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クラシックをレンダリングするベリオ。 [2005]

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この間、とてつもなく頭に来た!頭に来過ぎて、もー、ぐだぐだ。
大人気ないとわかっていながら、どーにもこーにも... 知らず知らずに溜め込んでいたのだろうイライラに火が着いてしまって、頭の中で大延焼!頭の中に留めるのにパワーを使って、大消耗。まったく以って、情けなし。そんな自身を見つめて、ふと"今"を見渡せば、あちらこちらで頭に来ている?ニュースを見ていると、どうも世界中がトゲトゲしていて、遣り切れない。トゲトゲする原因はともかく、"今"は、そういう星の巡りなのだろうか?いや、こういう時こそ、音楽だったり、芸術だったり、ひとりひとりの想像性を刺激するものが必要だと感じるのだけれど。というより、そういうものが無さ過ぎるから、"今"という事態が引き起こされているようにも感じる。即物的で剥き出しの時代、激しくぶつかり合うしか存在意義を見出せないのは、世界が枯れ衰えている裏返しのように思えて来る。という大局観はさておき、自分自身だ... あー、もー、潤い取り戻さないと!精神がひび割れまくってるぞ...
そこで、引っ張り出したのが、ちょっぴり奇天烈なベリオによるクラシック修復作業?2005年にリリースされた、リッカルド・シャイーの指揮、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団による、ベリオ、"Orchestral transcriptions"(DECCA/476 2830)を聴き直す。

ルチアーノ・ベリオ(1925-2003)。
戦後イタリアを代表する作曲家のひとり... で、"ゲンダイオンガク"には欠かせないひとり... なのだけれど、これがまた、一筋縄ではいかない独特の音楽を繰り広げていて... 反体制というエリート主義が横溢した「前衛」の時代に、飄々と我が道を貫いて、ちょっと不可思議で、何気にウィットが織り込まれた、意外と味わい深い作品を残したベリオ。現代音楽=難解という、分かり易い構図では捉え切れない存在なのかもしれない。そんなベリオという個性が、くっきりと浮かび上がってしまう?編曲の仕事の数々... 下手すると、オリジナル作品よりも、浮かび上がってしまうのかも... そんな編曲作品、代表作はもちろん、世界初録音も拾い上げ、盛りだくさんで紹介する"Orchestral transcriptions"。シャイーならではのマニアックさを見せつつ、何気に丁寧に音楽史を下るような構成で。その音楽史の、幾分、古くなって剥げ落ちていたりした部分を、ベリオが、マイペースに修復してしまったら... 少し前、スペインのどこかの教会のイエス様の壁画を、どこかのおばあちゃんが大胆に修復してしまって、イエス様が猿になってしまった!と、盛り上がったけれど、ベリオも、かなりそういう路線だったり。
いや、創造的修復は、時に思いも掛けない場所へと連れてってくれる!パーセル、バッハ、ボッケリーニ、モーツァルト、シューベルト、ブラームス... バロックからロマン主義まで、ベリオの手に掛かって、独特の味わいを漂わせ始めてしまう、クラシックの輝かしき名前たち。さすがに、ベリオは、しっかりとした技術があるので、猿にはしないけれど、クラシックならいではのアカデミズムは後退し、奇妙なエンターテイメント性が加味されるのか。場末のサーカス小屋でも覗くような、少しチープな空気を漂わせて。それは、フェリーニの映画のトーンに似ているようで。これが、戦後イタリアの気分だったのか?ベリオのテイストというものを、とても興味深く感じる。そうした中で、特に印象に残るのは、やっぱりレンダリング(track.5-7)!シューベルトの未完の交響曲(D.936a)のスケッチを、ベリオが補いつつオーケストレーションした作品。瑞々しいロマン主義が幻影のように現れては消え... シューベルトとしてそのまま聴くよりも、ロマンチックな仕上がり。おぼろげなあたりが、いい味を出す。
という、"Orchestral transcriptions"。シャイーの指揮、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響の、中身が詰まって、かつカラフルなサウンドが、ベリオという個性を、より生々しく形にしてゆくのか。多少、奇天烈であっても、揺るぎなくスコアに向き合って、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響を十分に鳴らしてゆくシャイーのきっぷの良さに、イタリア人気質を見る思い。また、そのあたりがベリオのイタリア人気質とも共鳴し、奇天烈に感じられていたものは、イタリアの気風に結び付けられ、しっくり来るからおもしろい。そんなイタリアのトーンで飾られたブラームス... 1番のクラリネット・ソナタ(track.8-11)で、朗らかなクラリネットを聴かせてくれるギアッツァを忘れるわけにはいかない。ベリオのオーケストレーションにより、ソナタからコンチェルトとなり、スケールが増した中、明るく歌い上げるところが心地良く、素敵。ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響と、絶妙な取り合わせを見せる。
それにしても、編曲のはずが、オリジナルを聴くような聴き応え!久々に聴けば、ベリオの不思議な魅力に眩惑され、クラシックをより砕けた形で楽しんでしまう。

Berio ・ Orchestral transcriptions ・ Chailly

パーセル/ベリオ :
   陽気にして、アルフレードおじさんへのまったく以って心からのオマージュとしての、有名なホーンパイプの修飾と器楽編成化
バッハ : 『フーガの技法』 から コントラプンクトゥス XIX 〔オーケストレーション : ベリオ〕
ボッケリーニ/ベリオ : 「マドリッドの夜の帰営ラッパ」 の 4つのオリジナル・ヴァージョン
モーツァルト/ベリオ :
   パパゲーノのアリア 「恋人か女房があればいいが」 による変奏曲(モーツァルトのためのディヴェルティメント)
シューベルト/ベリオ : レンダリング
ブラームス : クラリネット・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120-1 〔オーケストレーション : ベリオ〕 *

ファウスト・ギアッツァ(クラリネット) *
リッカルド・シャイー/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団

DECCA/476 2830




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