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中世、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、巡礼が運んだ音楽... [before 2005]

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今、改めて、ヨーロッパにおける中世を振り返ってみると、ちょっとただならない。いや、ただならないというより、「中世」という言葉ばかりが先行して、その中身について、実は、あまりよく知らない?"暗黒の中世"なんて言い方が、それを象徴しているのかも... 何たって、暗黒の一言で説明できるほど、中世は短くない。古代から中世へ、四世紀をも掛ける長い移行期間があって、9世紀、カロリング朝による西ヨーロッパの統一と、それによる政治的安定に裏打ちされたカロリング・ルネサンス(グレゴリオ聖歌が整備される!)が大きく花開いて... が、その矢先、分割相続により、西ヨーロッパには現在に至る国境線が出現。線が引かれたことで、こちら側とあちら側で相争うようになり、王統が断絶すると、王位を巡って、線の内側でも激しく争う事態に... 一方、北からはヴァイキングの侵入、東からはイスラム勢力の圧迫を受け、暗澹たる西ヨーロッパ。だったが、11世紀、農業革命により生産性が向上すると、地中海を渡って十字軍を繰り出せるほどの余力を生み、これが聖地巡礼のブームを巻き起こし、東西の交流が中世に新たな輝きをもたらした。当然、音楽も、そうした波に乗った!
ということで、巡礼たちが紡ぎ出した音楽に注目... マルセル・ペレス率いる、アンサンブル・オルガヌムの歌で、十二使徒、聖ヤコブの墓のある、聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラに伝えられるカリクスティヌス写本から、12世紀、聖ヤコブのための晩禱を再現するアルバム、"COMPOSTELA"(ambroisie/AMB 9966)を聴く。いや、巡礼たちの音楽がただならない...

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