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4月、"クラシック"からはみ出す... [overview]

変なものばかり聴いていると、嫌われます。
そんな4月でした。が、変なものほどおもしろい!と感じてもしまう、4月だったり... という12タイトル(いや、ヘンデル、メンデルスゾーン、ブルックナーなんかも聴いているのだけれど... )。それら、おもしろいだけでなく、変なことをする以上、しっかり練って、形にしてくるあたり、安易な仕事はしていない。普段の"クラシック"よりも、より練られているのは明らか。だからこそ、もっともっと、聴かれてもいいように思いのだけれど...
"クラシック"というジャンルが、オープン・マインドでいられたなら、"クラシック"は、もっとおもしろくなるはず。なんて、振り返る、12タイトルは...

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ひとつひとつ、フルスロットルな個性のキラめきに、クラクラ来そうな12タイトル。それでいて、それぞれに興味深いテーマをきっちりサウンドにし、中途半端なイメージを与えることなく、独自の音楽世界を展開... となると、4月のベストを、ひとつチョイスするのは、なかなか難しい... 悩む...

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が、まず、圧巻だったのが、サヴァールの『イェルサレム』。古楽の範疇にあるサウンドと、ワールド・ミュージックの範疇にある多様なサウンドを、巧みにまとめて、ひとつの街の歴史を紐解いて見せたその仕事ぶりは、見事!よくぞここまでまとめ上げたなと、感服せずにはいられない。3つの宗教の聖地、未だ争いが続く地... 最も難しいテーマであったはずなのに、ブック型シリーズ、前3作を凌駕して、すばらしい音楽絵巻を展開。かつ、平和への強いメッセージも盛り込まれ、その懐の深さには、驚かされ、聴き入るばかり...
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さて、「さくら、さくら... 」まで歌ってしまった、フランスの女声合唱団、カリオペによるアルバム『メティサジェ』の、斬新さ、おもしろさにも、驚かされた。現代音楽の作曲家たちが、世界中のフォークロワな歌と向き合い、西洋音楽の中に新たなワールド・ミュージックを響かせる... その、換骨奪胎ぶりに、舌を巻き。また、そんな作品を、1枚のアルバムに、よく集めたなと... それでいて、個性的な作品の数々を歌いきるカリオペの、はじけっぷりが見事!堅苦しい"ゲンダイオンガク"のイメージを断ち切って、女声コーラスに漂う「ママさんコーラス」の緩いイメージも断ち切って、エキサイティングな1枚に!
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そして、忘れてならないのが、ますます深化を見せる"ピリオド"によるブルックナーのツィクルス、ヘレヴェッヘ+シャンゼリゼ管の最新盤、5番の交響曲。ブルックナーの時代へと立ち返ろうとすることで生まれる、「近代」から解き放たれた感覚が、これまでにないブルックナーを生み出し、時に、ブルックナーであること、"クラシック"であることすら解き放たれてしまうような、ピュアなサウンドに驚かされ... この境地、巨匠、ヘレヴェッヘならでは?しかし、そういう境地に達し得るのもまたブルックナー?

ということで、ひとつに絞り切れなかったので、ベクトルの違う3タイトルを挙げてみたわけだけれど、この他も、間違いなくおもしろく。ブルックナーなら、ケント・ナガノ+バイエルン州立管による4番の交響曲も、すばらしかったし... エコー・デュ・ダニューブのヴァーゲンザイル、協奏曲集の、流麗なるウィーン古典派サウンドにも、魅了されたし... そして、強烈な個性を放っていた、2つのアルバムも忘れるわけにいかない...
古楽界の異才、ジョン・ポッターと、エレクトロニックな世界で活躍するアンブローズ・フィールドによるコラヴォレーション、『ビーイング・デュファイ』。ヴォーカル・アンサンブル、ヴォクス・クラマンティスと、ウィークエンド・ギター・トリオの"エレキ"による、エストニア発、ニューエイジなグレゴリオ聖歌、『ステラ・マトゥティナ』。"クラシック"とエレクトロニックなサウンドが出会うとは、まさに21世紀!こんなスタイルが、これからじわりじわり増えてくるのだろうか?

そして、ファゾリス+イ・バロッキスティによるヘンデルのオペラ『ファラモンド』。これも、間違いなくすばらしい演奏で、4月のベストに選びたいくらい... ツェンチッチ、ジャルスキー、サバータという、カウンターテナーの強力な布陣。粒揃いの歌手たちによるバロック饗宴は、見事!なのだが、スイス、イタリア語圏のピリオド・オーケストラ、イ・バロッキスティによる瑞々しいヘンデルの響きにも、魅了されずにいられなく... イタリアの"ピリオド"とは一味違うけれど、あの刺激的な様からいい具合に距離を取って、イタリア語圏の"ピリオド"というのは、真新しく、これからが楽しみだ。
それから、『ファラモンド』にも参加していたジャルスキー... カウンターテナーというポジションから、堂々、フランス近代歌曲の数々を歌い上げた、『オピウム(阿片)』も、おもしろかった!タイトル通りの危うさいっぱい(?)なラインナップも素敵だったが、今度は、じっくり、アーンの歌曲集、なんてのも聴いてみたい欲求も... この超絶のカウンターテナーは、歌曲もイケる!のだが、次はどんなアルバムを聴かせてくれるのか?どうも、ル・セルクル・ドゥ・ラルモニと、ヨハン・クリスティアン・バッハのアリア集が予定されているようなのだけれど... 『オピウム』にも驚かされたが、本業とも言える18世紀を舞台に、ヨハン・クリスティアン・バッハをチョイスしてくるとは!やはり、この人は、タダモノではない。が、楽しみ!




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