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めでたし!メモリアル。恐るべし!メンデルスゾーン少年。 [2009]

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メンデルスゾーン、生誕200年のメモリアル...
そうした中、最も楽しみなプロジェクトが、トーマス・ファイ率いるハイデルベルク交響楽団による、メンデルスゾーンの交響曲、全曲録音のシリーズ。興味深いのは、習作、弦楽のための交響曲も完全網羅なあたり。そして、第1弾(hänssler/98.275)、第2弾(hänssler/98.281)に続く、第3弾、最新盤は、全て、弦楽のための交響曲(hänssler/98.536)。となると、インパクトに欠けるのか?と思いきや、これが、シリーズの柱となる5つの交響曲よりも、聴かせてしまう?さすがは、ファイ+ハイデルベルク響。驚かせて、たっぷりと楽しませてくれる!

さて、その"弦楽のための交響曲"だ。
1824年に完成する、フル・オーケストラで書かれた1番の交響曲、以前の、習作的な位置付けにあたる、全13曲。その名の通り、弦楽オーケストラで演奏する交響曲。このアルバムには、1番から4番までと、9番が収録されているのだが、驚くべきは、その作曲年代... 1番から4番までが、1821年(12歳)。9番が、1823年(14歳)。つまり、1番の交響曲の前年の作品(ということは、最初の交響曲を15歳で書いている!)だったり... 恐るべし、メンデルスゾーン少年!何より、そのクウォリティの高さに舌を巻き、聴き応えは十分!
バロックから古典派に至る、18世紀の音楽を教科書に、メンデルスゾーンの少年時代(ベートーヴェンが巨匠として君臨した最晩年... )のスタイルも、そこはかとなし響かせて、どこを切っても聴き劣りのすることのない「習作」。こうした作品の性格に、ファイ+ハイデルベルク響の演奏が、すばらしい相性を見せる。モダンとピリオドのハイブリット演奏による、ハイドンの交響曲のシリーズで培ったセンスが、18世紀に強くインスパイアされたメンデルスゾーン少年が創り出した音楽に、200%の輝きを与えるかのよう。そうして響く、5つの弦楽のための交響曲は、「習作」というレッテルをあっさり破り捨て、見事に交響曲として鳴り響く。
その演奏... ハイデルベルク響、弦楽セクションならではの、キレ味の鋭さ!そこから生まれる鮮烈なサウンド!1番の1楽章、その最初の音から、魅了されずにはいられない。そこに来て、ファイならではのテンション、アグレッシヴさが、作品の持つ初々しさ、若々しさとスパークして、スリリング!かと思えば、10代にして、見事に組み上げられた「交響曲」としての構造を、きっちりと見せつけて... その様子に驚かされ、感服されながら、クリアに展開されていく音楽を聴いていると、もうノらずにはいられない。ただただ、エキサイティング!2番、1楽章(track.3)の最後のドライヴ感なんて、もう... ファイによる魔法なのか、メンテルスゾーン少年による音楽の端々に、ウィットがこぼれ... そんなあたりが耳に入ってくると、ついニンマリしてしまったり。
一方、早くも、「まさにメンデルスゾーン!」なあたりが立ち現れる、9番(track.13-16)では、立派な演奏が繰り出され、メンデルスゾーン少年の成長を垣間見せもし。いや、すでに、"メンデルスゾーン・ワールド"は完成されている?なんても思えてしまう、堂に入った演奏で、聴き入ってしまう。
それにしても、おもしろい!それは、バロック-古典派の魅力の濃縮還元?メンデルスゾーンの"弦楽のための交響曲"というのは、少年のピュアな目(耳)で捉えた、18世紀音楽の集大成なのかもしれない。ファイ+ハイデルベルク響の、第1弾、第2弾でも、弦楽のための交響曲は聴いてきたはずだが、さらにさらにおもしろく感じてしまうのは、シリーズが熟してきている良い兆候?第4弾は、何が取り上げられるのだろう?と、今から楽しみで仕方ない。

F. Mendelssohn Bartholdy String Symphonies Nos. 1, 2, 3, 4 & 9

メンデルスゾーン : 弦楽のための交響曲 第1番 ハ長調
メンデルスゾーン : 弦楽のための交響曲 第2番 ニ長調
メンデルスゾーン : 弦楽のための交響曲 第3番 ホ短調
メンデルスゾーン : 弦楽のための交響曲 第4番 ハ短調
メンデルスゾーン : 弦楽のための交響曲 第9番 ハ長調

トーマス・ファイ/ハイデルベルク交響楽団

hänssler/98.536




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