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明けました、2019年。 [overview]

話しは昨年末に戻るのだけれど、紅白が凄かった!"平成最後"に賭ける気合の入り様に、惹き込まれ、圧倒され... って、当初は見るつもり無かったのだけれど、ちらりと見てしまったら、後はもう... でもって、そんな紅白を目の当たりにし、今さらながらに平成が終わることを噛み締める。いや、初めて実感が持てたような気すらして来る。そして、何とも言えぬ寂しさが纏わり付いて... ひとつの時代が終わるって、こういう感覚なんだなと、感慨を覚えずにいられない年越しとなった。ところからの、新年!晴れ渡る空、遠くに富士山も望めて、ほのかに暖かでもあって、何か、めでたい空気感に包まれる、元日。昨年末には、彩雲があちこちで見られたらしいけれど、2019年は、何か良い一年に成りそうな予感!これまでが、これまでだっただけに、本当に良い年になって欲しい!でもって、占星術の観点から見ると、木星が射手座に入って、イケイケの年になるんだって... 受け売りでスミマセン... 何より、春の改元があって、心機一転の2019年、今年はポジティヴに生きたい!
と、思いも新たに、クラシックです。さて、2019年は、どんな年になるのだろう?ということで、例年通り、今年のクラシックの顔となる作曲家たち、つまりメモリアルを迎える作曲家たちを、ざっと見渡してみる。が、昨年に比べると、ちょっぴり、少な目?地味目?いやいやいや、興味深い面々がメモリアルを迎え、そのあたりに注目すると、2019年もまた刺激的な一年となりそう!

昨年が、メモリアルを迎える作曲家たちに追われるような感覚があったから、余計に感じてしまうのか、少な目?地味目?な、2019年のメモリアル... しかし、丁寧に見つめて行くと、なかなか興味深い。例えば、モーツァルトの父、レオポルト(1719-87)の生誕300年とか、シューマンの妻、クララ(1819-96)の生誕200年とか... 大作曲家である息子や夫の影に隠れがちではあるものの、作曲家として、きちんと作品を残している両者であって、改めてそのあたりに注目が集まると、おもしろそう。また、誰もが知る作曲家を支えた人物にスポットが当たることで、モーツァルト像シューマン像に、さらなる深まりが生まれたら、おもしろいんじゃないかなと... 実は、かなり期待している、レオポルトとクララのメモリアル!クララに関しては、シューマンに先立たれてから、40年もの長い人生を歩んでおり、その間、傍に在ったのが、ブラームスであって、クララの人生を辿れば、ブラームス像にも迫ることができる興味深さ... シューマン―クララ―ブラームス、この不思議なトリオにも注目したい2019年。いや、この3人のドラマは、どこか叙事詩的で、惹き込まれるものがあるのだよね...

そして、2019年、最も注目したいメモリアルを迎える作曲家が、クララと同い年の2人、オッフェンバックとスッペ!いやー、19世紀切っての賑やかしの2人、"シャンゼリゼのモーツァルト"に、"ウィンナー・オペレッタの父"の生誕200年を、同時に祝えるとは!って、同い年なのだから、当たり前なのだけれど... 木星が射手座に入ってのイケイケの2019年を象徴(占星術もまんざらじゃない?)するようで、ワクワクさせられる。何より、パリとウィーンという、19世紀、東西の音楽の都を沸かした喜(軽)歌劇の、その両方を見つめれば、より立体的にひとつの時代を捉える事ができる気もするのだよね... どうしても、19世紀のオペラとなれば、ワーグナー(1813-83)、ヴェルディ(1813-1901)に目が行きがちなのだけれど、より時代の空気感を伝えてくれる、オペラ・ブッフであり、オペレッタであって、改めてこのジャンルに注目する意義は大きいように思う。
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さて、前回、スッペを聴いて気付かされたのが、その音楽の充実っぷり!いや、これまで、あまりに軽く見ていたのかもしれない。これは、オッフェンバックにも言えることで、単なる賑やかしではない2人の音楽に、改めてきちんと向き合わなくてはいけない気がする2019年。でないと、この2人の本当のおもしろさを聴き逃してしまう!ということで、ヴァイルの指揮、カペラ・コロニエンシスの演奏による、ピリオドでのスッペの『美しきガラテア』の全曲盤をここに挙げてみる。ウィンナー・オペレッタというと、ヨハン・シュトラウス2世のイメージが強いけれど、その活躍に先鞭を付けたスッペのオペレッタもまた魅力的... 序曲ばかりでなく、その本編も、いろいろ聴いてみたい2019年。このタイトルのように、ピリオドによる新録音なんか登場したら、最高だなと...
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ウィーン古典派の全盛期を知るゼルフリート、ブルックナーの先生として知られるゼヒターに師事したスッペの音楽が、意外と骨太なのに対して、オッフェンバック(も、一応、コンセルヴァトワールで1年間ほど学んでいるのだけれどね... )の音楽は見事に軽い!で、この軽さが、オッフェンバックの音楽の難しさのように思う。単に軽いのではない、ヴァイルのチープさを先取りするような、鋭いセンスを求められる、その感覚... で、それを鮮やかに息衝かせてみせたミンコフスキ!例えば、『ジェロルスタン女大公』、キレッキレの風刺性を、チャキチャキの音楽で彩って、当時の空気感を見事に蘇らせる!ゼロ年代、オッフェンバックのおもしろさを掘り起こしたミンコフスキだけに、2019年、新たなオッフェンバックの録音を期待したい!

さて、2019年、メモリアルを迎える作曲家で、最大のビッグ・ネームが、没後150年のベルリオーズ!今さら説明するまでもない存在ではあるけれど、このお馴染みの作曲家の創作の在り様を改めて見つめれば、実に規格外であって、個性の時代とされるロマン主義の時代に在っても、その個性、さらにさらに突き抜けている!この鬼才っぷりに、今一度、注目できたならと思う。それから、当blog的に、密かに注目したい、もうひとりの鬼才... 生誕400年を迎える女流作曲家、バルバラ・ストロッツィ(1619-77)!初期バロックの激情を見事に咀嚼し、前期バロックの時代にエモーショナルな音楽を響かせたバルバラ。彼女を描いたダイナマイトな肖像のインパクトもさることながら、作品もまたインパクトのあるもので、同時代の男性の作曲家たちにまったく引けを取らない頼もしさが、実に興味深い!そのあたり、追々取り上げられたならと考えております。
それから、没後350年を迎えるベルターリ(1605-69)に、チェスティ(1623-69)。バロック期、イタリアに生まれ、ともにハプスブルク家に仕えた作曲家は、イタリアのバロックを、アルプスの北側に伝えた重要人物。音楽史における南北交流を開いた作曲家のメモリアルにも注目したいところ。そして、時代を下り、19世紀、フランスとドイツが争ったアルザス=ロレーヌのロレーヌに生まれ、2つの文化の狭間で苦悩しつつ、独自の音楽を紡ぎ出したグヴィ(1819-98)が生誕200年を迎えるのも気になるところ... さらに、ドイツ・ロマン主義、最後の作曲家、プフィッツナー(1869-1949)が、異色のアルメニアの作曲家、コミタス(1869-1935)が、生誕150年を迎える。さらに、ヴェリズモ・オペラの旗手、レオンカヴァッロ(1857-1919)が、没後100年を迎えて... このあたり、渋く迫ってみたいところ。いや、こういう面々こそ、おもしろい気がする。
ということで、2019年、音のタイル張り舗道。スタートです。もちろん、メモリアルの作曲家ばかりでなく、様々な視点から音楽を見つめ、楽しんで行けたらと思っております。で、ここのところ、古楽をあまり聴けていない(って、ちょっと振り返ってみたら、昨年、5タイトルしか聴いてない!)ので、ガッツリ聴いてみたい!これをひとつ、今年の目標にしてみようかなと...




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