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熱狂するは、ショパンばかりでなく... [miscellany]

さて、すっかり暖かい。やはり、5月の連休だ。そして、行楽日和が続く...
が、家にいる。家にいていいのか?いや、やらねばならないことがいろいろと出てきて... となれば、やらねばいけないことをやりながら、音楽を聴くしかない!と、強引に在宅、音楽の日にする。
ところで、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。ショパンの生誕200年... ショパンで大いに盛り上がっているのだろうか?いや、NHKまで生中継のようでして... また、今年は、金沢でも、びわ湖でも、新潟でも、ショパンで「熱狂」するようでして... まさか、ここまでチェーン展開して来るとは思ってもいなかった。で、そのヴァイタリティに感服させられる。何より、クラシックで、これほどアグレッシヴになれるあたり、頼もしい限り。
それにしても、メモリアル。で、マーラーを忘れるわけにはいかない!

マーラー、生誕150年。それも、来年には没後100年が控えるという、スペシャルなメモリアル。そして、早くもリリース・ラッシュの様相。古今のマエストロたちが見事に並んだ18枚組のDG、"Gustav Mahler COMPLETE EDITION"、16枚組のEMI、"MAHLER The Complete Works"... メジャー・レーベルならではの見事なラインナップで、"complete"競演!まったく、お祭りである。で、これが意外にお買い得だから、驚いてしまう。廉価盤の雄、NAXOSの交響曲全集、15枚組よりも、お買い得。となれば、もはや、メジャー・レーベルも、ナリフリ構っていられない時代?ということか...
一方、「時代」を感じてしまうのは、バーンスタイン、ベルティーニ、インバルといった、かつての定番による交響曲のシリーズ。メモリアルを機に復活のようで、何やら懐かしく。振り返れば、マーラーという作曲家のイメージも、やはり変わったなと噛み締める。で、最新のマーラーは?ジンマンの千人の交響曲(RCA RED SERIES/88697579262)がリリースされたばかりで、パーヴォ・ヤルヴィ(Virgin CLASSICS/6945860)と、ジョナサン・ノット(TUDOR/TUDOR 7158)の「復活」のリリースが間近!次から次へと、聴かずにいられないアルバムがリリースされて、喜びと、財布の状況とで、クラクラきてしまう。
それでいて、メモリアルならではのマニアックなリリース。いや、これこそがメモリアルの醍醐味のようにも思うのだが... 複雑な経緯を持つ「巨人」の1893年ハンブルク稿(Challenge Classics/CC 72355)や、オルガン伴奏での歌曲(MUSICA REDIVIVA/MRSACD-018)に、ピアノ版?10番の交響曲(divine art/dda 25079)、先日、取り上げたマーラー版の第九(PREISER RECORDS/PRCD 90773)まで、すでに興味深いものはいろいろ... これが来年まで続いてしまうとなると、一体、どうなってしまうのだろう?これまで触れる機会の少なかったマーラーの新たな一面と、どれだけ出会えるのか、楽しみでならない。

ところで、じわーりと、人知れず、ぼんやりとブーム?な2人の作曲家が気になっている。
まずは、フランク・マルタン(1890-1974)。
フランス語圏、スイス出身の作曲家で、まさに20世紀、近代を生きた人物。だが、近代音楽の激動の時代にあって、独特のカラーを生み出した作曲家。新(擬)古典主義に近付きつつ、12音技法を咀嚼して、19世紀のロマンティックなテイストを昇華させたそのサウンドは、「革新」の刺激からすれば地味かもしれないが、独特の透明感と、ヘヴィーさが相俟って、魅力的。そんなマルタンのリリースが、ここのところ、目に付く。
実は、今年、生誕120年。4年後には、没後40年を迎える。ま、ちょっと微妙な数字なのだけれど... おかけで、マルタンの作品は、その代表作に限らず、いろいろな録音が登場しつつある。そうした中、harmonia mundiからは、オラトリオ『魔法の酒』(harmonia mundi/HMC 901935)に続いての、声楽大作、『ゴルゴタ』(harmonia mundi/HMC 902056)のリリースが控え、楽しみ!また、マルタンのシリーズ(全集になるのか?)を展開中のMDGからは、小協奏交響曲、『イェーダーマン』からの6つのモノローグといった代表作を収録したアルバムをリリース予定。マルタンのメモリアルも、静かに、楽しみだ。
で、もうひとり、アンドレ・エルネスト・モデスト・グレトリ(1741-1813)。
フランス語圏、ベルギー出身で、古典派の時代、フランスで活躍した作曲家。やがてはビゼーの『カルメン』につながる、フランスのオペラ・コミーク(歌と台詞による... )の伝統、その黎明期に活躍した人物だが、この人は、来年、生誕270年。3年後には、没後200年を迎える。となると、地味にではあるが、リリースがちらほら見受けられて。グレトリを生んだ国、ベルギーのレーベル、RICERCARでは、ミンコフスキが指揮をしたオペラ・バレエ『カイロの隊商』(RICERCAR/RIC 268)が復活されて、注目されたが、ヴァン・ワース+レザグレマンによるバレエ・エロイーク『セファルとプロクリス』をリリースするかも?というような話しがあるようで... ヴァン・ワース+レザグレマンは、これまで2つのグレトリのオペラをめぐるアルバム(RICERCAR/RIC 234, 242)をリリースしているだけに、オペラ全曲盤のリリースを、期待してしまうのだが、どうなるか?一方、ニケ+ル・コンセール・スピリチュエルは、トラジェディ・リリク『アンドロマケ』(GLOSSA/GCD 921620)の全曲盤をまもなくリリース予定。グレトリという存在も、今後、注目を集めることになるのか?その動向が気になる。

さて、2010年、ショパン、シューマン、マーラーの影で、メモリアルの効果は、他の作曲家でも新たな発見に導いてくれるのか。何気に、そんな密やかなマイナーなシーンこそ、おもしろかったり?




タグ:マーラー
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