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2008年、上半期を振り返る。 [overview]

さて、さらりと2008年の上半期を振り返ってみたい...
のだけれど、なかなか「さらり」とはいかず、これも良かった、あれも良かったと、迷うところ。ということは、収穫多き上半期だった?のだろうか... そうでもないような... やはり、クラシックというジャンルは、かなり厳しいところに来ている。今に始まったことではないが、とにかく、リリースが減っている。となると、たくさんのCDから、印象に残るものをチョイスする。なんて贅沢は、なかなか難しい。となると、とりあえずリリースされたもの、それぞれの良いところを見出していく... というような聴き方になるのか。それはそれで寂しいのだけれど、おかげで価値観に幅ができつつもある?そんな2008年の上半期に聴いた50タイトルを並べてみる。

3952502.jpg5143652.jpgBISSACD1569.jpgCHSA5058.jpgAM125.jpg98281.jpgAVSA9856.jpg8557966.jpg8570300.jpg5021092.jpg
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古楽から、現代音楽、名曲から、マニアックなものまで、この全てを聴いたのかと思うと、軽い眩暈を覚える。いや、こんなにも聴いていた?で、また、それぞれにおもしろかったから凄い... クラシックというのは、尽きることがないのだなと、改めて感心してしまう。ということで、この50タイトルから、印象に残るものを挙げてみようと思うのだけれど... いや、驚かせてくれたアルバムを挙げてみようかなと... 反復の芸術たるクラシックにして、それでもまだ驚かせてくれる!それこそ、驚くべきアルバム...
まずは、気になるピアニスト、シュフが、シューベルトとラッヘンマンを弾いたアルバム(OEHMS CLASSICS/OC 593)。ロマン主義と現代音楽、その組合せも凄い!のだけれど、何よりピアノを弾く?のではなく、叩く!ラッヘンマンのグエロのインパクトがただならなかった。また、そういうインパクトを以ってして、シューベルトを奏でるセンスというか、大胆さに、21世紀のピアニスト像を強烈に印象付けられたシュフという存在からも目が離せなくなる。それから、最新のフルート協奏曲を集めたフルート界の王子、パユのアルバム(EMI/5 01226 2)も、凄い... とにかく「最新」!初演されたばかりの、まさしく生々しく現代なコンチェルトを聴けるというスピード感に舌を巻く。で、特殊奏法も含めて、けして一筋縄ではいかない難曲を、さらりと吹き切るパユのスーパー・パフォーマンス!"ゲンダイオンガク"の難解さも吹き飛ばしてしまう圧巻のテクニックにも驚かされる!
もちろん、現代音楽ばかりではない... クラシックの、その上品なイメージの最たる存在、ハープという楽器の見方が変わる、ウィーン・フィルのソロ・ハーピスト、メストレによるドビュッシーのアルバム(RCA RED SEAL/88697222492)のインパクトも凄かった。一音一音が力強く弾ける衝撃のサウンド!女子的やわらかさではない、男子的パワフルなハープは、ハープ男子、メストレの本懐といったところ?ステレオタイプを覆す驚くべき新鮮さ!さらに古楽から... 強烈な個性を放つ古楽アンサンブル、グランドラヴォワが、中世の愛を歌うアルバム、"Poissance d'amours"(GLOSSA/GCD P32103)のインパクトは、音楽を越えていた... 「歌う」というよりは「唸る」?その強烈な歌声にうろたえつつ、呑み込まれて、抜け出せなくなるマジカルなパワフルさ!ある意味、こういうのが本物の音楽なのかもしれない。そういう怪物的な歌声の真逆にある、ベルカント王子、テノールの新世代スター、フローレスのアルバム、"BEL CANTO SPECTACULAR"(DECCA/4780315)の驚くべき点は、ボーナス・トラック!何とドミンゴを招いて、ロッシーニをデュエット!新世代と伝説の競演に、聴く側のテンションは上がりまくる!で、フローレスの若さはち切れんばかりのクリアさに負けていないドミンゴの存在感!三大テノールの伝説というのは、やっぱり凄い...

「驚き」の後で、「発見」をキーワードに上半期を振り返ってみたい。
で、最初は、「発見」とは少し違うのだけれど、とうとう聴くことができた、フォウルズのワールド・レクイエム(CHANDOS/CHSA 5058)!静かに広がるフォウルズ・ルネサンスだが、そうした中で、必ず語られる、フォウルズの代表作、ワールド・レクイエム。が、これまで録音は無く、どんな曲なのだろう?という思いばかりが募っていた。そこに、ボツスタイン指揮、BBC響、同合唱団による世界初録音!そうして、初めて耳にする壮大なる音楽世界!今、クラシックが再発見しなくてはならない作品だと強く感じる。で、次に挙げるのは、まさに「発見」。ハイドンのオラトリオといえば、『天地創造』か『四季』に決まっている。と思いきや、もうひとつあった!オラトリオ『トビアの帰還』(NAXOS/8.570300)。で、これがまた思い掛けなくいい曲で、びっくり。いや、まったく知らなかったものだから、余計に感じてしまう?アンドレアス・シュペリング+カペラ・アウグスティーナ、ヴォーカル・アンサンブル・ケルンらによる演奏、歌もすばらしく、大いに魅了されてしまう。さて、最後に... 古楽ヴォーカル・アンサンブル、オルランド・コンソートによるチャレンジングなアルバム、"Scattered Rhymes"(harmonia mundi/HMU 807469)。マショーのノートルダム・ミサとともに取り上げられる、イギリスの現代音楽の新世代、ターレク・オリーガンの作品、アルバムのタイトルにもなっている「散乱する韻」が、カッコよすぎた!そして、オリーガンという存在を発見!難解ではない、そのジャスト現代なセンスに恋してしまう。

という上半期... 下半期はどうなるのだろう?




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