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白鳥の湖に、溺れる。 [2010]

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白鳥の湖... と言ったら、チャイコフスキーの代表作!
けれども、その全曲を聴いたことがあるか?と問われれば、意外と少ないのではないだろうか?もちろん、バレエ・ファンにとったら、最も多く聴かされる作品なのだろうけれど... バレエまで熱心になれていないクラシック・ファンの場合だと、実は、馴染の少ない作品かもしれない。
ということで、バレエ『白鳥の湖』、その全曲を、初めて聴きました!
なんて、ちょっと興奮気味なのは、どうしようもなくある『白鳥の湖』のイメージを覆された気がして。思いの外、新鮮だったから!そんな、新鮮な初体験をもたらしてくれたのが、ミハイル・プレトニョフ率いる、ロシア・ナショナル管弦楽団。彼らの創立20周年を記念する、ONDINE移籍、第1弾、バレエの代名詞にして、チャイコフスキーの代表作、『白鳥の湖』、全曲盤(ONDINE/ODE 1167)を聴く。

それにしても、クラシック!そして、バレエならではと言うのか、チャイコフスキーの真骨頂と言うべきか、最高にドラッグ!このゴージャス感が、たまりません。いや、見事です。なんて感じてしまうのは、ここまで、あまりにクラシックのメインストリームから離れていたからだろうなぁ... それにしても、踊り無しで、十分に楽しめる、めくるめくロマンティック!バレエを知らなかったとしても、クラシックを聴かなかったとしても、『白鳥の湖』のメロディに関しては、ひとつならず、必ず聴いたことがあるわけだけれど、そればかりでない『白鳥の湖』の魅力に、ノックアウト。全曲盤で聴く意味は、やはり大きいのかもしれない。
チャイコフスキーにとっての最初のバレエであり、1番のピアノ協奏曲の初演(1875)が成功し、上り調子の頃(『白鳥の湖』は、1877年に初演... )の作品だけに、創意に溢れた音楽は、全編に渡って輝いている。また、ワーグナーの『ローエングリン』からの影響があると言われる『白鳥の湖』だが、今さらながらに、深く頷くことに... 白鳥つながりというだけでなく、ふと気付けば、あちらこちらにワーグナー的サウンドが聴こえてきて... チャイコフスキー・サウンドとワーグナー・サウンドといえば、対極にすらあると感じていただけに、興味深い。とはいえ、第1回、バイロイト音楽祭(1876)にはチャイコフスキーも駆け付けて... 何気にワグネリアンだったりもする。そんな、ワグネリアン・チャイコフスキーの作品というものを、あまり聴いてこなかった分、『白鳥の湖』には、その後のチャイコフスキー・サウンドとは一味違うヴィヴィットさを見せて、新鮮!チャイコフスキーならではの複雑になりきらない音楽と、スパイスとしてのワーグナーが絶妙で、予想外に魅了されてしまう。それには、プレトニョフ+ロシア・ナショナル管の存在もまた大きいのかもしれない。
時に、ギャグにすらなりかねない、あの名旋律... そんな『白鳥の湖』の濃さは、薄められつつ、全体が軽く仕上がっている?その分、聴き易いのか... 一方で、踊りのための音楽という「軽さ」を、丁寧にスコアと向き合い、チャイコフスキーが全編に籠めた繊細な表情(スパイスとしてのワーグナーも... )を余すことなく響かせ、見事に覆す演奏。プレトニョフというと、癖のあるベートーヴェンのツィクルス(Deutsche Grammophon/477 6409)が、良くも悪くも話題になったわけだが、『白鳥の湖』では、全てが絶妙。いや、鳴るところはきっちり鳴るし、ゴージャスなワルツはゴージャスだし、フィナーレに向かっての盛り上がりは圧巻!『白鳥の湖』って、こんなにもカッコよかった?!と、ただただ聴き入るばかり。

TCHAIKOVSKY: SWAN LAKE
RUSSIAN NATIONAL ORCHESTRA ・ PLETNEV


チャイコフスキー : バレエ 『白鳥の湖』 Op.20

ミハイル・プレトニョフ/ロシア・ナショナル管弦楽団

ONDINE/ODE 1167




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