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2012年はクラシックにとって、どんな年になるのだろうか? [miscellany]

あけました、おめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いします。と書きながら、昨年末の話しをしてしまうのだけれど...
紅白... 思わず見入ってしまった。例年より、3割増しくらいに思えた熱いパフォーマンスが、次から次へと繰り広げられ。楽しむというより、うっかり感動してしまうこと、度々。例えば、猪苗代湖ズとか... ったく、半泣き状態で一緒に歌うしかなかったじゃないのよ... いや、始まりのあゆからして凄かった... ユーミンとかも気合の入りようが違っていて... 全体に、東北への溢れんばかりの思いが詰まっていて、心、揺さぶられて。そうして、全てのジャンルに聴き入ってしまう。やっぱ、音楽って、凄いよなぁ。とか、素朴に思ってしまう。
で、年が明ければ、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート!

再びのヤンソンスの登場。特に真新しさみたいなものはなく。そもそもヤンソンスがウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート?と、懐疑的(ヤンソンス流を貫いての2006年は、それはそれでおもしろかったのだけれど... )でもあって。正直、あまり期待はしていなかった。はずが、いつのまにやら思い掛けなく楽しんでしまう!って、半分、酔っ払って、多少、テンション高めで聴いていたからかもしれないのだけれど...
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少しユルめな方が、正月向けだし、よりウィーンっぽいのかも。しかし、ヤンソンスの気合の入り過ぎ(?)な指揮から繰り出される、チャキチャキのポルカや、ギャロップは、まさに正月に相応しいスパークリング(!)な演奏で。2006年よりもいい感じ?そこに、チャイコフスキーまで取り上げてしまうという、掟破り... いや、こういう冒険があった方が、毎年、聴き甲斐もあるというもので。CD(SONY CLASSICAL/88697927102)で、改めて聴きたくなってしまう。が、ニューイヤー・コンサートというのは、その雰囲気こそが素敵であって、CDで改めて聴くべきものか?という思いもあり、そのあたり、もどかしい!

さて、話しは演奏から外れるのだけれど... 今年のニューイヤー・コンサート、気になったのが花の量... 毎年、ヤリ過ぎだよっ!と、ツッコミを入れねばならないほどのデコレーションっぷりだったが、今年は、量も、色も、若干、寂しい印象。これが、沈みゆくユーロ圏の現状なのか?複雑な思い。
1ユーロ、¥100を切り、ますますユーロ圏の先行きが険しくなっている。となれば、クラシックにとっての2012年は、また厳しいものになるのだろう。どこかのレーベルが吸収され、消滅し、なんてことも起こり得るだろうし、漠然と不安は広がる。が、正月早々から、そう不安ばかり言ってもしょうがない。というより、輸入盤がもっと安くなっていいのでは?もちろん、十分に安くなっているものもあるけれど、CHANNEL CLASSICS、GLOSSA、naïveあたり、もう一声!って、感じでして... はてさて、今後、どうなるのか、期待しつつ、楽しみであって...

そんな、世知辛い話しはここまで。2012年のメモリアルである。
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ざっと見渡すと、昨年、一昨年ほど、華やかではないものの、意外と興味深い面々がメモリアルを迎える。その代表が、生誕150年のドビュッシー(1862-1918)。そのメモリアルに照準を合わせ、着々と進む、メルクル+リヨン国立管による管弦楽作品集のシリーズ。間もなく、協奏的作品を集めたvol.7(NAXOS/8.572675)がリリース予定とのこと。ティボーデのピアノによる幻想曲、メイエのクラリネットによる第1狂詩曲と、ソリスト陣が思い掛けなく豪華!で、楽しみなのだけれど、これまでになくドビッュシーの全てを網羅しようという強い意気込みを感じるシリーズの着地点がどんなものになるのか、今から興味津々。
もちろん、メルクル+リヨン国立管だけではないだろうドビュッシーのメモリアル... できれば、ピリオド・オーケストラで「海」なんかを聴いてみたいのだけれど... それから、ドビュッシーと同い年、生誕150年のディーリアス(1862-1934)。魅力的な作曲家のひとりだとは思うのだけれど、なかなかスポットが当たり難いようなところもあって。だからこそ、このメモリアルには、しっかりとしたアルバムがリリースされることを願う!しかるべきオーケストラで、代表作の数々を、改めて堪能してみたいのだよね...
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そして、忘れてならないのが、生誕100年のケージ(1912-92)。戦後前衛の伝説を、マニアックに取り上げるのもいいかもしれない。が、ここはひとつ、近現代が得意な有名どころで、メモリアルらしいメジャーな新録音を聴いてみたいなと。それから、ケージと同い年... となると、やはり生誕100年のモンサルヴァーチェ(1912-2002)。『5つの黒人の歌』で知る、このスペインの作曲家についても、よりクローズアップされたなら... と思っているところに、早速、häensslerから歌曲と協奏曲集(häenssler/98.642)がリリースされるとのこと。こういう流れが勢いを増してくれるといいのだけれど。

ここで、時代を遡りまして...
気になるのは、没後200年となる、古典派の時代を活きた3人の作曲家。ヴィオラ協奏曲が有名なホフマイスター(1754-1812)、ロマン派の先駆者、ドゥセック(1760-1812)、ベートーヴェンのライバル、ヴェルフル(1773-1812)。まったく聴けないわけではないけれど、このあたりでしっかり聴いてみたい作曲家たち... それから、本業は作曲ではないのだけれど、音楽の世界でも足跡を残した、生誕300年となるルソー(1712-78)と、フリードリヒ大王(1712-86)の存在が気になる。
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ブフォン論争に一石を投じたルソーの『村の占い師』は、当時、ロングランされたという人気作で、21世紀の今でも、実はなかなか魅力的なオペラ... だけに、その音楽面での貢献にもスポットが当たれば、興味深いはず... それから、フルートを吹くその姿が有名なフリードリヒ大王。パトロンとして、その宮廷にはバッハを含め、多くの音楽家が集ったわけだが、作曲家として、多くの作品も残しており... そうしたあたりを、ピノックを迎え、ピリオド寄りの演奏で、コスプレまでして取り上げたパユによる"The Flute King"(EMI/0842302)のリリースが、メモリアル・イヤーに先駆けておもしろかった。が、フリードリヒ大王の宮廷の音楽を、改めてピリオドでも、しっかりと聴いてみたい。ベルリン古楽アカデミーとか... コセンコのトラヴェルソとか...

とにかく、新年早々から、何かと期待は膨らんでしまうのだけれど、2012年はクラシックにとって、どんな年になるのだろうか?良い年でありますように。




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