという枠を飛び出してしまったものも... エベーヌ四重奏団の"FICTION"(Virgin CLASSICS/6286680)に、レ・クリ・ドゥ・パリの"ENCORES"(Alpha/Alpha 888)。弦楽四重奏によるヴァラエティに富む映画音楽に、無伴奏合唱によるポップス。屈託無く挑んで、やり切って、圧巻!というあたり、クラシックにおける現代っ子世代の現代感覚に感服。そして、大いに共感!彼らの21世紀的な姿勢に、クラシック・ファンであることを勇気付けてくれるようなところすらある。何となく翳りを帯びてしまっているジャンル、クラシックだが、まだまだ現代にその魅力をアピールできるはず。
なんて思えた2010年、冬... 最も印象に残るアルバムは、次回につづく...

春の20タイトル - 夏の22タイトル - 秋の22タイトル - 冬の24タイトル




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