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来たる、2013年! [miscellany]

2012年、最後の更新となりました。
なんて書くと、どっと2012年の諸々が押し寄せて来るようで、変に焦ってしまう。が、どう足掻こうとも残すところもう1日。後は、腹を括って年を越すだけ!それにしても、あっという間の2012年... 何だか、訳のわからないまま1年が過ぎ去ってしまったような、そんな感覚がある。とにもかくにも、最後の最後まで、狂騒が続いて、「終末」こそやり過ごせたものの、目を覆いたくなるようなリアルの連続に、まさしく世も末な2012年。そして、2013年はどうなるのか?戦争のキナ臭さが増す国際政治に、あまりに夢見がちな国内政治... そこに、「その場しのぎ」で、しのいで見せて、楽観したい世界経済があって、我々の生活はどうなるのだろう?クラシックはどうなってしまうのだろう?現実を直視すれば暗澹たる心地になるばかりなのだけれど、暗くばかりもなっていられない!
ということで、クラシックの2013年を、明るく占ってみようかなと。って、占い師じゃないけれど... いや、2013年にメモリアルを迎える作曲家を、ざっと予習してみる。

ズバリ、言うよ。2013年は、ヴェルディとワーグナーの、生誕200年のメモリアル!
そりゃ、占うとかそういうレベルではなくて、2013年は、とにかく、このオペラの二大巨頭の年となることは間違いない... そして、盛り上がって欲しい!不況も吹き飛ばして、ガンガン、新録音で全曲盤を聴かせて欲しい!という願いはひとまず置いといて、やっぱり、当blog的には、そうしたメインストリームから外れたあたりに光を当てる。そこで、最初に注目したいのが、没後50年の作曲家たち... とはいえ、50年という数字は、多少、中途半端か?100年に比べたら、ありがたみに欠ける気もするけれど、この50年という時間経過は、なかなか興味深い面々をクローズアップする。「昭和」が懐かしまれる昨今、現代から振り返る「近代」という言葉は、ノスタルジックなトーンに包まれつつある中、近代音楽は、今、改めて、おもしろい気がする。

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プーランク(1899-1963) : 意外と最近まで生きていたんだなと、少し驚いてみる。で、メモリアルは、どんなアルバムがリリースされるのか?昨年は、インマゼール+アニマ・エテルナが、ピリオドの範疇でプーランクの作品を取り上げて、びっくりさせられたわけだが、そういうサプライズがまたあるのだろうか?コクトーの企画によるフランス6人組の合作、バレエ『エッフェル塔の花嫁花婿』あたり、全曲で聴いてみたいのだけれど...
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ヒンデミット(1895-1963) : メモリアルに向けての完成が目前となった、アマル四重奏団(かつてヒンデミットが創設したクァルテットに因む、スイスの若手... )による弦楽重奏曲のシリーズ(NAXOS/8.572163, 8.572164)が、今、評判を集めているのだけれど、もっともっといろいろ聴いてみたいヒンデミット!この人も、時代の流れに乗って、様々な作風を見せたカメレオン的作曲家。いや、20世紀前半というのは、そういう時代だったか...
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ハルトマン(1905-63) : 音楽史が大きく動いた20世紀前半をサヴァイヴし、メインストリームから独特のスタンスを取ったこの人の存在が、今、改めて気になる... ロマン主義の残像のような仄暗さの中に、近代音楽の系譜が浮かび上がるヴィターなテイストは、新しいものに踊りがちな近代音楽にあって、我が道をゆく落ち着きを漂わせ、かえってインパクトを生む。輝かしい近代ではない、近代の影をも響かせる、引いた視点が、クール。

さて、ここで、もう50年、時代を遡りまして...
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ブリテン(1913-76) : 近代、イギリスを代表する作曲家。について、改めてどうのということもないのだけれど、2013年が生誕100年のメモリアルであるということを考えると、ちょっと不思議な感じがする。100歳でも元気なおじいちゃん、おばあちゃんは、わんさかいるわけで... もしブリテンが健在だったならと、いろいろ想像してしまう。イギリスを代表するミュージシャン、エルトンが嫁にいった21世紀、ブリテンは、オープンリーなオペラを書いて、世間をあっと言わせる。なんてことがあったら、おもしろかっただろうなぁ。

ブリテンから、50年、遡ると、19世紀... まさにクラシックの時代...
ピエルネ(1863-1937) : えっ?!生誕150年なの!ぼんやりと、もっと近代の人かと思っていたから、少しびっくりしてみるのだけれど。考えてみれば、ドビュッシー(1862-1918)のひとつ年下であって、そういう時代だったかと、イメージを新たにする。で、2013年は、より具体的にいろいろ聴いてみたいなと。
マスカーニ(1863-1945) : つまり、この人もドビュッシーのひとつ年下?ヴェリズモ・オペラのアイコンのひとりも、代表作の他について、あまりに知らないのだなと再確認。いや、知りたい!けど、2013年のイタリア・オペラは、とにかくヴェルディに染まるだろうから、マスカーニ・ルネサンスまでは手が回らないかぁ。
さらに、50年、遡れば、古典派の残照が消え切らない頃で...
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ヴァンハル(1739-1813) : 18世紀、古典派のスター作曲家として大活躍だったヴァンハルは、没後200年。いや、これを機に、再びスターの地位を、取り戻して欲しい!なんて考えてしまうのは、キャッチーでポップなその音楽性に触れると、今でもスター足り得るのでは?と、思ってしまうから... で、ヴァンハルが活躍したリアルな18世紀の音楽シーンが現代に呼び覚まされることを期待しているのだけれど、どうだろう?難しいか?
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グレトリ(1741-1813) : オペラ・コミックというジャンルを切り拓いた作曲家として知られるグレトリも没後200年。このメモリアルに向けて、じわりじわりと静かなるルネサンスが進行中?いや、フランス・オペラのポスト・ラモーに、今、スポットが当たりつつある気配も... これまで知らなかったような作品がいろいろ紹介されて、ラモーとベルリオーズの間の欠けていたピースがはまりつつあるのか。で、まさに、そうしたオペラが、グレトリの『アンドロマク』。モーツァルトが活躍を始めた頃に、まだまだ凄いオペラはある!
そんなグレトリが逝った年、ヴェルディとワーグナーが生まれているのだから、感慨も。2013年は、オペラにとっての分水嶺だったのかも。

さて、遡って、18世紀、バロックと古典派が交替する頃...
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メユール(1763-1817) : フランス革命に加わった作曲家として知られるメユールは、生誕250年。その活躍した時期というのは、ちょうど古典派とロマン主義の狭間... まさしく過渡期の作曲家として扱われるように思うのだけれど、この「過渡期」というのが結構、おもしろいと、最近、思う。そして、「過渡期」ゆえになかなか見え難い部分もあって... このメモリアルを機に、フランス革命期、さらには第一帝政期の音楽というのをいろいろ聴いてみたい。
マイール(1763-1845) : ドイツ生まれでイタリアで活躍したマイールも、まさに「過渡期」の人。だけれど、ナポリ楽派から如何にしてロッシーニへとバトンが渡されて行ったのかを知る上で、貴重な存在。ということで、生誕250年を前に、NAXOSがかなり力を入れてフィーチャーしているのだけれど、まだ聴けていない... いや、気にはなっているのだけれど... 来年こそは手に取ってみようか...

まだ遡ります。バロック、花盛りの頃へ。
コッレリ(1653-1713) : ヨーロッパ中に旋風を引き起こした、イタリア・バロック、伝説のヴィルトゥオーゾは、没後300年。今さらとも思う存在だけれど、かえって「今さら」という思い込みが、このバロックの定番を、新録音から遠ざけている帰来を感じなくもない21世紀。ピリオド界は、ますますマニアックに走りつつあるだけに、やっぱりメモリアル、きちっとコレッリと向き合うアルバムと出会ってみたい。
ドーヴェルニュ(1713-97) : 生誕300年を前に、今年、立て続けにオペラの全曲盤が2つリリースされ、びっくりしているのだけれど。まさに、ピリオド界はマニアックに突っ走っている... けれど、こういうこれまで触れる機会に恵まれなかった作曲家がクローズアップされることは大歓迎!で、ドーヴェルニュ、どんな作曲家?バッハ家の次男、カール・フィリップ・エマヌエルのひとつ年上になるのだけれど、気になる。で、2014年は、カール・フィリップ・エマヌエルのメモリアルが待っているんだ...

そろそろ、遡ることに息切れして参りました。ので、ここからは駆け足で... えーっと、シャコンヌで有名なヴィターリ(1663-1745)が、生誕350年。それから、殺人スキャンダルでも有名なジェズアルド(1566-1613)が、没後400年。で、最後に、イギリス・ルネサンスを代表するリュート奏者にしてソング・ライター、ダウランド(1563-1626)が、生誕450年(って、ダウランドってそんなにも昔の人だったんだ... )。
まだまだ多くの作曲家がいるはず... だけれど、これにてお終い。

それでは、よいお年を!




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