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夢見るような... 目が覚めるような... [2008]

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リストラされたはず...
DECCAのピリオド・ライン、L'OISEAU-LYREから、バルトリが歌う『ラ・ソナンブラ』の全曲盤(L'OISEAU-LYRE/478 1087)がリリースされるという話しを聞いて、びっくりした。このレーベル、完全復活?で、『ラ・ソナンブラ』といえば、デセイの歌う全曲盤(Virgin CLASSICS/395138 2)が、昨年、リリースされたばかり。オペラの全曲盤の新録音が極端に減っている21世紀、ベッリーニのオペラが立て続け(といっても、ちょうど1年、空いたわけだど... )に登場するとは、なかなか興味深い事態... 何より、久々の、バルトリが歌う全曲盤の登場!これまで、気鋭のピリオド・アンサンブルと組んで、一匹狼的に、とんがったアリア集をリリースし続けてきたバルトリが、満を持して挑む全曲盤だけに、楽しみでないわけがない。また、フローレスがその相手役というから、ベルカント・オペラの全曲盤としては、望みうる最高のタッグ!そこにきて、バルトリならば当然?ピリオド・オーケストラによるベッリーニとなるわけだ...

2001年、ベッリーニ(1801-35)の生誕200年のメモリアル、イタリア・ピリオド界の鬼才、ビオンディが、エウローパ・ガランテを率いて『ノルマ』に挑み、叩かれたことを振り返れば、時代も進んだのか?演奏解釈に成長があったのか?こうして、ピリオド・オーケストラによるベルカント・オペラの全曲盤が、堂々とリリースされることに、まず感慨があったりなのだが、その内容、間違いなくしっかりとした手応えのある演奏で... やはりイタリア・ピリオド界の一翼を担うアレッサンドロ・デ・マルキを指揮に招き、ピリオド仕様となったチューリヒ・オペラのオーケストラ、ラ・シンティッラが、すばらしい演奏を聴かせてくれる。
アーノンクールとの親密なリレーションシップが育み、熟成されてきた彼らのピリオド・アプローチは、「二足の草鞋」などとは言わせないクウォリティを誇り、ベルカント・オペラでもすばらしい。いや、19世紀に踏み込んできたピリオド専門オーケストラよりも、器用に立ち廻って、不安定なところがない。それでいて、ピリオド・アプローチならではの、ノン・ヴィブラートのキレ味は鋭く... これでイタリア・オペラのチャキチャキなところを奏でられてしまうと、もうノらずにはいられない。何より、オペラハウスのオーケストラだけに、オペラそのものに対して、実にこなれた印象があり、ドラマとしての充実感が音楽から溢れてくる。
そんな万能オーケストラを、フルに立ち回すデ・マルキ。アカデミア・モンティス・レガリスの主要な指揮者として、naïveのヴィヴァルディ・エディションでも鳴らす存在だけに、イタリアの"ピリオド"ならではのテンションの高さ、コントラストをしっかりと描いていく手堅さは、18世紀モノのみならず、ベルカントでも成功。オーケストラ全体の血行を良くして、細部までしっかりと生気が行き届いて生まれるサウンドは、作品そのものに輝きを与えるよう。ベルカント・オペラというと、まずは「狂乱の場」ありき... プリマの超絶技巧を頼みに、ドラマとしての力強さは今一... なんてことになりそうだが、デ・マルキの指揮は、フィナーレに向けて、しっかりとドラマが練り上げる。一方で、随所随所、ウィンド・チャイム?を鳴らしてみせて、幽霊に間違われる夢遊病の女が彷徨い出す、ファンタジックな気分を巧みに表出し、なかなか素敵。
で、オーケストラに負けていない、チューリヒ・オペラのコーラスが、絶妙にアグレッシヴで、またドラマを盛り上げてくる!プリマ主導のように見えて、実は、ソロ、コーラスが混然一体となって進む、ベッリーニのオペラだけに、コーラスがしっかり決まってくると、作品の魅力はさらに輝き、その後のヴェルディや、プッチーニに負けない力強さに、少し驚かされてみたり。
が、やはりベルカント・オペラ。歌手たちである...
今、現在、最もベルカントに適した歌手といえば、間違いなくフローレス(テノール)。だろうが、ベルカント/美しい声で、「完璧」に歌い上げてくる一方、どことなしに情感に欠けるところもあるような帰来も(そういうロール?)。デ・マルキにより、ドラマティックな展開が強調された背景では、そうしたあたり、わずかに窺えてしまうのが残念な気も... しかし、"ベルカント"を申し分無く歌うこと自体、極めて難しいことなわけで、それは贅沢な欲求?そして、バルトリだ。やっぱり、彼女は凄い... ベルカントならではの繊細な輝きを、完璧に表現し、かつ超絶技巧なあたりは余裕綽々。しかし、丁寧に丁寧に歌い進めているのも印象深く、緩む場所、隙がないあたりに感服させられる。それでいて、ドラマティックに歌い上げてくるから、ただただ圧倒されるしかない。フィナーレでは、ハッピー感が弾けて、盛り上がる盛り上がる!何より、イタリア・オペラならではの、大見得を切っていくようなあたりが、ただただ快感!まったく夢のような仕上がりで、目が覚める出来栄え!
初めは、ピリオド・オーケストラでベルカント・オペラかと、期待しつつも、多少、心配もあったが、期待をはるかに超えたすばらしい『ラ・ソナンブラ』。驚かされ、ただただ堪能するばかりだ。

BELLINI La sonnambula BARTOLI ・ FLÓREZ ・ D'ARCANGELO ・ DE MARCHI

ベッリーニ : オペラ 『ラ・ソナンブラ』

アミーナ : チェチーリア・バルトリ(メッゾ・ソプラノ)
エルヴィーノ : ファン・ディエゴ・フローレス(テノール)
ロドルフォ伯爵 : イルデブランド・ダルカンジェロ(バス)
テレサ : リリアーナ・ニキテアヌ(メッゾ・ソプラノ)
リーザ : ゲンマ・ベルタニョーリ(ソプラノ)
アレッシォ : ペーター・カルマン(バス)
公証人 : ハビエル・カマレナ(テノール)

チューリヒ歌劇場合唱団
アレッサンドロ・デ・マルキ/オーケストラ・ラ・シンティッラ

L'OISEAU-LYRE/478 1087


さて、L'OISEAU-LYREなのだが... ダントーネ(チェンバロ)が弾く、バッハのコンチェルト(L'OISEAU-LYRE/475 9355)で、再スタートを切り、バルトリの『ラ・ソナンブラ』が登場。今後、どうなっていくのだろうか?来年は、ヘンデル、ハイドンのメモリアル・イヤーということで、新たなレコーディングもいくつか準備されているようなのだが... 気になるのは、バルトリだ。『ラ・ソナンブラ』は、どうやら、"Romantic Revolution series"というプロジェクトの一環のようなのだが。ロマンティック・レヴォリーション?なかなか刺激的な言葉... シリーズとなると、次はどんなロマンティックなオペラが登場するのだろう?
一方、L'OISEAU-LYREの次の新録音は、TELDEC消滅を受けて、彷徨えるイタリア・ピリオド界の革命児、イル・ジャルディーノ・アルモニコによるヘンデルの合奏協奏曲 Op.6とのこと。イル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏が、今後、L'OISEAU-LYREからコンスタントに聴けることになるならば、またうれしい驚き!




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