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ショッピング・モール。で、考える... [miscellany]

今に始まったことではないのだけれど、そういうニュースが出てくると、何とも息苦しい感じがする。
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【9月21日 日本経済新聞 Web刊】 タキシード姿の楽団員たちが奏でる優雅な音楽――。そんな華やかなイメージの陰で、地方のオーケストラが資金不足にあえいでいる。運営を支える"命綱"の補助金が国の事業仕分けや自治体の財政難で相次いで削減されているのが原因で、関係者は「このままでは地方楽団が消える」と危機感を強める。
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まず削るべきは、芸術予算... オーケストラなんてものは、仕分けする格好の材料...
という、世の中の世知辛さに、嗚呼、ニッポンの文化レベルは、なんて低いんだ!と、嘆くことは簡単だ。そして、今まで、当たり前のようにそうしてきたわけだが、ちょっと視点を変えたならば、どうだろう?例えば... あぁ、そっかー、クラシック・ファンって、社会のお荷物なのね。なんて、考えてみると、ちょっと凹む。って、自虐的過ぎる?かもしれないけれど... クラシックが好き!で、クラシックをもっともっと楽しみたい!ということは、様々な支援無しでは無理という現実、どう考えます?

芸術で採算を取る... なんてことは、まず無理。という前提からスタートしないと、オーケストラにしろ、何にしろ、芸術というものは、どうにも先に進まないと思うのだけれど、なかなかそういう感覚に成り得ないのがニッポン。一方で、芸術は、どれほど社会とコミットしようとしているのだろうか?なんて、前も書いたように思うのだけれど、最近、そんなことをよく考える。様々な支援を受けて成り立つ芸術... 支援を受けるだけの存在意義というのか、支援を受けて成り立つ芸術の、社会における役割というものを、今、改めて見つめ直す必要があるように感じてしまう。ざっと一般社会を見渡してみれば、芸術という存在は、あまりにも希薄だもの... そうした中で、記事にある通り、突然、オーケストラが、困っているので... と、ショッピング・モールに現れたなら、みんな、どんなリアクションを取るのだろう?オーケストラの困窮に、素直に共感できるのだろうか?
それにしても、希薄だよなぁ~ クリエイティヴィティそのものである芸術が、もう少し社会に存在感を示すことができたなら、ニッポンの空気感を変える刺激になりそうな気がするのだけれど。もちろん、芸術そのものが、何かを発明するなんてことはないけれど、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な... あらゆる場面で、どよーんと横たわる閉塞感に効く薬は、想像性/創造性であって、芸術こそ「風」に成り得るように感じるのだけれど。そういう点で、芸術をフルに利用しよう!という貪欲さが、社会にあっても良いような... そんな風に思うと、芸術と社会の結び付かなさ、その間に無用に立ちはだかる壁のようなものがもどかしい!

さて、ベルリンのシュターツ・オーパーが引っ越ししたとのこと...
いや、なんと粋な!予算を取り合う、宿命のライバルとも言える、引っ越しした旧東ベルリンのシュターツ・オーパーと、その仮住まいのご近所、旧西ベルリンのドイチェ・オーパーの関係も、さらりと織り込みつ、引越しすらイヴェントにしてしまうベルリンの余裕が凄い!ショッピング・モールでオーケストラが署名活動をしなくてはならないというニッポンとは、何が違うのだろう?ま、予算における雲泥の差。と、言ってしまえば、それまでなのだけれど、引っ越しすらイヴェントに成り得るほどの空気感が、ニッポンにもあったなら。そういう空気感をどうしたら創り出せるのだろうか?つくづく思う。

さて、話しをガラリと変えまして... メッゾ・ソプラノの大御所、バルトリが、ザルツブルクの聖霊降臨祭(ザルツブルク音楽祭、バロック部門とでも言おうか... )の芸術監督に就任と聞いて、驚く!いや、華々しいプリマとしての活躍だけでない、図書館へ足繁く通い、埋もれてしまった古いスコアを探すことに余念の無い、隠れ(でもないか?)マニアックなバルトリならば、最高の仕事をしてくれそう!で、また、そうした仕事の数々が、CDとなってリリースされたならうれしいのだけれど、DECCAのピリオド・ライン、L’OISEAU-LYREが再び休止状態となってしまって... ユニヴァーサルの体たらくぶりを見るにつけ、期待薄?バルトリも、録音での新たな活動場を模索してもいいように思ってしまうのだけれど。ヴィヴァルディ・エディションが好調なnaïveや、バロック・オペラの全曲盤で気を吐くVirgin CLASSICSあたりの華々しさを見るにつけ、何か、惜しい。




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