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2010年、秋... いつもより刺激的な秋? [overview]

尋常でなかった夏の暑さ... けど、その分、今年の紅葉は発色がいい?
なんて、ぼんやりと思う今年の秋。紅葉の名所に行かなくとも、意外といつもの風景の中で、綺麗に色付いた木々を目にしているような... で、そんな風景にいつもより「秋」を感じている?が、もういくつ寝るとお正月。な、12月は目前。なのに、未だ紅葉というあたりが、何とも感覚の狂うところ。落ち切らない枯葉越しに光るクリスマス・イルミネーション... というのが、21世紀の「秋」の姿となるのかも。
と、ズレ気味の季節感の中ではあるのだけれど、勝手に、秋はクラシック... とか、思っている。芸術の秋、シーズン開幕の秋、何より気温が落ち着いてきた秋には、しっとりと... いや、コッテリと?コテコテのクラシックなんかが聴きたくなってしまう。それは、寒くなれば、鍋!みたいな感覚に近いのか?ここのところまったく聴いていなかった名曲のアルバムを引っ張り出して、夜、人知れず堪能してしまう今日この頃。なのだが、手に取った新譜の方は、近現代とピリオドものを行き来する、何だか極端?なチョイスに...
という、2010年、秋の22タイトルを振り返る。

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改めて並べてみると、近現代とピリオドものという、振れ幅の大きいチョイスになったなと... で、相変わらずマニアックだなと... けど、1枚1枚、どれも愛おしく感じる22タイトル。コテコテなクラシックにたっぷり酔う... という、秋はクラシック... な欲求は、かなえられなかったけれど、充実感は大きかったなと。
そうした22タイトルで、まず印象に残るのが、ケルメスの"Coroli d'Amore"(SONY CLASSICAL/88697789202)、ボストリッジの"THREE BAROQUE TENORS"(EMI/6 26864 2)、ジャルスキーの"CALDARA IN VIENNA"(Virgin CLASSICS/6419272)。これまでとは違う視点で、バロックという時代を深く切り込んでゆく大胆さと、そうして知ることのできる発見と、何より、見事なパフォーマンス!そんなバロックのアリア集、3タイトルは、奇しくも同じ時期にリリースされて、まさに競演!それでいて、イタリアを歌うケルメスに、ウィーンのイタリア人を歌うジャルスキー、イタリアからウィーンへ、そしてロンドンへと渡った歌手たちをフィーチャーしたボストリッジと、つながるようなところもあって、3タイトルを並べて聴けば、バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディばかりでない、18世紀、バロック期の、より詳細なヨーロッパ音楽地図が浮かび上がり、とても興味深く。その、まさしく「ピリオド」と言うべきか、サウンドばかりに限らず、その時代、そのものに迫る凝った内容は、とても刺激的だった。そして、アリア集で、こうも聴かせてくれるかと驚かされつつ、ケルメス、ボストリッジ、ジャルスキーらの、気を吐く姿は、頼もしい限り!聴き尽くされたクラシックなど、存在しない!
ところで、久々に現代音楽を聴く... 久々だからか、余計におもしろく思えて、ついつい聴き入ってしまったのが、ペクのジャガー交響曲(harmonia mundi/HMC 905267)と、ロペス・ロペスの協奏曲集(KAIROS/0013022KAI)。正直に言ってしまえば、"ゲンダイオンガク"には、やっぱりどこかで苦手意識がある。バロックのアリア集とは、当然、異なる世界... そう易々とは馴染めない... だからこそ、いつもとは違う集中力を以って接しなくてはつながることのできない異なる世界。が、つながってしまうと、自身のイマジネーションは際限なく広がってゆくような、そんな感覚があって、ふと気が付くとヤミツキ。ペクのジャガー交響曲のミステリアスさ、ロペス・ロペスが織り成す音響に浸かって得られる独特の感覚... その非日常体験が、大いに刺激的で。また、その非日常に、我々の日常を映して... 現代音楽ならではの、奏でられる現代性に、いろいろ思いを巡らせる。単に音楽を聴く... だけでは済まない、刺激がたまらない。
さて、ジャンルを軽やかに越境するアルバムの充実ぶりも印象に残る、秋。まず、今や伝説、ガルバレクとヒリアード・アンサンブルによる異色のコラヴォレーション、"Officium"(ECM NEW SERIES/445 369-2)の続編となる、"Officium Novum"(ECM NEW SERIES/476 3855)。ジャズのサックスとア・カペラによる... という衝撃と、その化学変化的、美しさは、ノヴムでも健在!そこに、東方的(アルメニア所以の作品や、ビザンツ聖歌など... )な色合いが加わって、また一味違う透明感を見せ、秋のセンチメンタルにはぴったり。それから、クレーメルと、彼が率いるクレメラータ・バルティカによる"De Profundis"(NONESUCH/7559.79969)も、忘れ難く。タンゴから、映画音楽、クラシックから、コンテンポラリーまで、クレーメルによるノー・ボーダーなチョイスが絶妙過ぎて、聴き入るばかり。こういうセンスこそ、21世紀のクラシックに求められるもののように感じるのだけれど...
ということで、まだまだ話しは尽きず、2010年、秋の22タイトルを振り返る。つづく...

春の20タイトル - 夏の22タイトル - 秋の22タイトル - 冬の24タイトル




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