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まずは音楽、見た目は次に... ではなくて... [miscellany]

さて、何を書いていいのやら...
と、頭がポカンとなる日。「春」の影響か?で、どうしようか。という状態から思い付くものは、つまらないことだったりするのだけれど... しかし、前々から気になっていることだったり...
前回、取り上げたジャン・イヴ・ティボーデ、ガーシュウィンのアルバム... そのジャケットの、そのヴィジュアル。これまでのティボーデのイメージを覆すようで、何気にインパクトあったなと。ま、ティボーデ的に、イケてるのか、イケてないのかは、ともかく、独特の世界観(映画のワンシーンのようだよなぁ... )が滲み出ていて、そのあたりに、ティボーデなりのこだわりがあったかと、振り返る。そして、興味深かったなと。
近頃、クラシックのアルバムも、その主たる音楽ばかりでなく、ジャケットなどヴィジュアルでも、いろいろ楽しませてくれる。で、つくづく思うことは、21世紀となり、クラシックのヴィジュアル、かなり垢抜けたのでは?

ティボーデはさて置き、ヴィジュアル面において、アーティストの捉え方が、随分とフレッシュになったように感じる、昨今のクラシック。少し前まで、デビューしたての若手ですら、どういうわけか老けて見えるものばかり(10代ですら... )。まさに、「クラシック」というフレームなればこそなのか、ヴイジュアルもクラシカル... 野暮ったくて、古臭くったってOK?いや、クラシックとは、何よりもまず音楽ありき、ヴィジュアルにかかずらうなど愚の骨頂。なんて、お叱りを受けそうだけれど。自身の感覚(クラシックであっても、ジャケ買いとかありかも... )を見つめ直せば... MTV世代にとってのクラシック(という概念は成り立つのか?)、やはりヴィジュアルは「そこそこ」重要。そして、クラシック・シーンも、そういう方向へと流れている?
そんな潮流を探って、昨年、取り上げたアルバムから、印象に残るジャケットを振り返ってみる。
(いや、実は、こういうの、やってみたかったり... )

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ということで、2009年、最も印象に残る、ポートレートによるジャケット、3つ。モノトーンでシックにまとめられた、ヴァイザーのグリーグのアルバム(左)。弓が画面を2つに分かつ大胆な構図の向こうで、風になびく髪と、一瞬の表情が何とも瑞々しいコパチンスカヤ、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(中央)。ベートーヴェンにしてこのガーリーさが、コパチンスカヤの演奏を絶妙に捉えてもいて、見事。そして、大胆にイメージ・チェンジを果たしての、ハードでクールなパトモアのブリテンのアルバム(右)。
クラシックのアルバムのジャケット... でなくともいいような雰囲気すらある3つのポートレート。ファッション誌をめくって、何気に目に入ってきそうな、そんなヴィジュアルが新鮮。で、アーティストの存在に魔法を掛けるようなフォトグラファーの仕事ぶりに感心させられる。クラシックって、こうもイケてるジャンルだったっけ?と... 音楽だけで、十分なのかもしれないが、こだわった音楽には、こだわりのパッケージがしっくりくる。よなぁ。

ここで、少し視点を変えまして... もっとダイレクトに、アーティストそのものについて見つめたならば?
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クラシックのアーティストといえば、下手に厳めしいか、野暮ったいか、あるいは特大サイズか、そんなイメージが強い(もちろん、そうでないアーティストもいるけれど... )。が、そういうステレオタイプを覆してくれる2人。本当に指揮者?なんて、疑いたくもなる、まるでフランス版「松潤」な、ジェレミー・ローレル(右上)。国母くん... まではいかなくとも、フォーマルなクラシックの世界にあって、わずかに着崩して、程好くとんがって、様に成り得るゴーティエ・キャプソン(右下)。兄キャプソンの端正さとは好対照なあたりが、彼の魅力か...
まさに、「今風」の2人、21世紀を生きる現代っ子なヴィジュアル。クラシックだから... という特殊性なんて、皆無な感覚が爽快なくらいだ。そして、この感覚こそ、21世紀のクラシック・シーンに求められるように感じる。単に「今風」なだけのようで、この「今風」が、実は大切なような気がする。クラシック=古典であっても。が、この2人のポートレートの「今風」を、一般的、クラシックの聴き手は、どう捉えるのだろう?ちょっと気にもなる。

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さて、最近、かなり気になっているポートレートによるジャケットが、広瀬悦子のショパンの新譜(MIRARE/MIR 110)。DENON時代の清楚さを裏切って、ちょっとミステリアスに、グっとムーディーなあたりが断然、魅力的!フランスのレーベルに移籍してのイメージ・チェンジ... こうも変わるかと、感心してしまう。一方で、無駄に「お嬢様」風で売りたがる、日本のクラシック界のヴィジュアルにおける古臭さというか、何と言うか。そういうオッサン・センスに、そろそろ嫌気が差す。見事な彼女の変身ぶりに、余計に感じてしまう。
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それから、もうひとつ気になるポートレートによるジャケット、野田恵のデビュー・アルバム(EPIC/ESCL 3435)。という前に、「野田恵」を、実際にデビューさせてしまったあたりが凄いのだけれど。そのジャケットの、いかにもクラシックなリアル感が、また見事だったり。「今風」であろうとする21世紀、クラシックの潮流の一方で、こういうテイストは、かえってインパクト大。一昔前のアルゲリッチあたりを連想させるような、濃い感じのモノクロの仕上がりが、どこか懐かしさすら放っていて、惹き付けられてしまう。それにしても、『のだめ... 』関連の、リアル・クラシックへの思い入れは、いつもながら感心させられる。




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