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カヴァリエーリ、魂と肉体の劇。 [2015]

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16世紀末、音楽史の節目、モノディーの発明と、バロックの幕開け、オペラ誕生の裏にあった作曲家たちの熾烈な競争... それは、フィレンツェの宮廷における廷臣たちの権力闘争とも連動して、刺激的なドラマが展開されるのだけれど、さらにさらに刺激的なのが、その宮廷の主、メディチ家の面々のスキャンダラスさ!いやもうカッチーニのクソっぷりなんて霞むほどのセックス&ヴァイオレンス(ちなみに、一枚、噛んでます、カッチーニも... )。その実態を知ると、フィレンツェにおける芸術の洗練が、まさに泥中の蓮だったことを思い知らされる。それでいて、主君に翻弄される花々でもあって... トスカーナ大公の交替が、フィレンツェの宮廷に仕える作曲家たちにも様々な波紋をもたらし、クソ野郎、カッチーニ(1551-1618)ですら、一度、都落ちを経験している。で、そのカッチーニをフィレンツェに居づらくさせた人物が、第3代、トスカーナ大公、フェルディナンド1世(在位 : 1587-1609)の友人で、新大公とともにローマからやって来たカヴァリエーリ(ca.1550-1602)。
ということで、カッチーニのもうひとりのライヴァル、カヴァリエーリに注目... ルネ・ヤーコプスの指揮、ベルリン古楽アカデミーの演奏、ベルリン国立歌劇場合唱団、コンチェルト・ヴォカーレのコーラス、マリー・クロード・シャピュイ(ソプラノ)、ヨハネス・ヴァイザー(バリトン)らの歌で、カヴァリエーリの音楽劇、『魂と肉体の劇』(harmonia mundi/HMC 902200)を聴く。

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