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冬から春へ。 [miscellany]

この間、豆撒きをした。もちろん、「節分」で...
が、正直、面倒くさい。いや、豆撒きというのが、どうもこっぱずかしい。と、そんなことばかり考えていたが、改めて見つめ直すと興味深い気がする。「節分」という言葉も、その文字の意味を考えてみると、象徴的で。また、豆を撒いて季節を分けるというのが、何か神事っぽい。もし、豆を撒く時の台詞が、祝詞のように呪文めいていたら、あるいは、ラテン語のように勿体ぶった響きの言葉だったら、また違ったかも?
そうして、立春となった豆撒きの翌日、見事に春めいて、「節分」にマジカルなものを感じてしまった。いや、季節は巡って、また新たな春がやって来るのだなと、改めて感じ入る。そして、音のタイル張り舗道。も、ここでまた新たな春を迎えるために、2010年を振り返る... つもりだったが、2010年の冬を振り返ったばかりなので、ちょっとインテルメッツォ... というか、ディヴェルティスマン?

笑福亭鶴瓶が、ゲストとともに、ゲストのリクエストの地へと赴き、ぶらぶらするNHKの旅番組、『鶴瓶の家族に乾杯』。ゲストに佐渡裕... かつて修学旅行で訪れた宮崎をゆく... ということで、何気に見る。が、宮崎じゃなくて、小倉でした... という、マエストロのトホホな弁解から始まってしまうという驚くべき事態。しかし、マエストロの勘違いで宮崎を訪ねたはずが、アンタ、宮崎に呼ばれたね... という奇跡の展開が待っていて...
思いがけなく訪れた高校のブラスバンドと共演。それも『キャンディード』序曲。いきあたりばったりを謳う『鶴瓶の家族に乾杯』だけれど、出来過ぎているよ。いや、こういう奇跡を引き寄せる番組でもあるのか... というより、本当の奇跡は、佐渡裕に『キャンディード』序曲を指導してもらえる高校生たちか。で、わずかな時間、マエストロの手際良い指導で、奇跡の成長を遂げる高校生たち... 音楽番組ではないので、演奏についてはクローズアップされないものの、お世辞にも上手いとは言えなかった登場の演奏から、みるみる進化し、最後は見事に『キャンディード』序曲に成り得てしまう!その変身ぶりに、うっかり感動(鶴瓶師匠も泣いてるやん!)。いや、スポンジのように吸収してゆく無垢な感性に、底知れないものを見てしまった。
どんなに有名なオーケストラでも、名門オーケストラでも、ユース・オーケストラには敵わないことがある。疑うことなく音楽と向き合い、音楽を信じ、希望を持って、目標に向かってひとつにまとまってゆくピュアな姿... そうして生まれる感動は、音楽を聴いて感動するのとはまた一味違うものがあるように感じる。もちろん、音楽としてのクウォリティが異様に高いのも、今のユース・オーケストラの特徴でもあって... 思いもよらぬ新鮮な感覚を、作品から引き出すことすらある。若いって、際限が無い(なんて、つぶやくのは年取った証拠?)。
そんなことを再確認させられた、高校生たちの『キャンディード』序曲。自分自身のクラシックとの向き合い方を、ちょっと考えさせられた。ま、考え過ぎだろうけど。ピュアな感性でクラシックというすばらしいジャンルに向き合えたなら、そこから得るものはどれほど大きいだろうか?必死で佐渡裕の指揮棒(マエストロ曰く、最速の『キャンディード』序曲... )を追う高校生たちが、羨ましく感じられた。

さて、次回から、2010年にケリをつける!
って、そんな...




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