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トロイからカルタゴへ... バルトからカリフォルニアへ... [miscellany]

この前、新聞だったか、何かに、来年のマリンスキー劇場の来日公演についてのお知らせ?のようなものを見つける。特別コンサートとして、ベルリオーズのオペラ『トロイの人々』全曲を、コンサート形式で取り上げるのだとか... いゃぁー、ゲルギエフ、なんとチャレンジングな!と驚きつつ、もうひとつ驚いたのが、その『トロイの人々』、日本初演とのこと... 『トロイの人々』は、2部構成。トロイの陥落と、その後日談、ディドーとエネアスの物語からなるのだけれど、簡単に言ってしまえば二本立て... つまり、とてつもなく長大な作品。けして、ちょいちょい上演されるような作品ではないけれど、ベルリオーズにとっては、間違いなく重要な作品。そうした作品が、日本で未だ初演されていなかったことに驚きつつ、ガッカリもしてみたり。

ベルリオーズは人気作曲家... だけれど、幻想交響曲から、なかなか広がらない状況に、何となく不満を感じる日本のクラシック・シーン。例えば、2003年、ベルリオーズ、生誕200年のメモリアル。「メモリアル」を謳う企画はあちらこちらで見受けられたものの、幻想交響曲に終始した印象(もちろん、N響など、気合の入ったところもあった... )が強くある。このワン・パターン、みんな、飽きないのだろうか?
なんて、思っていたら、先日、東京フィルと二期会が、"ベルリオーズ・プロジェクト2010"と銘打って、豪華にもミシェル・プラッソンを招き、『ファウストの劫罰』など、幅広くベルリオーズ作品を取り上げて、それがまたおもしろかったとのこと。いつのまにやらライヴから足が遠のいてしまって(日本のクラシック・シーンのワン・パターンに、多少、辟易しまして... )、すっかり情報に疎くなっているのだけれど、多少なりとも、広がりが出つつあるのか?ちょっと気になる。ところで、ベルリオーズのメモリアルなの?来年には、ゲルギエフ+マリンスキー劇場による『トロイの人々』の日本初演も予定されているわけで... 今年は、ベルリオーズの生誕207年で、没後141年なのだけれど... 何なのだろう?ベルリオーズ・ブーム?

さて、気鋭の指揮者、クリスチャン・ヤルヴィがSONY CLASSICALと契約した... という話しは以前にも書いたのだけれど、そのデビュー・アルバムが、アルヴォ・ペルトの作品集(SONY CLASSICAL/88697723342)だという情報をキャッチ。それにしても、エストニア出身のヤルヴィ家と、エストニアを代表する作曲家、ペルトは、本当に縁が深いのだなと、つくづく思う。いや、またペルトかよ... なんて、ちょっとぼやいてみたくもなる。
父、ネーメによるDGからのアルバム(Deutsche Grammophon/457 647-2)... 兄、パーヴォのVirgin CLASSICSからの2タイトル(Virgin CLASSICS/5 45501 2, 5 45630 2)などなど、ヤルヴィ家によるペルトは、十分に聴いて来た... ような... となると、クリスチャンには、つい他のものを求めてしまいたくなる?が、ヤルヴィ家によるペルトは、「アンビエントな現代音楽」というステレオタイプに納まらない、同郷の作曲家への深い共感から発せられる独特の熱っぽさが記憶に残るだけに、ヤルヴィ家の末っ子、クリスチャンはどんなペルトを聴かせてくれるのだろう?と、気になるところでもあり。そんなクリスチャンのペルト... 父、兄も録音している3番の交響曲(父、ネーメに献呈されている... )に、RIAS室内合唱団を起用してのスターバト・マーテル、"Cantique des degrés"を収録とのこと。RIAS室内合唱団が歌うペルトというのも、楽しみ。
ところで、ECMからは、ペルトの2008年の作品、4番の交響曲(ECM NEW SERIES/476 3957)がリリースされるとのこと。3番の交響曲が1971年の作品なので、37年もの間が開いての4番の交響曲... その間、ティンティナブリ様式によるアンビエントなペルト・ワールドを創り出しての、再びの交響曲とは、どんな感じなのだろうか?それがまた、L.A.フィルの委嘱作ということで、タイトルはずばり「ロサンジェルス」... ペルトとカリフォルニアという組合せが、意外というか、想像が付かないのだけれど、その分、興味津々でもあり。サロネン+L.A.フィルによる演奏も楽しみ。明晰なサロネンによる、シンプルなペルト... これも、良い意味で想像が付かないのかも。

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そうそう、ECMのサイトを久々に覗いてみたら、びっくり!ヤン・ガルバレクとヒリアード・アンサンブルによるコラヴォレーション"Officium"(ECM NEW SERIES/445 369-2)の続編がリリースされるみたい... その名も"Officium Novum(新オフィチウム)"(ECM NEW SERIES/4763855)。ガルバレクのサックスが、ヒリアード・アンサンブルの中世のハーモニーに浮遊する、驚きのコラヴォレーションを聴かせてくれてから15年が過ぎ、新たなオフィチウムはどんなものになるのか、今からクワクワさせられる。




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