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オーストリア。 [2007]

さて、12月も、もう半分。となれば、焦ります。
いや、焦っているようで、どこかでぼぉーっともしているような。こう、何か、気が入らないような。そうして、怒涛の後半を迎えるわけですが、大丈夫なのでしょうか?と、他人事のように自身を見つめつつ。その妙なままならなさに、やっぱり焦る。まったく、何をやっているんだか。という状況を打破するために、ここでひとつ、大きく片づけてしまおう!2007年を聴き直す... そろそろ終わりが見えつつありまして、年内には始末付けようと...
まずは、マーティン・パールマン率いる、ボストン・バロックによる、モーツァルトも楽曲を提供したジングシュピール『慈悲深い托鉢僧』(TELARC/CD-80573)。ロナルド・ブラウティハムと、アレクセイ・リュビモフによる豪華共演、モーツァルトの2台、3台のピアノのための協奏曲集(BIS/BIS SACD 1618)。プソフォス四重奏団による、新ウィーン楽派の弦楽四重奏作品集(Zig-Zag Territoires/ZZT 070502)。デイヴィッド・ジンマン率いる、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団のマーラー・ツィクルスから、「復活」(RCA RED SEAL/82876871572)と、3番(RCA RED SEAL/88697129182)。という、5タイトルを一気に聴き直す。
何気に、オーストリアばかり。だったり。

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受難から、創造へ... [2007]

橋下市長が動き出して、橋下知事が就任した時みたいなニュースが、いろいろ出て参りました。例えば、大フィルの予算をカットするとか、大阪市立近代美術館の建設を白紙にするとか... で、大フィルへの市の予算が1億1000万円... って、そんだけかよ?!というのが正直なリアクション。カットするには拍子抜けしてしまう額。ヨーロッパのオーケストラに比べたら... はぁ?となる。で、市立近代美術館に関してちょっと調べたら、153億円分の所蔵作品?!ひぇーっ!それだけのコレクションを抱えながら、これまで展示する箱が無かった?それならば、国立国際あたりに、丸々、寄託しちゃえば?てか、大阪市美、あるやん...
何と言いますか、本当にクウォリティのあるものを、きちっとお金を掛けて、提供する。そういう一本筋の通った文化行政を切るとなったら、大騒ぎすべきだけれど、「芸術」という看板を掲げて、大したクウォリティを維持できていないものに、指針なく、パラパラ、パラパラ、予算を振り撒くようなことは、終わりにしないと。橋下さんの芸術への姿勢は、残念ながらこどもじみて、的外れだけれど、橋下さんが招く厳しい状況に、芸術界も、目を覚まさなくては。バブルが弾けて、受難の時代をサバイヴしてきたことはよくわかるけれど、いい加減、守勢から切り返さな... いや真の意味での創造を始めないと、芸術は消失してしまうように感じる。あいつは芸術をわかっていない... と、文句を言うのは簡単だけれど。その前に、まず、芸術界自身が変わらなくては... 現状維持ではなくて、本当に意義のある、どんな人にも説得力を持った姿に生まれ変わる。芸術とは、本来、そういうものだし。
なんて、書いたところで、どーかなるわけでもなく、どっちもどっちな状態を見せられていると、もどかしいばかりなので、ここは、18世紀、古典派の時代のフレッシュなサウンドを聴いて、リフレッシュ!2007年にリリースされた、ヴェルナー・エールハルト率いる、ラルテ・デル・モンドによる、パイジェッロのヨハネ受難曲(CAPRICCIO/60133)と、ウィリアム・クリスティ率いる、レザール・フロリサンによる、ハイドンのオラトリオ『天地創造』(Virgin CLASSICS/3 95235 2)を聴き直す。

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スメタナを聴く。 [2007]

ここのところ、すっかり中東欧づいてしまって...
お馴染みの国民楽派など、人懐っこいメロディに、活きのいいリズム、そのダイレクトな魅力は、堅苦しいクラシックにありながら一味違った温度感を感じてきたわけだが。その温度感を醸し出すものは何なのか?単なる民謡調というではなく、ワールド・ミュージック的な視点に立って中東欧の作品を掘り下げたならば、そこにはどんな地層が見えてくるだろう?ヨーロッパという括りでは納まり切らない、様々な民族が通過し、また留まり、多様な文化が蓄積して形作られた中東欧... ヨーロッパにして、より味わい深いヨーロッパを見出す不思議なエリアが、どうも気になって... チェコの国民楽派の代表、スメタナを改めて聴いてみる。
2007年にリリースされたスメタナのアルバム、ジャナンドレア・ノセダが率いたBBCフィルハーモニックによる管弦楽作品集第1集(CHANDOS/CHAN 10413)と、キャサリン・ストットが弾くピアノ作品集(CHANDOS/CHAN 10430)を聴き直す。

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ポーランドへ、チェコへ、ヴァイオリンに導かれて... [2007]

電車の窓から... その辺を少し歩いていて... 何気なく目に入ってくる色付く木々...
紅葉の名所まで行かなくとも、すぐそこに、深まりゆく秋がすでにある。そして、そんな風景の中にあると、妙に落ち着いた気分になって、しみじみしてきて。澄み切った空に冬を見つけ、夕方の空のやたら綺麗なグラデーションを目にしてしまうと、変に感傷におそわれたり。というのは、ちょっとオーバーか?けど、冬を前にする哀愁みたいなものは、間違いなく濃くなってきている晩秋の頃、なのである。今年も終わりが見えつつある。そんな秋の深まりに、中東欧の音楽、ヴァイオリンの音色... センチメンタルを加速させるようなアルバムを聴いてみようかなと。
2007年にリリースされた2つのアルバム、ベンジャミン・シュミット(ヴァイオリン)が弾く、ポーランドのヴァイオリン協奏曲集(OEHMS CLASSICS/OC 597)と、ボフスラフ・マトウシェク(ヴァイオリン)と、クリストファー・ホクヴッドの指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団という贅沢な組合せで繰り広げられたマルティヌーのヴァイオリンとオーケストラのための作品全集から、第1弾(hyperion/CDA 67671)を聴き直す。

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交響曲と古典派。 [2007]

交響曲はどこからやって来たのか?
って、唐突なのだけれど、結構、気になるテーマ。「交響曲の父」は、ハイドン... ということになっているけれど、18世紀を丁寧に紐解けば、ハイドンは交響曲の育ての親であって、生みの親とはちょっと違う。となれば、交響曲の本当の両親はどこに?そうしたあたりに迫ることができそうなアルバムを、いつも気にしながら追っている。が、少ない。しかし、少ないながらも、常に追っていると、蓄積されてくるものもあって... 改めて振り返れば、興味深いアルバムがいくつか... そうした中から、2007年にリリースされた3つのアルバム...
交響曲の誕生にかなり迫りつつその後も追う、ファビオ・ビオンディ率いる、エウローパ・ガランテの"IMPROVISATA"(Virgin CLASSICS/3 63430 2)。古典派の黎明の時代、交響曲の成長期を窺う、アアポ・ハッキネン率いる、ヘルシンキ・バロック・オーケストラの、リヒターの6つの交響曲(NAXOS/8.557818)。そして、古典派の盛期を迎えて... フライブルク・バロック管弦楽団による「バッハの息子たち」シリーズ、第4弾、ヨハン・クリスティアン・バッハ、"Concerti"(Carus/83.307)。バロックから古典派へ、そのうつろいの中、確立されてゆく「交響曲」を活写した3タイトルを聴き直す。

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知られざるスペイン... [2007]

フランスが続いたので、少し気分を変えて、スペインへ...
とはいえ、スペイン情緒で酔わせてくれる、定番のサラサーテや、アルベニス、ファリャ、ロドリーゴではなくて。18世紀、マドリッドの宮廷に仕える一方で、スペイン、伝統の歌芝居、サルスエラでも活躍したホセ・デ・ネブラ(1702-68)。19世紀初頭、彗星の如く出現した、スペインのモーツァルトとも呼ばれるホアン・クリソストモ・アリアーガ(1806-26)を聴く。のだけれど、ふと、思う。モラーレス、ビクトリアといった見事なポリフォニーを編んだスペイン出身のルネサンスの大家たちから、エキゾティックなサウンドで魅了する定番、スペインにおける国民楽派の面々の活躍まで、スペインの音楽はどうなっていたのだろうか?改めて音楽史を振り返ると、「スペイン」はやっぱり盲点なのかも。メイン・ストリームから外れるとはいえ、あまりに知らないことが多いなと、今さらながらに気付き。そんな盲点を、少しばかり意識的に聴き直してみる、ネブラにして、アリアーガ。
ということで、2007年にリリースされた、エドゥアルド・ロペス・バンソ率いる、スペインのピリオド・アンサンブル、アル・アイレ・エスパニョールの演奏で、マリア・バーヨ(ソプラノ)が歌う、ネブラのサルスエラ・アリア集(harmonia mundi FRANCE/HMI 987069)。パウル・ドンブレヒト率いる、ベルギーのピリオド・オーケストラ、イル・フォンダメントによる、アリアーガの管弦楽曲集(FUGA LIBERA/FUG 522)の、2タイトルを聴き直す。もちろん、これだけで、盲点が埋まるわけではないのだけれど。

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オルガン付き交響曲。 [2007]

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何となくだけれど、ベルギー、リエージュのオーケストラが気になる。
このオーケストラの演奏によるブルーノ・マントヴァーニの作品集を聴いたばかり... ということもあるのだけれど、ベルギーの地方オーケストラにしては、意外と気になるアルバムが多いように感じていたり。最近では"Royal"の称号も戴いて、その存在感は大きくなりつつある?日本においても、新日本フィルの音楽監督でお馴染みのクリスティアン・アルミンクが、今シーズンから音楽監督に就任したことで、何かと注目を浴びたわけだが(ま、アルミンクも、いい加減、ヨーロッパで、ある程度のポストに着かないと、その先への展望が広がらないわけで、やっと新日本フィルを巣立ってくれたか... という思いでいるのだけれど... )。オランダ、ドイツ、フランスに囲まれた、クラシックにおいては、若干、地味な国、ベルギー。そのさらに地方のオーケストラとなる、リエージュ王立フィルハーモニー管弦楽団。実は、侮れない... ということを強く感じさせられた、リエージュ・フィル、2007年のリリース。
2009年まで音楽監督を務めていたパスカル・ロフェの指揮で、ジョンゲンとサン・サーンス、オルガン付き交響曲集(cypres/CYP 7610)を聴き直す。

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現代音楽、今昔物語。 [2007]

下手なことは言えないけれど... 近頃、現代音楽は、ちょっと落ち着き出していない?
落ち着くことで、聴き易くなるようであり、落ち着いてしまって、物足りなくも感じるようであり... 良くも悪くも、実験の頃はすでに過ぎ、現代音楽は、「現代音楽」として、形が定まってしまったのか?難解!と、嫌煙していた「前衛」の頃の作品を、今、改めて振り返ってみると、そのラディカルな姿勢、新たな形を模索した頃の元気の良さ、危なっかしさ、みたいなものが、妙にまぶしく感じたり(しているのは、自分だけかもしれないけれど... )。ということで、20世紀後半、現代音楽を、それぞれに作り上げて来た巨匠たちの作品を聴いてみようかなと...
まずは、トロンボーンの第一人者、クリスティアン・リンドベルイによる、尖がってクールな現代のトロンボーン協奏曲集、"DEDICATED TO CHRISTIAN LINDBERG"(BIS/BIS-SACD-1638)。懐古から生まれるやわらかなサウンドで現代人を癒す、現代音楽界の異才、シルヴェストロフの作品集、"Bagatellen und Serenaden"(ECM NEW SERIES/476 6178)。近現代音楽のスペシャリスト、シュテッファン・シュライエルーマッハーによるミニマル・ミュージックの巨匠、グラスの鍵盤楽器のための作品集、"Dance & Sonata"(MDG/MDG 613 1428-2)。2007年にリリースされた3タイトルを聴き直す。

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旅する音楽。 [2007]

秋は観光シーズン!だけれど、旅行の予定などは、まったくありません。
ならば、音楽で旅をする?というより、旅する音楽を聴いてみる。のだけれど... そもそも、音楽を聴くという行為は、旅することに似ている。もちろん、音楽が、どこかに連れて行ってくれるなんてことはない。が、始まりから終わりへと流れてゆく音楽は、ある地点からある地点へと向かう旅の道程に重ねることができるのではないか。ドライヴに音楽は欠かせない... というのも、音楽と旅の共通性を、知らず知らずに感じているから?そして、クラシックともなれば、その曲の長さが、まさしく旅のようであって。となれば、クラシック・ファンは、いつだって旅しているのかもしれない。いや、古典を聴くという時点で、すでに時間を旅しているのか...
さて、2007年にリリースされた「旅」にまつわる2タイトルを聴き直す。サヴァールがコロンブスをフィーチャーし、中世からルネサンスへとうつろう時代の苦悩を描く気出す"Christophorus Columbus Paraísos Perdidos"(Aria Vox/AVSA 9850)と、日本の古楽アンサンブル、アントネッロが、戦国時代、日本からローマへと旅に出た日本人の少年たちの旅程を追う『天正遣欧使節の音楽』(Anthonello MOOD/AMOE-10004)。大西洋を渡り、喜望峰を越えて、旅する音楽で旅してみる。

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晴れの日に、歌う。 [2007]

体育の日... とはいうものの、体育からは程遠い一日を過ごしております。
さて、本日、10月10日を以って、新国立劇場は14周年を迎える。1997年、10月10日、文化の日ではなく、体育の日に柿落しというのも、妙な話しだけれど。そもそも、「体育の日」って、何?となる。で、調べれば、すぐに見つかる。1964年、東京オリンピックの開会式の日...
東京オリンピックというのは、日本に大きなインパクトをもたらした。が、東京オリンピックから随分と経って生まれた者には、10月10日は、正直、ピンと来ない。しかし、なぜ10月10日だったのかを知ると、興味深いものがある。晴れの特異日。だからこその、東京オリンピックの開会式の日... ならば、回りくどいことはせず、ずばり「晴れの日」というのも、いいかもしれない。「ハレの日」だからこそ、新国立劇場も柿落とし... ならば、何だか、腑に落ちてしまう。いや、断然、「晴れの日」がいい!運動不足に後ろめたい思いをせずに済むし。
ということはさておき、歌を聴く。オーストリアの異色のバンド、フラヌイによる、大胆にアレンジされたシューベルトのリートの世界、"Schubertlieder"(col legno/WWE 1CD 20301)。カウンターテナーのスター、フィリップ・ジャルスキーが、伝説のカストラート、カレスティーニをフィーチャーする"THE STORY OF A CASTRATO CARESTINI"(Virgin CLASSICS/3 95242 2)。ピリオドで活躍するソプラノ、サンドリーヌ・ピオーの、モダンなレパートリーを集めた"évocation"(naïve/V 5063)。2007年にリリースされた、歌のアルバム(フラヌイは歌メインではないけれど... )、3タイトルを、晴れの日に聴く。

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