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クラシック、ヴァケイション... ブラジル... [2011]

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野党は茶番だと言いますが... 今、政治家、そのものが茶番ですから!
まったく、間違わないでもらいたい。それにしても、政治家たちの危機意識の無さと言うか、「政治家」と名乗りながら、政治そのものへの関心の低さには呆れるばかり。で、何に関心があるかと言えば、数=権力、金も欠かせない?何より我を通すこと... ただそれだけ。虚しいね。それをネタに盛り上がるメディアも、見ていられないよ。まったく。未曾有の大災害を経験して、今こそ日本を!という空気感が日本全体を包む中で、こうも視点のズレた輩が日本の政治をやっていて、それを諌めるどころか焚きつける連中がメディア... という日本の悲劇。変な話し、被災地の惨状よりも、目を覆いたくなる。こういう日は、テレビを消して、音楽に避難(しなきゃ、ヤッテラレネー!)。ということで、大西洋を渡って、ブラジル... 思いっきり遠いクラシックを聴いてしまう。そんな気分。
マーカス・クリード率いる、SWRヴォーカル・アンサンブル・シュトゥットガルトが歌う、ヴィラ・ロボスの合唱作品集(hänssler/93.268)を聴く。

近頃、南米の作曲家が目立つような気が... しない?
ラテン・アメリカだからこその、様々な文化がミクスチャーされて生まれるテイストを、クラシックというフィールドで巧みに響かせる。そんなラテン・アメリカの作品は、「クラシック」の堅苦しさをいい具合に外してくるようでもあり、おもしろい。そして、そういうおもしろさが、堅苦しいクラシックにあって、じわりじわり受容されもし... 21世紀に至っては、ラテン・アメリカ出身の指揮者や、オーケストラの活躍もあり、よく知られた定番に留まらない、幅広い作品が取り上げられ、より楽しめるのが日常となりつつあるような印象がある(って、もちろん、録音の世界で、だけれど... )。とはいえ、ヴィラ・ロボスの合唱作品集?!には、驚かされた。
ヴィラ・ロボスは多作家で、様々な種類の作品を残している... が、「無伴奏合唱」という括りで、1枚、アルバムができてしまうということに、新鮮な驚き!ヴィラ・ロボスという作曲家に、そういうイメージを持ち合わせていなかった分、興味津々で聴いてしまう。で、また、それをドイツの合唱団が歌う... というのだから、21世紀、クラシックの広がりに感慨もあったり。で、ヴィラ・ロボスの無伴奏合唱なのだが... その多彩さでも、驚かされる!ロシアのア・カペラを思わせる?1曲目、「甘美な合唱、愛らしい合唱」の充実のハーモニーに始まり、2曲目、男声コーラスによる「ホセ」(track.2)では、シューベルトのような雰囲気も。続く、女声コーラスによる「縫い物をする女」(track.3)は、合唱王国、北欧のようなトーンがあるような。
もちろん、太平洋のこちら側に住む者のエキゾティシズムを満足させてくれる、期待通りのブラジリアンな作品も... ニェエンガトゥ語による2つのアメリカ・インディアンの伝説(track.8, 9)では、アマゾンのプリミティヴさが、絶妙に近代音楽に取り込まれ、魅力的。そして、ボサノヴァ(とは違うのだけれど... )の国ならではの、まったりとラテンを漂わせる「パッズム」(track.11)は、その砕けた気分がたまらなく魅惑的で。ブラジル風のバッハからは、無伴奏合唱のための9番(track.4, 5)が。ショーロスからは、3番、「きつつき」(track.6)を、無伴奏合唱で取り上げて、ブラジルを代表する作曲家ならではの音楽世界を堪能。おもしろいのは、バッハの平均律クラヴィーア曲集からの前奏曲とフーガ(track.12, 13)を、ヴィラ・ロボスが無伴奏合唱のために編曲したもの... バッハにラテンが滲んで、どこか熱っぽいハーモニーを展開。で、馴染んでしまうから、何気にバッハの音楽にもラテン気質は含まれる?ふと、マタイ受難曲の独特の熱っぽさを思い浮かべたりして...
それにしても、ア・カペラという制約に、イメージは固定されてくると思うのだけれど、そういうものをするりとかわして、様々な表情を見せるヴィラ・ロボスの合唱作品集。ヨーロッパの伝統と、ブラジルと、バッハと、近代音楽と... ひとりの作曲家のアルバムでありながら、予想外のヴァラエティに楽しんでしまう。また、そういう多彩なあたりを、丁寧に捉え、やわらかなイメージで1枚にまとめてくるクリード+SWRヴォーカル・アンサンブル・シュトゥットガルトがいい味を出していて... ハイテクを誇るドイツの室内合唱の世界にあって、怜悧さばかりでない色彩感を持つ彼らのハーモニーは、ヴィラ・ロボスと相性が良いのか、ほんわかとした温度感がアルバム全体を包み、聴く者をやさしい心地に。素敵な1枚になった。

HEITOR VILLA‐LOBOS | Choral Works

ヴィラ・ロボス : 甘美な合唱、愛らしい合唱
ヴィラ・ロボス : ホセ
ヴィラ・ロボス : 縫い物をする女
ヴィラ・ロボス : ブラジル風バッハ第9番
ヴィラ・ロボス : ショーロス第3番『きつつき』
ヴィラ・ロボス : 言葉のない祈り
ヴィラ・ロボス : ニェエンガトゥ語による2つのアメリカ・インディアンの伝説
ヴィラ・ロボス : アヴェ・マリア
ヴィラ・ロボス : バッズム
バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 から 前奏曲とフーガ 変ホ短調 BWV.853 〔ヴィラ・ロボスによる無伴奏合唱版〕
ヴィラ・ロボス : ナ・バイア・テム
ヴィラ・ロボス : 知識に祝福あれ

マーカス・クリード/SWR ヴォーカルアンサンブル・シュトゥットガルト

hänssler/93.268




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