2月、つぶやき...

さて、2月を振り返ってみる。
えー、2009年は、なんとなく、毎月、振り返ってみようかなと。で、毎月、特に印象に残るアルバムを、チョイスしてみようかなと。「上半期... 」だのと、溜め込んでしまうより、いいのかも？記憶が鮮明な内に、振り返っておけば、2009年、一年を振り返る時にいいのかも？と考えてみる。それと、書ききれなかったことなど、書き足しつつ、つぶやいてみる。
そんなこんなで、まず、2月に聴いたアルバム、9タイトル...

バロック、古典派と、ピリオド系... 一方で現代モノも... そしてロマン派、20世紀のヴァイオリン協奏曲と、意外に幅広く聴けたつもりでいる2月。何より、様々に楽しませてくれる9タイトル... 2009年のスタートは、予想外に充実したもので、嬉しくなってしまう。となると、どれも印象深いのだが、その中でも、特に印象に残るのは、フランク・ペーター・ツィンマーマンが弾く、シマノフスキのヴァイオリン協奏曲。

久々に、ツィンマーマンのヴァイオリンを聴いたけれど、その音楽性の深まりというのか、ただならなさに驚かされる。かと言って、下手な芸術性が管を巻くようなところ、まったく無く。精密機械のようにシマノフスキにアプローチしながら、シマノフスキならではの魅力(魔力に近いかも... )を、美しく薫らせて。さらに、録音の良さもあって、ツィンマーマンの美音は際立ち、透明感は高まり... いや、凄い。唸らされる。
そして、ツィンマーマンのヴァイオリンだけでなく、ヴィト+ワルシャワ国立フィルの演奏もすばらしく... そのシャープでクリアな、機能性を感じさせるサウンド(モダンがよく映える！)に、ちょっと驚かされる。どうしても、音楽大国、ドイツとロシアに挟まれて、影は薄め？かつ、東へ行けば行くほど大味？なんてイメージも、どこかにあったり、なポーランド。しかし、そうしたイメージを見事に裏切ってくれて、脱帽... いや、俄然、ポーランドに興味が！ミンコフスキを音楽監督に迎えたシンフォニア・ヴァルソヴィア、ピリオドの世界でますます存在感を増すアルテ・デイ・スオナトーリ... これからの、ポーランドから、目が離せなくなりそう？

ここからは、視点を先に向けてみまして、これからのリリースを、ちらりとチェックしてみる。
まずは、ヘレヴェッヘ+シャンゼリゼ管のブルックナー、第3弾、5番の交響曲(harmonia mundi／HMC 902011)。ここのところ、ブルックナーの交響曲は、何かと収穫多めで、ある意味、"クラシック"の激戦区... そうした中において、ピリオド・アプローチのブルックナーのツィクルスというのは、なかなかスリリング。何より、7番(harmonia mundi／HMC 901857)、4番(harmonia mundi／HMC 901921)と、確実に深まりを聴かせてくれるヘレヴェッヘだけに、期待は募ってます！日本への入荷は、5月の連休前くらい？
それから、パーヴォ・ヤルヴィ+シンシナティ響の新たな録音が、ショスタコーヴィチの10番の交響曲(TELARC／CD-80702)とのこと。モダンなレパートリーに強いパーヴォのことだから、すでにショスタコーヴィチはいくつか録音しているのだろう... なんて思っていたら、初めてらしく... 意外。そして、ショスタコーヴィチとともに、ヤルヴィ家の故郷、エストニアの作曲家、トルミス(b.1930)のオーケストラ作品も収録されるとのこと。トルミス=合唱のイメージが強いだけに、そのあたりも楽しみ。

さて、ヘレヴェッヘ関連で、harmonia mundiのサイトをフラフラしていたら、いつのまにやら日本語版のサイトができていて、ちょっと驚いてみる(50周年を祝うサイトのようだから、去年できたのか？)。が、いきなり、「音楽ひとすじ五十年」なんてトップページに書かれてしまうと、このレーベルのイメージが狂う... レーベルの淘汰が加速する中、50年という年月には、リスペクトせずにはいられないのだけれど、「音楽ひとすじ五十年」って、演歌？harmonia mundiは、それこそ演歌調の"クラシック"の世界にあって、一味違うセンスが際立ち、見事なのになぁ...
サイト関連でもう一つ、naïveのサイトが新しくなる。けど、このレーベル、しょっちゅう、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、「音楽ひとすじ五十年」までは望まなくとも、腰を落ちつけて、ひとつ。