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ハーディ・ガーディが描き出す、シェトヴィル版、『四季』。 [2019]

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18世紀、ヴィヴァルディのオペラは、ヨーロッパを席巻するには至らなかったものの、コンチェルトは、ヨーロッパ各地で大人気となった。なぜか?観光都市、ヴェネツィア(地中海の制海権を失い、海運業がままならなくなると、観光業に活路を見出したヴェネツィア共和国!)の音楽シーンを彩る、ヴィヴァルディが率いたレディース・オーケストラ、ピエタの"フィーリエ"のコンサート、そこで演奏されたヴィヴァルディのコンチェルトのおもしろさが、ヨーロッパ各地からやって来た観光客のみやげ話として拡散、その評判は、じわじわと高まって行く。そこに乗っかったのが、各国の楽譜出版業者たち... 著作権なんて概念があるんだか、ないんだかという時代、アムステルダムで、ロンドンで、パリで、公認、非公認、ヴィヴァルディの楽譜は次々に売り出され、ヴィヴァルディ・ブームがあちこちの都市で巻き起こる!当のヴェネツィアでは、ナポリ楽派に押され、居場所が無くなりつつあったヴィヴァルディだけれど、イタリアの外では、思い掛けなく、国際的な名声を確立してしまう。
というあたりを垣間見る、1739年にパリで出版されたシェドヴィル版、『四季』。ハーディ・ガーディ奏者、トビー・ミラー率いるアンサンブル・ダンギーの演奏で、ハーディ・ガーディが活躍する、『春、または愉快な季節』(RICERCAR/RIC 398)を聴く。

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