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"クラシック"Esq. [miscellany]

華やかな、ラトル率いるベルリン・フィルも、モーツァルト・イヤーで熱狂気味のザルツブルク音楽祭も、日本人が大好きな、その主役たるウィーン・フィルも、そんなウィーン・フィルの母体、「世界の頂点」と謳われがちなウィーン国立歌劇場も、その音楽監督、世界のオザワも、先日の、ゴオジャスなMETの引越公演も、取り上げていない!
メインは、"ロシア・ピアニズム"と"古楽"という『エスクァイア』9月号。
ロシア・ピアニズムはともかく、古楽を中心軸のひとつに持ってきたあたり、なるべく、コテコテのクラシックを避けようという努力が見受けられ、『エスクァイア』的視点を興味深く思う。そうしたあたりに、実は、落胆しているクラシック・ファンも多いのかもしれない。が、個人的にはほっと一安心... ステレオ・タイプがクラシックを老化させ、衰弱させていく大きな要因であることは明らかだ。

で、この号には、おまけCDが付いている。前回も書いた通り、Alphaのサンプルだ。が、ステレオ・タイプなセンスでは、絶対に選ぶことのできないレーベルをフィーチャーしたことに、驚かされる。クラシック・ファンというイメージの括りよりも、よりフレキシブルな音楽ファンに向けられたサウンドともいえるAlphaのサウンド。ステレオ・タイプな視点に立てば、コアなファン向けのマイナー・レーベルと、敷居が高いなんて安易なレッテルも貼られてしまいかねないのだが、変に、「入門」という厳しい門構えを用いることなく、ダイレクトにクラシックの魅力を伝えようという『エスクァイア』のその勇気、ちょっと感心してしまう。そうした勇気に、クラシックの裾野を広げる!とがんばりつつも、空回っている現代のクラシックが、見習うべきものがあるように感じる。
掲載された写真ひとつとってもそうだ... 美しい音楽を奏でてはいても、意外と見た目は蓮っ葉だったりするクラシック。同時期に、某音楽雑誌も店頭に並び、恒例の来日演奏家速報なんてことをやっているから、久々に買ってみたものの、『エスクァイア』を見た後では、ため息が出る... もちろん、音楽は見た目ではないかもしれないが、わざわざカッコ悪いところを曝すことはないだろう... と常々感じる、その見た目(努力の跡は見受けられても、やっぱり空回っている... )。さらに言ってしまえば、見た目ばかりでない。どうも、近頃のクラシックの雑誌は、ルーティン・ワークに陥っているようなイメージがあって、最近は、立ち読みすらしてなかったりして(読んでいないのだから、安易に判断すべきではないだろうが... )。今こそ、シーンを牽引して、モードを生み出すくらいの気概を!いや、改めてクラシックへの愛を!とエールを送りつつ、話しを『エスクァイア』へ戻し...

解説とCDのジャケット写真が違うじゃん!みたいなことも散見されるが、やっぱり新鮮だった「発見、クラシック音楽。」。現代建築からクラシックを見つめてみたり、岸田繁?!がクラシックについて語っていたりして、おもしろかった(いや、もっと彼の話しを聞いてみたい!)。何より、クラシックとは、こういうもので、こうあるべきなのです、といった、ありがちな大上段に構えた姿勢ではない、ステレオ・タイプを脱して、様々な現代クラシックの事象を紹介し、読み手はそこから自身にフィットしたサウンドをチョイスできる余地があることが素敵だ。そして、こういう自身にフィットしたサウンドを探す... という感覚が、クラシックを救う、あるいは裾野を広げる、ひとつの道のように感じるのだが...

さて、『エスクァイア』が選んだ、「いま、聴きたい作曲家10人。」というのが気になった。バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、チャイコフスキー、プッチーニ、ドビュッシー、ラヴェル、ショスタコーヴィチ、武満... なかなか興味深いチョイス。王道を行くようで、でもないようで、この感じ、おもしろい。で、ふと思ったのが、もし自分が選ぶとしたら?ということ。いや、皆が選んだのならば、どんな具合だろう?十人十色な10人となるのだろうなぁ~




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