SSブログ

古典主義とロマン主義の狭間で、アイブラー、『四終』。 [2005]

7770242.jpg
「令和」、と聞いて、まず、びっくりして、呑み込むのに少し時間が掛かった。なぜかというと、「平成」からすると、凄く上品(令夫人とか、令嬢とか、そういうイメージ?)に感じられたから... でもって、出典が提示されて、「令和」の二文字の背景を知ると、今度は、びっくりするほど、リリカル... "初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす"ということは、月が清んだ光を放つ夜、恋人を待つ、恋人に逢いに行く... みたいなニュアンスを感じたりしなくない?何だか、頭の中で、カスタ・ディーヴァが流れて来そう... で、月、風、花の絶妙なバランスが生む空気感たるや!万葉の先輩たちの、この繊細さに近付きたい!しかし、情感に富む「令和」から、「平成」の二文字を見つめると、何だかヤッツケ感を感じてしまう。平らに成るか... いや、このフラットさ、もの凄く庶民的で、それに慣れ切ってしまったからこその、呑み込むのに少し時間が掛かった「令和」なのだろう。それにしても、2つの元号が並ぶ姿に、不思議な感じがする。「平成」への気安さと愛着と惜別と、「令和」の少し刺激的で、凛とさせる上品なブランニュー感、いろいろが綯い交ぜになって、今は何とも言えない心地... これからひと月、そんな心地の中をたゆたいつつ、ひとつの時代が終わることを噛み締めて行くのですね。今は、頭の中、『ばらの騎士』の最後の三重唱です。は、さておき、当blog、今月も、四旬節対応...
ということで、17世紀、18世紀と、いろいろな教会音楽を聴いて来て、ここから、19世紀へと踏み込みます。ヘルマン・マックス率いる、ライニッシェ・カントライのコーラス、ダス・クライネ・コンツェルトの演奏、エリーザベト・ショル(ソプラノ)、マルクス・シェーファー(テノール)、ペーター・コーイ(バス)のソロで、アイブラーのオラトリオ『四終』(cpo/777 024-2)を聴く。

続きを読む...


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。