明けました、2015年。 [selection]
明けました。おめでとうございます。
本年も、どうぞ、よろしくお願いします。ということで、1月1日の更新。何を書こう?もうね、頭の中が、知らず知らずの内に正月休みモードに切り替わってしまって、昨年末から思考停止中... 正月は本を読むぞ!と意気込んで、図書館からいくつか本を借りて来たのだけれど、全然、ページが進まないから情けない。いや、ここでひとつシャキっとせねば!シャキっとする音楽を聴いて、仕切り直す。ということで、聴き初めは、今年がメモリアル、シベリウスの5番の交響曲。清々しい上に鮮烈という、北欧ならではの鋭さで、シャキっと再起動!
再起動しての初更新... その2015年のメモリアルを巡ってみることに... さて、どんな作曲家たちがメモリアルを迎えるのか?ざっと見渡せば、派手なビッグ・ネームこそいないものの、2015年、実は、なかなかおもしろい!古今東西、ヴァラエティに富んでいて... そんな、メモリアルを迎える作曲家のアルバムをセレクション。ここから新しい年をスタートしてみたいと思います。
2015年のクラシックは、北欧がおもしろい?
デンマークのニールセン(1865-1931)と、フィンランドのシベリウス(1865-1957)が、揃って生誕150年を迎える。ということは、同い年だったんだ... と、今さらながら興味深くも感じるのだけれど、この2人を並べてフィーチャーすると、クラシックにおける「北欧」の存在は際立ち、音楽史を周縁から捉える新鮮さを見出すかもしれない。また「北欧」と一括りにはできない個性も浮かび上がり、どこか仄暗いデンマーク、雄大な自然を感じさせるフィンランドと、並べればこそ、それぞれに個性は際立ち、どちらも魅力的!
そんな「北欧」を圧倒的に感じる音楽、始めにも取り上げたシベリウスの5番の交響曲... シベリウスというと、それこそ北欧の国民楽派の代表として「フィンランディア」などが有名だけれど、5番の交響曲は、ナショナリスティックな傾向がいい具合に落ち、より「北欧」の純度が増しているように感じられ、清冽にして鮮烈!そして、当blogでは、レヴァインの指揮、ベルリン・フィルの演奏(Deutsche Grammophon/445 865-2)を取り上げたのだけれど... レヴァインならではのポップなセンス、ベルリン・フィルならではのスーパー・オーケストラっぷりが、最高のケミストリーを生み、衝撃的にすら感じられる音楽に至り... 聴き終えた後のシャキっ!が、たまらない。
さて、視線を北欧から西へ、東へと移すとまた興味深い存在が視野に入って来る。同じく生誕150年を迎えるフランスのデュカス(1865-1935)と、ロシアのグラズノフ(1865-1936)。旧時代(19世紀)に教育を受け、新時代(20世紀)を生きたものどかしさ、というのか、それぞれの作曲家の20世紀、近代音楽と向き合い方がとても興味深い。そうした中で、旧時代に留まったグラズノフ。その音楽は後ろ向きでありながらも、あっけらかんと旧時代を貫いて、だからこそのキャッチーさがあり、魅惑的な音楽を展開する。そんなグラズノフの5番の交響曲、ヴェラーが率いたベルギー国立管の演奏(FUGA LIBERA/FUG 521)は、ポップ!
そして、グラズノフと同時代を生きたスクリャービン(1872-1915)は、没後100年を迎える。で、この2人を並べるのもおもしろい。1860年代生まれのグラズノフのマイペースに対して、1870年代生まれのスクリャービンは、鋭敏な感性を以って新時代を捉えようとしていたわけで... この世代間のギャップが実に興味深い。一方で、スクリャービンは明確なモダニズムを希求していたわけではなく... ロマン主義と近代主義の狭間の世代の独特さが、また魅力。そんなグラーデションを瑞々しく捉えたベニシューが弾くスクリャービンのピアノ作品集(SISYPHE/SISYPHE 015)は、スウィート、ミステリアス... スクリャービンの狭間感を濃縮して魅惑的に響かせる。
このあたりで、時代を遡りまして...
ウィーンの古典主義を切り拓いた作曲家、ヴァーゲンザイル(1715-77)が、生誕300年を迎える。と言っても、誰それ?って、感じ?いや、その当時は大変に活躍した作曲家でして... 何より、ハイドン以前のウィーン古典派を知る貴重な存在。そんなヴァーゲンザイルの協奏曲集、エコー・デュ・ダニューヴのアルバム(ACCENT/ACC 24186)は、バロック期の合奏協奏曲を思わせる、多彩な楽器が織り成す花やかさが魅力的!で、枠組みこそバロックの名残りを残しながらも、通奏低音が小気味良く刻むリズムはまさに前古典派!そこに、やがてモーツァルトに至るだろう、ふんわりとした表情が印象的!そこにはすでにウィーンの香りが漂っている。
えー、さらに時代を遡りまして、初期バロック。ローマで活躍したマッツォッキ(1592-1665)、北イタリアで活躍したメールラ(1594-1665)が、没後350年を迎える。初期バロックというと、何とも古雅... だけれど、間違いなく彼らも革新的であった!ルネサンス・ポリフォニーからどう脱するか?彼らの試行錯誤が、このメモリアルでよりクローズアップされたなら、音楽史はより刺激的なものになるはず... で、そんなアルバム?大胆にも、メールラとグラスを並べてしまったラウテン・カンパニーによる"TIMELESS"(deutsche harmonia mundi/88697526982)。初期バロックにミニマルなセンスを見出してしまうから、おもしろい!
さあ、2015年、始まりました。クラシックにとって、どんな年になるのやら... 当blogはどうなって行くのやら... ま、一歩一歩、歩むのみ。かなと。
本年も、どうぞ、よろしくお願いします。ということで、1月1日の更新。何を書こう?もうね、頭の中が、知らず知らずの内に正月休みモードに切り替わってしまって、昨年末から思考停止中... 正月は本を読むぞ!と意気込んで、図書館からいくつか本を借りて来たのだけれど、全然、ページが進まないから情けない。いや、ここでひとつシャキっとせねば!シャキっとする音楽を聴いて、仕切り直す。ということで、聴き初めは、今年がメモリアル、シベリウスの5番の交響曲。清々しい上に鮮烈という、北欧ならではの鋭さで、シャキっと再起動!
再起動しての初更新... その2015年のメモリアルを巡ってみることに... さて、どんな作曲家たちがメモリアルを迎えるのか?ざっと見渡せば、派手なビッグ・ネームこそいないものの、2015年、実は、なかなかおもしろい!古今東西、ヴァラエティに富んでいて... そんな、メモリアルを迎える作曲家のアルバムをセレクション。ここから新しい年をスタートしてみたいと思います。
2015年のクラシックは、北欧がおもしろい?
デンマークのニールセン(1865-1931)と、フィンランドのシベリウス(1865-1957)が、揃って生誕150年を迎える。ということは、同い年だったんだ... と、今さらながら興味深くも感じるのだけれど、この2人を並べてフィーチャーすると、クラシックにおける「北欧」の存在は際立ち、音楽史を周縁から捉える新鮮さを見出すかもしれない。また「北欧」と一括りにはできない個性も浮かび上がり、どこか仄暗いデンマーク、雄大な自然を感じさせるフィンランドと、並べればこそ、それぞれに個性は際立ち、どちらも魅力的!
そんな「北欧」を圧倒的に感じる音楽、始めにも取り上げたシベリウスの5番の交響曲... シベリウスというと、それこそ北欧の国民楽派の代表として「フィンランディア」などが有名だけれど、5番の交響曲は、ナショナリスティックな傾向がいい具合に落ち、より「北欧」の純度が増しているように感じられ、清冽にして鮮烈!そして、当blogでは、レヴァインの指揮、ベルリン・フィルの演奏(Deutsche Grammophon/445 865-2)を取り上げたのだけれど... レヴァインならではのポップなセンス、ベルリン・フィルならではのスーパー・オーケストラっぷりが、最高のケミストリーを生み、衝撃的にすら感じられる音楽に至り... 聴き終えた後のシャキっ!が、たまらない。
さて、視線を北欧から西へ、東へと移すとまた興味深い存在が視野に入って来る。同じく生誕150年を迎えるフランスのデュカス(1865-1935)と、ロシアのグラズノフ(1865-1936)。旧時代(19世紀)に教育を受け、新時代(20世紀)を生きたものどかしさ、というのか、それぞれの作曲家の20世紀、近代音楽と向き合い方がとても興味深い。そうした中で、旧時代に留まったグラズノフ。その音楽は後ろ向きでありながらも、あっけらかんと旧時代を貫いて、だからこそのキャッチーさがあり、魅惑的な音楽を展開する。そんなグラズノフの5番の交響曲、ヴェラーが率いたベルギー国立管の演奏(FUGA LIBERA/FUG 521)は、ポップ!
そして、グラズノフと同時代を生きたスクリャービン(1872-1915)は、没後100年を迎える。で、この2人を並べるのもおもしろい。1860年代生まれのグラズノフのマイペースに対して、1870年代生まれのスクリャービンは、鋭敏な感性を以って新時代を捉えようとしていたわけで... この世代間のギャップが実に興味深い。一方で、スクリャービンは明確なモダニズムを希求していたわけではなく... ロマン主義と近代主義の狭間の世代の独特さが、また魅力。そんなグラーデションを瑞々しく捉えたベニシューが弾くスクリャービンのピアノ作品集(SISYPHE/SISYPHE 015)は、スウィート、ミステリアス... スクリャービンの狭間感を濃縮して魅惑的に響かせる。
このあたりで、時代を遡りまして...
ウィーンの古典主義を切り拓いた作曲家、ヴァーゲンザイル(1715-77)が、生誕300年を迎える。と言っても、誰それ?って、感じ?いや、その当時は大変に活躍した作曲家でして... 何より、ハイドン以前のウィーン古典派を知る貴重な存在。そんなヴァーゲンザイルの協奏曲集、エコー・デュ・ダニューヴのアルバム(ACCENT/ACC 24186)は、バロック期の合奏協奏曲を思わせる、多彩な楽器が織り成す花やかさが魅力的!で、枠組みこそバロックの名残りを残しながらも、通奏低音が小気味良く刻むリズムはまさに前古典派!そこに、やがてモーツァルトに至るだろう、ふんわりとした表情が印象的!そこにはすでにウィーンの香りが漂っている。
えー、さらに時代を遡りまして、初期バロック。ローマで活躍したマッツォッキ(1592-1665)、北イタリアで活躍したメールラ(1594-1665)が、没後350年を迎える。初期バロックというと、何とも古雅... だけれど、間違いなく彼らも革新的であった!ルネサンス・ポリフォニーからどう脱するか?彼らの試行錯誤が、このメモリアルでよりクローズアップされたなら、音楽史はより刺激的なものになるはず... で、そんなアルバム?大胆にも、メールラとグラスを並べてしまったラウテン・カンパニーによる"TIMELESS"(deutsche harmonia mundi/88697526982)。初期バロックにミニマルなセンスを見出してしまうから、おもしろい!
さあ、2015年、始まりました。クラシックにとって、どんな年になるのやら... 当blogはどうなって行くのやら... ま、一歩一歩、歩むのみ。かなと。
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