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9月、ドイツ・シフト... [overview]

ふと振り返ると、ドイツ・シフトだった、9月...
意識して、ドイツものをチョイスしたわけではなかったのだけれど、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ワーグナー... 独墺系、18世紀から19世紀にかけての、交響曲、協奏曲、弦楽四重奏に、ピアノに、オペラと、いろいろ聴いてみる。それら、"クラシック"の中心軸というのか、普段、あまりに「メジャー」から外れている反動なのかもしれないけれど、何となしに安心感を以って聴けたようでもあり。そうして、改めてドイツものに向き合ってみれば、その瑞々しさ、透明感みたいなものに、感じ入り、妙に感慨深くもあって。もちろん、ドイツものばかりでなく、民族主義?ワールド・ミュージック?などなど、多少、ブっ飛んだものも含めて、9月に聴いた、11タイトルは...

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ということで、9月に聴いた11タイトル、最も印象に残ったタイトルは...
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間違いなく、アレクシス・コセンコ(フラウト・トラヴェルソ)による、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハのフルート協奏曲集、後編!待ちに待った後編だけに、期待は募るばかり... で、期待に違わぬすばらしい演奏!極めてクールなインパクトを残した前編(Alpha/Alpha )から、さらにパワーアップした観もあり、コセンコの妙技は息を呑むばかり。そして、アルテ・デイ・スオナトーリの演奏もたまらなくエッジを効かせて、見事!カール・フィリップ・エマヌエルのカッコよさを徹底的に抽出し、"クラシック"のカッコよさを思いっきり展開してくれる。が、カール・フィリップ・エマヌエルのフルート協奏曲は、全6曲。シリーズは、前編3曲、後編3曲で完結。なのが惜しい... コセンコ+アルテ・デイ・スオナトーリを、もっともっと聴きたい!
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のだが、ロナルト・ブラウティハム(フォルテピアノ)による、ベートーヴェンのピアノ作品全集のシリーズ、最新盤、vol.7も忘れ難く... いや、本当にすばらしく... 前作も見事だったが、今作はまたさらに!シリーズも、後期のソナタに突入し、いい具合に熟しつつある中での、傑作、29番のピアノ・ソナタ「ハンマークラヴィーア」の登場。ブラウティハムの両の手から繰り出される、「ハンマークラヴィーア」の華麗さ、シンフォニックさには、圧倒されるばかり。"ピリオド"であることをまったく枷としない恐るべきテクニック、そこから広がる"ピリオド"であることを忘れさせるスケール感。やはり、ブラウティハムは凄い!
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のだが、気鋭のピリオド・クァルテット、シュパンツィヒ四重奏団による、ハイドン、弦楽四重奏曲集、vol.1は、想像を遥かに越えていて、驚かされ... このアルバムも、最も印象に残るタイトルとして、選ばずにいられない1枚。"ピリオド"であることの難しさなど、微塵も感じさせず、かつ、"ピリオド"でなくては辿り着けないであろう究極のサウンドを響かせる。そうした、クラリティの高い、輝きに満ちたサウンドで聴くハイドンの弦楽四重奏曲は、これ以上ないほどの悦びをもたらし、今さらながらに、ハイドンの弦楽四重奏曲のすばらしさに感服させられる演奏でもあった。となれば、彼らの新たなシリーズ、今後が楽しみ!というより、早く次が聴きたい!

と、いうことで、9月、ドイツ・シフトは、古典派シフトでもあり、"ピリオド"シフトでもあったのかなと...
しかし、そればかりでなく、ヴァラエティに富み、"クラシック"の枠組みさえ越えて行くようなアルバムも聴いていて、これがまたインパクトのあるものばかり。
民俗音楽のフィールドから古楽に向き合う、シュメルツァー率いる、グランドゥラヴォワの"La Magdalene"。マグダラのマリアを巡るルネサンスの音楽は、フォークロワな臭いをたっぷりと含み、ポリフォニーが、これまでになく生気に満ち溢れて、刺激的... が、ワールド・ミュージックとのコラヴォレーションで生まれる、クロノス・クァルテットの"FLOODPLAIN"のサウンドは、より強烈で。中近東を中心に、その灰汁の強いエキゾティシズムが生むパワフルさは、ただならず、惹き込まれ。一方で、文明の氾濫原(=FLOODPLAIN)の、21世紀の今なお抱える政治的、宗教的問題を考えさせられる側面もあり、なかなか深い1枚でもあった。
そして、ネシュリング+サン・パウロ響による"REMEMBRANCE"では、20世紀、"クラシック"におけるユダヤの音楽(シェーンベルク、ブロッホ、ツァイスル、バーンスタインによる... )を取り上げて、興味深く。民族の受難が刺激となって生み出された作品の数々は、それぞれにスタンスの違いこそあれ、1枚にまとめられたことが斬新。何より、ユダヤ特有の「嘆き」のメロディは、一度耳にしてしまうと、なかなか耳から離れず... それがより濃いブロッホの作品などは、たまらなく魅力的。

さて、過激?なものを聴いて、ドイツものを振り返ると、地味?なんても感じたり...
それにしても、"クラシック"の幅というのは、ただならない。




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