SSブログ

1月、あれもこれも、次から次へと... [overview]

年末、忙しないのは仕方がない... けど、当ブログは、年明けてからが忙しなかった。
2009年、聴きそびれていたもの、書きそびれていたものも含め、12月の新譜も追う、1月。あれもこれも聴いて、次から次へと書いている内に、妙に消耗してしまう。で、振り返れば、古楽から近代まで、スペインからトルコまで、時間も距離も幅広く聴いての14タイトル。これまでで、最も多かった14タイトル... 2009年の集大成的な月ではあったけれど、どこかで音楽に追われているような、そんな気分にもなる?とはいえ、それだけおもしろいアルバムが存在しているのも事実。また、12月の新譜というのが、思いの外、充実していて、取り上げきれないほど...
(そのあたりは、追々... )
"クラシック"の衰亡、著しい昨今だけれど、ひとつひとつ丁寧に聴いてみれば、"クラシック"はまだまだおもしろい。消耗しながらも、そんなところに辿り着く。という、1月に聴いた、14タイトルは...

HMC992039.jpgZZT100101.jpg93221.jpg8572174.jpg8570527.jpg8572167.jpg83222.jpgAVSA9870.jpg4763317.jpg88697461172.jpg6945730.jpg6945640.jpg98552.jpg98577.jpg1010.gif

幅広く、14タイトル... どれもおもしろかったのだが、まず印象に残るのは、「幅の広さ」を巧くまとめたアルバム、2つ... サヴァールがスポットを当てた、異色の音楽家、カンテミールのアルバムと、リスレヴァンが再びボーダーライン上に魅力的なサウンドを生み出す『ディミヌイート』。これまでの視点をずらすことで、"クラシック"を解きほぐすような興味深さがありつつも、けしてエキセントリックにはしてこない洗練された響きが心地良く。古楽界の巨匠、サヴァール... その下で長らく師を支えた、古楽界の鬼才、リスレヴァン... この師弟に受け継がれた音楽センスに感心させられる。

1010.gif
1010.gifZZT100101.jpg1010.gif
そして、1月、最も印象に残るアルバムのひとつが、インマゼール+アニマ・エテルナによるベルリオーズの幻想交響曲。ピリオド界のアンファン・テリヴル、とうとう、ここに来たかと、感慨深くもあり、たまらなく楽しみでもあり... いや、期待しつつも不安もあり... どんな響きがするのだろうかと、ワクワクさせられるピリオド・アプローチによる幻想交響曲。で、これを体験して、やっとインマゼール+アニマ・エテルナの思考(指向?志向?)が、呑み込めたような気がする。呑み込めて初めて、彼らの凄さに、遅まきながら気付いたか... この幻想交響曲を切っ掛けに、これまでの問題作(19世紀から20世紀初頭に掛けて... )の数々を聴き直してみれば、まったく違って聴こえてくるような感覚を味わい... 実は、作為の無い音楽を志し、すると、ピリオド楽器の持つ癖は際立って、作品全体が、思わぬ方向へと転がり出す。予測不能の先に転がって聴こえてくる、作品の持つ深み、輝きに、ゾクゾクきてしまう。インマゼールという存在は、作品をコントロールすることを拒否した、究極のコンダクター?あるいは、作品の魂を解き放つ、ミディアム?
1010.gif
1010.gif98577.jpg1010.gif
もうひとつ、印象に残ったアルバムが、ファイ+ハイデルベルク響によるメンデルスゾーンの2番の交響曲、「賛歌」。作品のイメージが変わる演奏... これほどまでにおもしろい作品だとは思わなかった!いや、これまでも、十分に魅力的な作品だとは思っていたのだけれど、ファイ+ハイデルベルク響の手に掛かれば、この作品の本当の輝きに触れることができたようで、新鮮な思いをする。また、そういうところに辿り着いた、ファイ+ハイデルベルク響による、メンデルスゾーン・メモリアルに送る、交響曲全集の歩みが感慨深く... メインとなる交響曲よりも、習作たる弦楽のための交響曲に、よりその個性がはまっていた彼らだったが、一皮むけて、交響曲でも、すばらしい演奏を残してくれた。そうして響く、メンデルスゾーンの、若々しく、瑞々しいサウンドというのは、もっともっと注目されていいはず... 2009年、生誕200年のメンデルスゾーン・メモリアルを振り返ると、交響曲やオラトリオなど、華やかなリリースが、もっともっとあっても良かったように感じるのだが...

さて、まだまだ他にも気になるアルバムが並んだ1月... ヴァシリー・ペトレンコ+ロイヤル・リヴァプール・フィルによるショスタコーヴィチ、交響曲のシリーズ、第2弾、5番、「革命」。ヴァシリーの、現代っ子感覚で捉えられる名曲の姿の変貌ぶりがなかなかおもしろく。この路線で展開されるシリーズの今後が、ますます楽しみに。で、シリーズものでは、ホリガー+SWRシュトゥットガルト放送響によるケクランの最新盤も魅力的。ドイツ語圏から捉えられるフランス近代のもうひとりの巨匠、ケクランの、クールなサウンドは、ますます研ぎ澄まされてくるよう。それから、シリーズになるのか?いや、なってほしい!のが、メルクル+リヨン国立管によるメシアン。ドイツ出身のメルクル、パリではなくリヨンのオーケストラ... という視点からのフランス近代というのは、いつも新鮮。メシアンでも、そうしたあたりが如何なく発揮させられて、魅力的。
近代ばかりでなく、18世紀も魅力的だった1月... まず、ジュノーのヴィヴァルディのアリアには圧倒された。まったく、その超絶技巧には、言葉を失うばかり。で、ヴィヴァルディはやっぱりエキサイティング!そして、J.C.バッハという意外なあたりを取り上げたジャルスキー。古典派の時代の、オペラ・セリアというあたりが、ジャルスキーの声によりフィットするようで、優雅でクラッシー、それでいてタイトルの通り、甘く... それから、ベルニウス+シュトゥットガルト室内合唱団が歌った、カール・フリードリヒ・クリスティアン・ファッシュの16声のためのミサも、古典派の時代の優雅さ、やわらかさに彩られ、時にポップですらあり、何とも心地よいサウンドで、楽しませてくれる。

ということで、何とか1月を振り返る。そして、次回からは、2009年を振り返ります。




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。