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夏バテ、クラシックばて... の果てに。 [miscellany]

まったく、暑い日が続きます。となると、夏バテ気味。
で、バテてるのは身体だけでなく、頭もバテてるのか?最近、あんまりおもしろいこと、書いてないよなぁ。いや、最近... ばかりじゃないか。梅雨に入ったあたりから、あれやこれやと忙しなく、余裕を以って書けていない。どころか、音楽を聴く余裕すらなくなりつつあるのかも。時間的に... ばかりでなく、気分的にも... なんて、振り返ってみれば、プチ鬱?やだなー、そーゆーの。そうした中、ふと見つけたトピック...
『ツレがうつになりまして。』から、クラシックのコンピレーション・アルバムが誕生?『ツレうつクラシック』(コロムビアミュージックエンタテインメント/COCQ 84836)なるアルバムがリリースされるとのこと。

『ツレがうつになりまして。』というタイトルの通り、ツレが鬱になってしまったマンガ家、細川貂々が綴る異色のエッセー・マンガ... で、NHKがドラマ化し、ツレを、原田泰造が熱演... いや、鬱演。そのリアルな演技に苦しくなり、切なくなり... まさに、現代ニッポンを象徴する展開に、毎回、突き刺さるような感覚を抱きながら、貂々夫妻の歩みを見つめたわけだが。そんなドラマに、印象的に、時に鮮烈に流れていたのが、「歌に生き、恋に生き」。トスカの絶望と、鬱の絶望は、対極にあるようで、あまりにはまってしまう絶妙なセンス。改めて、この名アリアを聴き直してしまったり。で、何でも、ツレさんこそが、クラシック通なのだとか。
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世間一般において、近頃のクラシックというものは、お手軽な「癒し」... なんてあたりが関の山。そういう安易な捉え方に、クラシック・ファンとしては、いい加減、嫌気が差すものの、鬱という視点に立っての「癒し」のクラシックとは、これまでにない踏み込み様... ていうか、名曲でお茶を濁すのとは一線を画す、本物の「癒し」が求められるわけで、かなり興味深い『ツレうつクラシック』。で、そのラインナップ、「あなただけじゃない... うつから生還したツレさんが聴いた曲!」(コロムビアミュージックエンタテインメント曰く... )ということで、そのセレクションは、ツレさんによるもののよう。で、ツレさんの、クラシック通なあたりを如何なく発揮したセレクションは、吉松隆からオネゲル、シベリウス、マーラーなど、普通に聴いてもかなり興味深い。何より、「癒し」として、単に元気の出る曲!ではない、繊細なセレクションが、本物の「癒し」とはどうあるべきか?を考えさせてくれる。オネゲルの3番の交響曲、「典礼風」の2楽章なんて、なかなか選べませんよ... けど、絶妙だよなぁ...
次から次へと、手を変え品を変えリリースされるクラシックのコンピレーション・アルバムだが、『ツレうつクラシック』は、かなり聴いてみたいかも... 聴いたら、元気が出るかなぁ... いや、元気が出るとは一味違う、やさしさと透明感に溢れたサウンドの数々。もちろん、「歌に生き、恋に生き」も収録されて。机上の「癒し」ではなく、リアルに「癒し」を必要とした選者だからこそのセレクションは、ダイレクトに心に染みてきそう。

さて、話しは変わりまして...
naïveのヴィヴァルディ・エディションに、アントニーニ+イル・ジャルディーノ・アルモニコが登場すると聞いて、いろいろな意味で、えっー!?となる。アントニーニ+イル・ジャルディーノ・アルモニコといえば、ヴィウァルディの「四季」で、お上品なバロックという、ステレオタイプをブチ破って、バロック・ロックというムーヴメントを巻き起こした存在。また、バルトリと組んでのヴィヴァルディのアリア集では、それまで誰も真正面からは挑もうとしなかった、バロック・オペラの驚異のコロラトゥーラの世界を、バロック・ロックのテンションから攻めて、聴く者、全てをノックアウト。ヴィヴァルディ・エディションなどの、ヴィヴァルディのオペラ録音の可能性を、最初に見出したとも言える存在だったわけで... もちろん、バルトリの驚異のテクニックがあってこそだけれど。
90年代、ヴィヴァルディ・ルネサンスへの引き金を、2度、引いた彼ら。そして、ゼロ年代、ヴィヴァルディ・ルネサンスの中心となった、naïveのヴィヴァルディ・エディションに、とうとう登場。それも、オペラ『離宮のオットーネ』(naïve/OP 30493)で... というから、かなり楽しみ。オペラの全曲を、アントニーニがどう仕上げてくるのか?スピノジ+アンサンブル・マテウスあたり(ヴィヴァルディ・エディション切っての過激派... )と、いい勝負をするのか?気になるところ。一方で、アントニーニ+イル・ジャルディーノ・アルモニコといえば、DECCAの古楽/ピリオド・ライン、L'OISEAU-LYREの専属。何より看板のひとつのはず... が、L'OISEAU-LYREは再びの休止状態に突入?サイトの更新も、リリースも止まってしまったよなぁ。
世界経済は相変わらず先行き不透明。特に、ユーロ経済圏は、次から次へと危機的状況が発生、クラシックの世界も相当に厳しいことは容易に想像が付くのだけれど、一度消滅したL'OISEAU-LYREを復活させ、短い期間ではあったけれど、興味深いリリースを繰り広げただけに、残念!アントニーニ+イル・ジャルディーノ・アルモニコのヴィヴァルディ・エディション登場も、複雑な思い。何より、復活への期待が大きかった分、DECCAの不甲斐なさには、ガックリ来てしまう。
いや、クラシックもバテてるよなぁ。




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