SSブログ

ヴィヴィット・バル・パーティー! [2009]

梅雨入りしたところで、カラっとした音楽を... ということで、ヴィヴァルディを聴く!いや、なんとなく書きそびれてきたアルバムでもあるのだけれど...
オペラ『忠実なニンファ』(naïve/OP 30410)と同時期にリリースされていた、ヴィヴァルディ・エディションから、サルデッリ+モード・アンティクォによる、ヴィヴァルディ作品、新発見を集めたアルバム(naïve/OP 30480)と、ファソリス+イ・バロッキスティによるガルフェッティ(ヴァイオリン)の独奏で、ヴァイオリンのための協奏曲集、vol.3(naïve/OP 30474)。「新発見」というあたりも刺激的だが、音楽そのものが刺激的なヴィヴァルディ。また、モード・アンティクォ、イ・バロッキスティともに、演奏も刺激で、聴けば、テンションも上がってくる2タイトル!


新発見!ヴィヴァルディ...

OP30480.jpg
1010.gif
"New Discoveries"。イタリア、ドイツの各地で再発見されたヴィヴァルディ作品を、ひとつにまとめたアルバム... 最新のヴィヴァルディ研究のレポートのような1枚。で、「新発見("New Discoveries")」という言葉の、刺激的なあたりが目立つのだが、アリア、モテットから、コンチェルト、ソナタと、ヴァラエティに富むヴィヴァルディ・サウンドを楽しめる1枚でもあり、何やら、得した気分... それでいて、フェデリコ・マリア・サルデッリが指揮するモード・アンティクォの演奏が刺激的!
イタリア・バロックならではの激情と、艶っぽさ... その生々しさを、たっぷりと滴らせ、ヴィヴァルディならではの魅力を炸裂させてくる。ロミーナ・バッソ(メッゾ・ソプラノ)が歌う、1曲目、散逸してしまったオペラ『アルジッポ』からのアリアから、すでにノックアウト気味... バッソのアクロバティックなコロラトゥーラと、ドラマティックなモード・アンティクォのサウンドが、丁々発止の演奏を繰り広げ、スリリングであること、この上なし!これだから、ヴィヴァルディはやめられない。
2曲目、ドレスデンで発見されたという、2つのヴァイオリン、チェロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲(track.2-5)は、「新発見」ならではのおもしろさというべきか、『調和の霊感』の2番の協奏曲の初稿?サルデッリ+モード・アンティクォの演奏もあって、出版譜よりも力強く、インパクトは大きいかも... そして、3曲目、ベルリン・ジング・アカデミーの資料からサルデッリが発見した、フラウト・ドリット(=リコーダー)と通奏低音ためのソナタ(track.6-9)は、サルデッリのリコーダーの妙技に驚かされる!
超絶技巧の一方で、コンチェルト、ソナタでの、エンリコ・カサッツァのヴァイオリンの瑞々しさ... イタリア・バロック的に、まさに歌う、パオロ・パッラストリのオーボエも印象的。そして、バッソ(メッゾ・ソプラノ)の低音の、深く、やわらかな表情も、独特で、魅力的。「新発見」という言葉に踊らされない、ヴィヴィットなサウンドが、このアルバムにはつまっている。
さて、"New Discoveries"なのだが、ヴィヴァルディ・エディションの新機軸となるのか?再発見が進むヴィヴァルディ... その最新の成果を、このような形で、随時、聴けたなら、ヴィヴァルディ・ファンとしてはたまらない。何より、そういう趣向のアルバム、極めて斬新!

VIVALDI New Discoveries Modo Antiquo Federico Maria Sardelli

ヴィヴァルディ : アリア 「まだ光が遅いなら」 *
ヴィヴァルディ : 協奏曲 ト短調 RV 478a 〔2 つのヴァイオリン、チェロ、弦と通奏低音のための〕 ***
ヴィヴァルディ : ソナタ ト短調 RV 806 〔フラウト・ドリットと通奏低音のための〕 *
ヴィヴァルディ : モテット 『私はあなたを喚ぶ』 〔アルト、弦と通奏低音のための〕 *
ヴィヴァルディ : ソナタ ニ長調 RV7 98 〔ヴァイオリン、通奏低音のための〕 *
ヴィヴァルディ : 協奏曲 ト短調 〔オーボエ、チェロ、弦と通奏低音のための〕 **
ヴィヴァルディ : アリア RV 749.32「星よ、おまえたちが美しいのと同じくらいに誠実ならば」 *
ヴィヴァルディ : ソナタ ニ長調 RV 810 〔ヴァイオリン、通奏低音のための〕 *

ロミーナ・バッソ(メッゾ・ソプラノ) *
エンリコ・カザッツァ(ヴァイオリン) *
ヴァレリオ・ロズィト(ヴァイオリン) *
ベッティーナ・ホフマン(チェロ) *
フェデリコ・マリア・サルデッリ(リコーダー) *
パオロ・パッラストリ(オーボエ) *
フェデリコ・マリア・サルデッリ/モード・アンティクォ

naïve/OP 30480




ダンス!ヴィヴァルディ...

OP30474.jpg
1010.gif
ヴィヴァルディ・エディション、ヴァイオリン協奏曲のシリーズ... オノフリ(ヴァイオリン)による第1弾(naïve/OP 30417)、シュテックによる第2弾(naïve/OP 30427)に続く、第3弾は、ドゥイリオ・ガルフェッティのヴァイオリン、ディエゴ・ファソリス率いるイ・バロッキスティの初登場!個性的で、なかなか興味深い『四季』(Claves/CD 50-2204)をリリースしている彼らだけに、ヴィヴァルディ・エディションへの登場は、遅過ぎた?なんて思うほど... 何より、今(個人的に... )、最も注目したいピリオド・アンサンブル。ヘンデルのオペラ『ファラモンド』(Virgin CLASSICS/2 16611 2)のすばらしい演奏が忘れ難い中で、どんなヴィヴァルディを響かせてくれるのかと、楽しみなアルバムだった。
で、そのアルバム、"Il ballo"。ずばり、ダンス!である。様々なダンスのリズムが織り込まれたコンチェルトを集めて、バロック期のダンス・シーンを垣間見せるわけだ。田舎のお祭りで踊られたもの、仮面舞踏会で踊られたもの... で、まさしく、ダンサブル!いつもの、ノリのいいヴィヴァルディ+ダンスなイメージは、ちょっと新鮮。いつもより、どこか遊びがあって、ゴージャスでもあって。時に、エキゾティック?あるいは、田舎でのばか騒ぎ?その、リズムへの屈託の無さが、次から次へと魅力的なコンチェルトを展開していく。そんなダンスの数々、ノらずにはいられない!
そんな気分にさせてくれる、ファソリス+イ・バロッキスティの演奏... イタリア語圏、スイスのピリオド・オーケストラということで、イタリアにして、イタリアの"ピリオド"とは一味違う落ち着きを感じていたのだけれど、ここでは、そんなイメージも変わるようで、威勢良く、ヴィヴァルディを炸裂させる!とはいえ、過激さに突っ走るのとは違うアグレッシヴさで、バロック・ロックをしっかりこなしつつも、丁寧にヴィヴァルディと向き合うことは忘れない。また、その丁寧さが拾い上げる、ヴィヴァルディの洒脱さがあって、それぞれのコンチェルトに、絶妙のスパイスを効かせてくる。
何よりガルフェッティのヴァイオリン!テクニックはもちろん、歌うことを忘れず、センチメンタルな表情はしっとりと。それでいて、しっかりとキレていて、イタリア的、伊達なサウンドを存分に披露してくれる。また、ヴィヴァルディの田舎風の中には、時折、なんとなしのジプシー風な気分も漂わせ... リズミックなヴィヴァルディに、何とも言えぬ艶も加わえて、虜にされる。それにしても、なんと楽しいアルバム!この楽しさ、ちょっと、ハイになってしまう。ヴィヴァルディ・エディション、ヴァイオリン協奏曲のシリーズ、どれもすばらしかったが、第3弾、よりエキサイティングな1枚かもしれない。

VIVALDI Concerti per violino III "Il ballo" Duilio M. Galfetti I Barocchisti Diego Fasolis

ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV 352
ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV 307
ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV 268
ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲 ト短調 RV 333
ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV 210
ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲 ト長調 RV 312
ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV 350

ドゥイリオ・M・ガルフェッティ(ヴァイオリン)
ディエゴ・ファソリス/イ・バロッキスティ

naïve/OP 30474




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。