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明けました、2018年。 [miscellany]

明けました。おめでとうございます。
本年も、どうぞ、よろしくお願いします。ということで、お正月、如何過ごされておりますか?こちらは、完膚なきまでにお正月休み状態... ただひたすらに気が緩んでしまって、どう再起動したらいいのか、完全に迷子になっております。それでも、最寄りの神社に初詣に行き、遠くに富士山のシルエットを見つけて、ハッピー!そして、良い年になったらいいなァ。と、シンプルに思う。いや、昨年が昨年だっただけに、日本も、世界も、本当に良い年になって欲しいと願うばかり... 一方、クラシックにとっての2018年は、どんな年なのか?ロッシーニ(1792-1868)の没後150年のメモリアルにして、ドビュッシー(1862-1918)の没後100年のメモリアルであり、バーンスタイン(1918-90)の生誕100年のメモリアル!ベルカント・オペラの大家に、印象主義の大看板、交響曲もミュージカルも手掛けたマルチなマエストロと、個性的なビッグ・ネームのメモリアルが並び、なかなか花やかな一年になりそう。しかし、そればかりではない、2017年!
ということで、今年、メモリアルを迎える作曲家を、ざっと見渡しつつ、多少、マニアックな視点から、当blog的に注目したい作曲家を取り上げてみようかなと... てか、2017年、なかなか興味深い面々が揃っておりまして、かなり、おもしろくなりそう...

2017年にメモリアルを迎える作曲家... まず、オペラ誕生に深く携わった、音楽史には欠かせない人物、カッチーニ(1551-1618)が、没後400年。フランス・バロックの大家、フランソワ・クープラン(1668-1733)が、生誕350年。ヘンデルのライヴァル、ナポリ楽派の巨匠、ポルポラ(1686-1768)に、バロック・サルスエラ、最後を彩ったスペインの作曲家、ネブラ(1702-68)、バロック期、ヨーロッパ各地で活躍したヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、ヴェラチーニ(1690-1768)が、没後250年。もうひとつの『ドン・ジョヴァンニ』を作曲した、ガッツァニーガ(1743-1818)、モーツァルトのライヴァルのひとり、コジェルフ(1747-1818)が、没後200年。そして、19世紀、フランスを代表する作曲家のひとり、グノー(1818-93)が、生誕200年。ラグタイムを生んだ作曲家、ジョプリン(1868-1917)が、生誕150年。ロシア5人組のひとり、キュイ(1835-1918)、イタリア・オペラの台本作家として、また『メフィストフェーレス』の作曲家として知られるボーイト(1842-1918)、名教師、ナディア・ブーランジェの妹で、夭折の天才、リリ・ブーランジェ(1893-1918)が、没後100年。ア・カペラの合唱曲で知られる20世紀、イタリアの作曲家、ピツェッティ(1880-1968)、その教え子で、イタリアからアメリカへと渡った、カステルヌウォーヴォ・テデスコ(1895-1968)が、没後50年と、なかなかヴァラエティに富んでいる2017年... ロッシーニ、ドビュッシー、バーンスタインばかりじゃない!で、当blog的に注目したいのが...

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没後400年、カッチーニ(1551-1618)!ルネサンス末、当時の前衛、モノディの実験基地、フィレンツェで活躍した巨匠の存在は、クラシックからすると、影が薄いのだけれど、音楽史から見つめれば、我々の音楽へとつながるモノディを生み出したひとりであって、それはモンテヴェルディに先行し、まさに新たな時代、バロックを切り拓いたと言える。一方で、天才たちが犇めくフィレンツェの宮廷に在って、熾烈な競争をより苛烈なものとした、お騒がせキャラとしても興味深く、オペラ誕生に至る作曲家たちの悲喜交々は、ドラマとして、おもしろい。一方で、カッチーニの音楽は、実に風雅!モンテヴェルディのモノディとはまた一味違う、フィレンツェ流が素敵... そうしたあたり、このメモリアルを切っ掛けに、より広く注目されるといいなァ。
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没後250年、ポルポラ(1686-1768)!バッハ、ヘンデルのひとつ年下となる、ナポリ楽派の巨匠は、ロンドンのヘンデルを窮地に追いやったライヴァルとして、その名が登場するのだけれど、いやいやいや... その、ナポリ楽派ならではの流麗な音楽は、すでにバロックを脱するようで、ヘンデルの一歩先を行き、モーツァルトが遠くに見えてさえいる。そんな魅惑的な音楽を知ってしまうと、バッハは当然のことながら、ヘンデルですら時代遅れに感じてしまう?そして、ポルポラに欠かせない要素が、教育者としての足跡... スター・カストラート、ファリネッリを育てたことが、特に知られているのだけれど、自らのオペラのために、一級の歌手を育てるという、トータルな戦略!ナポリ楽派が如何にして席巻したか、ポルポラのメモリアルを機に、詳らかとなるか?
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没後200年、コジェルフ(1747-1818)!18世紀、ヨーロッパの音楽シーンを席巻したのがナポリ楽派。けれど、その裏で、チェコ出身の音楽家たちもまた席巻していた... というひとり、コジェルフは、モーツァルトより9つ年上で、モーツァルトの時代、ウィーンで活躍した人物。となると、モーツァルトのライヴァルになるのだけれど、今となっては、完全にモーツァルトの影に隠れてしまっている。が、その交響曲を改めて聴いてみれば、ハイドン、モーツァルトよりも明らかに先を行く音楽を響かせていて、19世紀の交響曲を先取りし、刺激的。いや、あまりにハイドン、モーツァルトで語られ過ぎているウィーン古典派... メモリアルを機に、コジェルフにもスポットが当たると、ウィーン古典派はより多彩な輝きを放つのかもしれない。

という3人の他にも気になる作曲家たち... 生誕200年を迎える、グノー(1818-93)。改めて書くまでもなく、19世紀、フランスを代表する作曲家のひとりなのだけれど、考えてみると、その全体像は、解り難い?『ファウスト』と『ロメオとジュリエット』、この2つのオペラ以外、あまりよく知らない... ということで、このメモリアルを機に、注目してみたい存在。そして、もうひとり、フランスの作曲家、没後100年を迎える、リリ・ブーランジェ(1893-1918)。女性で初めてローマ賞を受賞した逸材ながら、24歳という若さで世を去ったリリ... なんて書くと、儚げな音楽を想像してしまうのだけれど、いやいや、プレ・モダンの時代を反映して骨太なサウンドを響かせたリリ!夭折なだけに、作品こそ多くないものの、このメモリアルを機に、いろいろ聴けたらなと願ってしまう。
それから、作品という点からも見つめると、またおもしろい2017年が浮かび上がる。まず、ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタジンガー』が、1868年、ミュンヒェンの王立宮廷国立劇場(現在のバイエルン・シュターツオーパー)での初演から150年。そうか、明治維新の頃、ワーグナーは活躍していたんだなと、興味深く、感慨深い。そして、没後100年を迎えたボーイトの代表作、『メフィストフェーレ』もまた、ミラノ、スカラ座での初演から150年。メモリアルが重なって、新録音とか期待しちゃうのだけれど、難しいか?
さて、時代を遡りまして、1718年、ヘンデルがシャンドス公爵の屋敷、キャノンズで『エイシスとガラテア』を初演してから300年。時代を下りまして、1918年、第1次大戦、終結の年に初演されたホルストの『惑星』(非公式の初演... )、バルトークの『青髭公の城』(完成されたのは、戦前... )が、100年を迎える。いや、『惑星』と『青髭公の城』が同じ年に初演されていたのは、ちょっと意外な感じがして、おもしろいなと... といった感じの2017年であります。どんな一年になるのだろう?いや、クラシックが盛り上がってくれたらいいなと願いまして、今年も、音のタイル張り舗道。スタートです。




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