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グレゴリオ聖歌に追いやられる朗らかさ、ベネヴェント聖歌... [before 2005]

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音楽史の始まりを、グレゴリオ聖歌とすると、めちゃくちゃ気持ち良くスタートが切れる。一方で、グレゴリオ聖歌以前以後の様子を丁寧に見つめると、一筋縄には行かない状況が浮かび上がって来る。当然、グレゴリオ聖歌以前に音楽が無かったわけではないし... というより、各地に、様々な個性を持った音楽が存在していたわけで、グレゴリオ聖歌を安易に"始まり"としてしまうことの方が、随分と乱暴な話しだったりする。何より、9世紀、カロリング朝によって整備されたグレゴリオ聖歌が、すぐさまヨーロッパの教会音楽をリセットできたわけでもなく、前々回、取り上げた、アンブロジオ聖歌モサラベ聖歌古ローマ聖歌など、古代の伝統を受け継ぐ聖歌は、グレゴリオ聖歌以後も歌われ続けていた史実。そのあたりに再び注目しつつ、やがて古代以来の伝統が、グレゴリオ聖歌をベースとした教会音楽に呑み込まれて行く、中世の成長の過程を追ってみようと思う。
ということで、カタリーナ・リヴリャニック率いる、古楽ヴォーカル・アンサンブル、ディアロゴスの歌で、グレゴリオ聖歌以後のイタリア半島、ベネヴェント聖歌を軸に、多文化な状況を捉える実に興味深い1枚、"LOMBARDS & BARBARES"(ARCANA/A 319)を聴く。

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