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キーボーディスト、ドメニコ・スカルラッティから、ヴァイオリニスト、パパヴラミへ、 [2009]

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いきなりですが、トランスクリプションものが好き!というのは、クラシックでは、ちょっと異端か... けど、トランスクリプション、編曲されることで気付かされる、発見、いろいろあるように思う。例えば、前回、聴いた、アコーディオンによる『クープランの墓』とクープランとか... オリジナルから離れることで得られる、新たな視点!当然、失われるものもあるけれど、浮かび上がって来るものもあって、そうした響きに触れると、よりその音楽に、作曲家に、近付けたような感覚を覚える。という、トランスクリプション、改めて俯瞰してみると、いろいろパターンがあって、興味深い。録音技術が発明される以前、劇場やコンサート・ホールで聴いた音楽を、自宅でも手軽に演奏するためのもの。その当時、人気を集めたナンバーを、ヴィルトゥオーゾたちが、超絶技巧で以って奏でたもの。そうした、実用的なトランスクリプションの一方で、時代が下って来ると、創造的トランスクリプションが目立って来る。例えば、古典に臆することなく魔改造を繰り広げたベリオとか、時折、マイクで歌ったり、歌わずに語ったり、様々な手法を用い大胆にヴィジュアライズ(?)された、ツェンダー版の『冬の旅』とか... それぞれにそれぞれのベクトルを持つトランスクリプションであって、一概に「編曲」と括れない多様性があるところがおもしろい。
ということで、にわかにトランスクリプションに注目... でもって、アコーディオンに続いての、ヴァイオリンによるトランスクリプション。異彩を放つヴィルトゥオーゾ、テディ・パパヴラミによる、ドメニコ・スカルラッティの鍵盤楽器のためのソナタを、ヴァイオリン独奏でやってしまおうという"Sonata Transcriptions"(æon/AECD 0644)。いや、これが、ストイックに、凄い!

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